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2回目となるMotoGPテストがマレーシアで開催
ロレンソが総合トップのタイムで日程を終了
2月26日(1日目)
第2回セパンテストは雨のなかでスタート
ヤマハ・ファクトリー・レーシングは2月26日、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行われた今季2回目の公式IRTAテストに参加。しかしその初日は雨に見舞われてコンディションが悪く、午前中はスケジュール通りに実施されたものの午後は天候悪化によりキャンセルとなった。
午前中に行われた第1セッションではJ・ロレンソが、開始早々からペースを上げて好調ぶりをアピール。おもに加速性能向上を目指してセッティングに取り組みながら、トータル25ラップを走行して2位を獲得した。トップとの差は0.235秒。一方、チームメイトのV・ロッシはセッション序盤に2013年型マシンに不具合が発生したため、2012年型マシンに乗り換えてテストを続行。セッションの最後まで走りきって貴重なデータの収集を行い、トップにコンマ5秒差と迫る5位につけた。
セパンテスト初日(2月26日)結果
(気温:29度 路面温度:52度)
順位 | ライダー名 | チーム名 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 2'01.580 |
2 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 2'01.815 |
3 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 2'01.942 |
4 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 2'01.959 |
5 | V・ロッシ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 2'02.028 |
6 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech3 | Yamaha | 2'02.272 |
10 | B・スミス | Monster Yamaha Tech3 | Yamaha | 2'03.632 |
11 | 中須賀克行 | Yamaha Factory | Yamaha | 2'03.734 |
15 | 吉川和多留 | Yamaha Factory | Yamaha | 2'04.590 |
セパン レコードラップ: C・ストーナー 2分02秒108(2007年)
セパン ベストラップ: J・ロレンソ 2分00秒334(2010年)
2月27日(2日目)
テスト2日目でロレンソがトップを獲得
公式テスト2日目。ディフェンディング・チャンピオンのロレンソがトップに躍り出た。第1セッション開始と同時に一気にタイムを上げたロレンソは、そのまま順調にハイペースをキープ。そしてついに首位に上がると、この日の走行終了まで2度とその座を譲らなかった。昨日よりも路面コンディションが良くなったこともあり、初日トップのD・ペドロサのタイムを1.5秒近く更新する2分00秒282を記録している。
一方のロッシは、電気系統に小さな問題が出たため若干遅れてのスタート。しかしコースに出てからは非常に好調で、消耗したタイヤでトラクション向上を図るためのテストに取り組み、トータル63ラップを走破した。ラップタイムでは初日のタイムを1秒以上更新し、5位をキープした。
セパンテスト2日目(2月27日)結果
(気温:33度 路面温度:42度)
順位 | ライダー名 | チーム名 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 2'00.282 |
2 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 2'00.651 |
3 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech3 | Yamaha | 2'00.907 |
4 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 2'00.992 |
5 | V・ロッシ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 2'01.065 |
10 | B・スミス | Monster Yamaha Tech3 | Yamaha | 2'02.023 |
14 | 中須賀克行 | Yamaha Factory | Yamaha | 2'02.946 |
15 | 吉川和多留 | Yamaha Factory | Yamaha | 2'03.354 |
セパン レコードラップ: C・ストーナー 2分02秒108(2007年)
セパン ベストラップ: J・ロレンソ 2分00秒334(2010年)
2月28日(3日目)
テスト最終日も悪コンディションでのチャレンジ
ヤマハ・ファクトリー・レーシングは28日、3日間にわたった第2回IRTAテストを終了。最終日は雨に見舞われウエット・コンディションでスタートしたが、その後、天候が回復してコースはドライへと変化。その上、急激に気温が上昇したためライダーにとっては非常に厳しい環境での走行となった。
