詳細本文 レースに関連する広報発表資料をご覧いただけます。 今シーズン2度目の事前テストがマレーシアで開催 天候に翻弄されるもヤマハ勢好感触で終える 2012年3月2日 セパン・テスト1日目(2012年2月28日) 今季2回目のセパン・テストは悪天候のもとでスタート IRTA主催の第2回公式テストがマレーシアのセパン・サーキットで行われ、ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソとB・スピースが参加。しかし初日は悪天候に翻弄され、午後からのセッションは激しい雨のためにほとんど走行することができなかった。 そのなかでも、ロレンソとスピースは短いドライ・コンディションの時間帯を最大限に活用。シーズン開幕に向けてニューマシンのベース・セッティングを固めるべく、YZR-M1のエンジンスペックを入念に確かめながら最終チェックを行った。また同時に、すべてのチームが悩まされていたチャタリングの問題についても対処することとなった。 セパン・テスト初日(2月28日)結果 (気温:37度 路面温度:57度) 順位 ライダー名 チーム名 マシン タイム 1 C・ストーナー Repsol Honda Team Honda 2'01.761 2 D・ペドロサ Repsol Honda Team Honda 2'02.005 3 J・ロレンソ Yamaha Factory Racing Yamaha 2'02.436 4 B・スピース Yamaha Factory Racing Yamaha 2'02.819 5 A・バウティスタ Honda Gresini Honda 2'02.959 7 C・クラッチロー Yamaha Tech3 Yamaha 2'03.213 11 A・ドビツィオーゾ Yamaha Tech3 Yamaha 2'03.830 セパン レコードラップ: C・ストーナー 2分02秒108(2007年) セパン ベストラップ: V・ロッシ 2分00秒518(2009年) セパン・テスト2日目(2012年2月29日) ヤマハ勢、順調にペースアップ B・スピースとJ・ロレンソは、マシンテスト2日目の今日もウエットとドライを経験。1000ccのYZR-M1では初めてとなるウエット用セッティングをテストする機会に恵まれた。午前中のドライ・コンディションでは、ふたりとも1日目のタイムを大きく更新しており、それぞれ1位と2位で2日目の走行を終了した。 スピースはウエット、ドライ両方でマシン・セットアップに取り組み、一方のロレンソは、M1のスロットルとエンジンのコントロールを通してパワーデリバリーの向上を追求した。明日はテスト最終日を迎える。 セパン・テスト2日目(2月29日)結果 (気温:35度 路面温度:35度) 順位 ライダー名 チーム名 マシン タイム 1 B・スピース Yamaha Factory Racing Yamaha 2'01.285 2 J・ロレンソ Yamaha Factory Racing Yamaha 2'01.293 3 A・ドビツィオーゾ Yamaha Tech3 Yamaha 2'01.522 4 C・クラッチロー Yamaha Tech3 Yamaha 2'01.695 5 N・ヘイデン Ducati Team Ducati 2'01.748 セパン レコードラップ: C・ストーナー 2分02秒108(2007年) セパン ベストラップ: V・ロッシ 2分00秒518(2009年) セパン・テスト3日目(2012年3月1日) ヤマハのロレンソとスピース、テストを成功裏に終了 ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソとB・スピースは、3日間にわたり行われたIRTA主催のマシンテストを終了。ふたりはドライ、ウエット両方のコンディションでシャシーや電子制御システムなど多くの最新パーツをテストし、2012年1000ccYZR-M1の高い戦闘力を確認した。 午前中のセッションではともに転倒を喫したが、幸い怪我はなかった。ロレンソは午後からの最終セッションで決勝レースを想定した走行を行い、コンスタントに2分01秒台のハイペースをキープする好調ぶり。最終的にはC・ストーナーに0.404秒差の4位を獲得した。一方のスピースは、テスト2日目に同サーキットで初めてのウエット・コンディションを経験。ウエット、ドライともに順調にこなし、トップから0.959秒差の8位につけた。 