10月28日(日)、鈴鹿サーキット(三重県)で開催された全日本ロードレース選手権・第44回MFJ GPで、「ヤマハ・YSP・レーシング・チーム」から国内最高峰のJSB1000クラスに出場する中須賀克行選手が、レース2で3位を獲得し、自身3度目のチャンピオンを獲得しました。
今シーズンの中須賀選手は、開幕戦のもてぎ大会から絶好調。レース後半での逆転劇で1勝目をあげると、第2戦は2位、第3戦ではスタートこそ遅れますが、終盤トップに浮上して今季2勝目をあげランキングトップに立ちます。続く第6戦*はポールを奪いながら2位となるも、第7戦では秋吉耕佑選手(ホンダ)、清成龍一選手(ホンダ)とのバトルを制して今季3勝目。さらに第8戦では4戦連続ポールの2連勝で今季4勝目を飾る圧倒的な強さを見せ、ランキングでも2位の柳川明選手(カワサキ)との差を28ポイントまで開き最終戦を迎えました。
2レース制の最終戦はウエットコンディションで行われ、レース1では最終ラップまで2位を走行しながらも転倒して21位となり、チャンピオンの決定はレース2にもつれ込みます。そのレース2も、ウエットコンディションでのレースとなりましたが、序盤から上位をキープし3位表彰台を獲得。これにより中須賀選手は、2009年以来となる自身3度目のチャンピオンを決定しました。
※JSB1000クラスは第4・5戦のレース設定がありません。
中須賀克行選手談:
「レース1では、自分でもまさかの転倒でした。ただ、原因が自分のミスではないので、気持ちを新たにレース2に臨むことができました。そのレース2では、身体が硬くなって思うように走ることができなかったのですが、無事に完走し、チャンピオンを取り戻せたことは、本当に誇りに思います。ヤマハ、YSP、ブリヂストンをはじめとしたレース活動を支えてくださったみなさん、そしてチームスタッフ、家族、ファンのみなさんに、感謝の気持ちで一杯です。本当にありがとうございました。今年は、タイヤをブリヂストンに変更しましたが、シーズンオフのテストからフロント回りのセッティングが決まらず、不安を残したままの開幕になりました。しかし、開幕戦ツインリンクもてぎ、第3戦筑波で優勝でき、さらにその後もレースやテストを重ねるたびに順応できるようになりました。タイヤをブリヂストンに変えて、ヤマハにとっても、僕自身にとっても勝負の一年になりましたが、結果を残すことができてホッとしています。ただ、どうしても鈴鹿サーキットではセッティングが詰め切れなかったので、来年こそはフルコースでキッチリと優勝したいです」
倉田幸彦談(ヤマハ発動機株式会社 MS開発部 MS推進グループリーダー):
「中須賀選手は、7戦8レースで4勝と強豪ぞろいのこのJSB1000クラスで圧倒的な強さを発揮し、3度目のチャンピオンを獲得してくれました。また今シーズンは全日本だけでなく、当社MotoGPマシンYZR-M1の開発、世界耐久選手権やMotoGPへのスポット参戦など幅広いカテゴリーに挑戦し活躍しました。これは、日本人ライダーの可能性を国内外に示すだけでなく、若いライダーや子どもたちに夢や挑戦する尊さを伝えるチャレンジであり、本人にとっても、レース界にとっても非常に意義のあるものでした。また、この中須賀選手の活躍は、毎戦応援に駆けつけてくださるYSPメンバーズクラブ様をはじめ、スポンサー各位、ファン、関係者のみなさまのサポートのお陰です。今後もチーム一丸となってみなさまと感動を共有できるレースをしていきますので、応援の程よろしくお願いします」
中須賀選手、2012年シーズンの戦績
開催日 |
大会名 |
成績 |
4月1日 |
第1戦 もてぎ大会(栃木県) |
優勝 |
4月15日 |
第2戦 鈴鹿2&4(三重県) |
2位 |
5月13日 |
第3戦 筑波大会(茨城県) |
優勝 |
8月26日 |
第6戦 SUGO大会(愛知県) |
2位 |
9月9日 |
第7戦 オートポリス大会(大分県) |
優勝 |
10月7日 |
第8戦 岡山大会(大分県) |
優勝 |
10月28日 |
第9戦 鈴鹿MFJGP(三重県) |
21位/3位 |
※JSB1000クラスは第4・5戦のレース設定がありません。
ST600ではデチャ選手がチャンピオン、中冨選手がランキング3位を獲得
ST600クラスでは、YZF-R6を駆るデチャ・クライサルト選手(YAMAHA Thailand Racing Team)が、ここまでの6戦すべてで表彰台を獲得(優勝:3回/2位:2回/3位:1回)する圧倒的な強さでランキングをリード。最終戦ではウエットコンディションのなか転倒リタイアとなりましたが、6戦までのアドバンテージによりチャンピオンを決定しました。なお「HiTMAN RC甲子園ヤマハ」の中冨伸一選手が、ランキング3位を獲得しました。
デチャ・クライサルト選手談:
「転倒したときは、チャンピオンを獲得できるとは思っていませんでした。でも、ピットに戻りみんなに大丈夫だと聞き、チャンピオンになれることを知りました。タイ人がこのハイレベルな全日本選手権でチャンピオンを獲得できたこと、そして今季で12年目を迎えるST600クラスで私がヤマハで初のチャンピオンになったことがうれしく、自然と涙があふれてきました。本当にありがとうございました。自分にとってライダーとしての原点はYAMAHA ASEAN CUP RACEですが、このレースで多くの経験を積み、ここまでたどり着くことができたと思います。YAMAHA ASEAN CUP RACEは今年もフィリピンで開催されますが、今後もこの機会を生かして多くのアジアンライダーが成長し、世界に羽ばたいていくことを願っています」
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