そのなかでもロレンソは決勝を想定したロング・ランを敢行、エンジニアへのフィードバックのための貴重なデータを収集した。ラップタイムでは、午前中のウエット・コンディションでトップタイムを記録。ドライでは2分00秒992に上げ、トップから0.43秒差で3位を獲得した。また3日間の総合では、テスト2日目に記録した2分00秒282でトップ。
チームメイトのロッシは今日も、トラクションとバランスの最適化を目指してセッティング作業を継続。最終的にはロレンソに0.07秒差まで迫り、4位に浮上した。
セパンテスト3日目(2月28日)結果
(気温:33度 路面温度:42度)
順位 | ライダー名 | チーム名 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 2'00.562 |
2 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 2'00.643 |
3 | J・ロレンソ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 2'00.992 |
4 | V・ロッシ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 2'01.062 |
5 | A・バウティスタ | Honda Gresini | Honda | 2'01.078 |
6 | C・クラッチロー | Monster Yamaha Tech3 | Yamaha | 2'01.094 |
10 | B・スミス | Monster Yamaha Tech3 | Yamaha | 2'02.314 |
15 | 中須賀克行 | Yamaha Factory | Yamaha | 2'03.154 |
17 | 吉川和多留 | Yamaha Factory | Yamaha | 2'03.257 |
セパン レコードラップ: C・ストーナー 2分02秒108(2007年)
セパン ベストラップ: J・ロレンソ 2分00秒334(2010年)
J・ロレンソ選手談:(3日目:3位/2分00秒992/56周)
「最初はウエットでのマシンの状態を確認するためにコースに出て行った。感触は悪くなくて、最終的にトップタイムをマークすることができたよ。でもコースが徐々に乾いてくると、昨日のようにはうまくいかなかった。路面がかなり滑りやすい状態になっていたので、昨日のタイムまで上げることができなかったんだ。決勝を想定したロング・ランでは、ブレーキングでフロントにやや気になるところがあって思い通りに飛び込めず、ペースを落とさざるを得なかった。今回はコンディションがあまり良くなかったので、前回同様の成果を上げることはできなかった」
V・ロッシ選手談:(3日目:4位/2分01秒062/61周)
「終わってみれば、十分な結果と言っていいだろうね。今日は4位に上がることができたし、トップとの差も大きくない。でも第1回テストと比べると、いくらか問題も多かったんだ。アンラッキーな面もあったんだけれど、電気系統のトラブルで時間を無駄にしてしまった。少しでもいい走りができるようにと修正していったけれど、問題をすべて取り除くことはできなかったんだ。 あと3日あれば、マシン性能の限界ぎりぎりまで上げていってトップに返り咲くことができる。今はオースティンを楽しみにしているよ」
C・クラッチロー選手談:(3日目:6位/2分01秒094/59周)
「最終日は6番手だったが総合では4番手となり、テストをポジティブな気持ちで終えることができた。今日の最後にみんながタイムを出そうと激しくプッシュしている時、僕は遅れていたけどそれについては心配していない。僕らはパッケージを進歩させるためにハードワークをしてきたし、今日はさらに価値のある情報が得られたからね。ただブレーキングエリアとコーナーへの進入時にまだ少しロスしている。これを改善するために違うブレーキで2種類のセッティングを試してみた。ひとつはブレーキングが良くて、もうひとつはグリップが良い。だから両方のベストを見つけてそれをまとめなければならない。総合4番手という結果だが、トップ3からそれほど離れてはいないし、彼らはすべてファクトリーマシンに乗っているので、これについては心強い。僕らが僅差の争いをしているのは間違いないと思う」
B・スミス選手談:(3日目:10位/2分02秒314/64周)
「セパンで2度目となるこのテストはポジティブに終わった。最初にここで走った時よりもバイクについてずっと良くわかったからね。最後に皆がニュータイヤを履いてタイムを出そうとアタックモードに入っている時、僕はガレージで座っていたんだ。タイムを出しに行きたくなかったんじゃなくて、もっと大きなものに向かって、今は一歩ずつ着実に進むことのほうが大事だったからだ。自分にとってのベースセッティングが決まったとはまだ思ってないけど、少なくとも求めている方向性は確認できた。僕らにとって幸運だったのは、それが昨年のアンドレア・ドヴィツィオーゾと同じ方向だったことで、たくさんのデータがあるからね。まだバイクのセットアップを大きく変えて2日目なので、開発という点ではやるべきことがたくさんある。速くはなかったにせよ、前回のテストよりもはるかに良いところにつけているとは言える。この後、最後のテストでヘレスに行くけど、今は違うコースでYZR-M1を走らせることが楽しみだ」