セパン・テスト3日目(3月1日)結果 (気温:35度 路面温度:47度) 順位 ライダー名 チーム名 マシン タイム 1 C・ストーナー Repsol Honda Team Honda 2'00.473 2 D・ペドロサ Repsol Honda Team Honda 2'00.648 3 A・ドビツィオーゾ Yamaha Tech3 Yamaha 2'00.802 4 J・ロレンソ Yamaha Factory Racing Yamaha 2'00.877 5 C・クラッチロー Yamaha Tech3 Yamaha 2'00.986 8 B・スピース Yamaha Factory Racing Yamaha 2'01.432 セパン レコードラップ: C・ストーナー 2分02秒108(2007年) セパン ベストラップ: V・ロッシ 2分00秒518(2009年) J・ロレンソ選手談(3日目 4位/2分00秒877/51周): 「今日の午後に行ったレース・シミュレーションは、これまでの僕のキャリアのなかでも最も過酷なものになった。1000ccマシンを走らせるのは本当に大変だし、タイヤも3、4ラップでたれてきてしまったからね。そのあとはフィーリングが安定してきたけれど、とにかく去年のマシンとはかなり違っていて、雨のなかでコーナー立ち上がりから加速にかけてリアを懸命にコントロールしなければならないような感じなんだ。そのなかでもいいペースでシミュレーションを走り終えることができたので、総合的に見ればとても順調だったと言えると思う。ヤマハの確かな仕事ぶりに感謝しているよ」 B・スピース選手談(3日目 8位/2分01秒432/28周): 「今日は順調だったよ。小さな転倒はあったけれど、多くを学ぶことができた。電子制御システムについての新しいセッティングで成果をあげ、またサスペンションのセッティングについても大きく一歩前進することができた。転倒は良くなかったけれど、今回のテストを通してニューマシンのポテンシャルの高さを確認することができたので、次のヘレスも自信を持って臨めるよ」 A・ドビツィオーゾ選手談(3日目 3位/2分00秒802): 「1日目と2日目は雨に邪魔されて残念だったけれど、全体的にはかなり好調に走ることができたので満足している。ヤマハで初めてのレイン走行も、とても感触が良かったんだ。エンジンが非常にスムースでスライドをしっかりコントロールできた。それに僕自身のコンディションが回復していることも大きな要因だったと思う。肩の調子が前回テストのときより格段に良くなったので、マシンのポテンシャルを理解することにしっかり取り組めるようになったんだ。今回は自信を持ってマシンを走らせることができたし、ラップタイムや順位も良かったし、たくさんのことを学んで充実した仕事ができた。ニューエンジンはコーナーに進入しやすく、とても気に入っている。これがヤマハの大きな強みになっているんだ。今日は15ラップのロングランも行って、このなかで長距離を走ったときのマシンの性能を確認することもできた。タイヤの消耗具合などもわかって課題も見えたけれど、マシンのポテンシャルがすでに非常に高いレベルにあることは間違いない。3日間のテストを終えた今、次のヘレス・テストが本当に待ち遠しい。ヘレスはセパンとはまったく違うタイプのコースだし、気温などの条件も違うから、マシンをより理解するための貴重な経験ができると思う」 C・クラッチロー選手談(3日目 5位/2分00秒986): 「最初の2日間は天候に翻弄されてしまったけれど、今日はドライ・コンディションで走ることができて、マシンについても多くの成果を得ることができた。ヤマハのニューエンジンはとても感触が良かったし、懸命に仕事に取り組んでいるヤマハのスタッフたちを信頼している。おかげで順調にシーズンのスタートを迎えられそうだ。セパンはあまり得意なコースではないにもかかわらず、ここで5位を獲得し、しかもトップ3にもかなり近づくことができたので、今はとてもハッピーな気分。それに非常に安定して走ることができたことも去年に比べて大きな進歩だよ。これが自信につながって、1000ccマシンのライディングをエンジョイできているんだ。12ラップのロングランではニュータイヤが少しスライドした。身体には堪えたけれど、感触はとても良かったんだ。ただ今までよりは、このタイヤ・コントロールが重要なポイントになってくると思う。セパンではこのように好調だったけれど、これがヘレスでどうなるのか興味があるよ。まったくタイプが違うし、気温もずっと低いところだから、また新たな発見もあるだろうね」