詳細本文 レースに関連する広報発表資料をご覧いただけます。 ホルヘ・ロレンソが2010年MotoGPチャンピオン獲得 2010年10月11日 10月10日に開催された第15戦マレーシアGPで「フィアット・ヤマハ・チーム」のホルヘ・ロレンソが3位を獲得し自身初のMotoGP世界チャンピオンに輝いた。ヤマハにとってロードレース世界最高峰でのライダータイトルは2008年、2009年のバレンティーノ・ロッシに続く3年連続で15回目。チームメイトのロッシはこのレースで今季2勝目を飾った。 ポールポジション発進のロレンソは、好スタートから序盤首位を快調に飛ばす。直ぐ後ろにA・ドビツィオーゾ(ホンダ)がつけ接近戦が続くが、9周目の最初のコーナーでドビツィオーゾに先行を許す。次の周には追い上げてきたロッシに抜かれ3番手に後退するも、安定したペースで走り抜いて3位でゴール。トータル313ポイントを獲得し、ランキング2位のD・ペドロサ(ホンダ)に85点差をつけ、残り3戦を残しタイトルを決定した。 J・ロレンソ選手談(3位:2010年チャンピオン): 「最高峰クラスの初タイトルを獲得して、長年の夢がかなったよ!モーターサイクル・ライダーにとってのまさに頂点ということだから、この時間を、一分一秒まで、まるでこの世の終わりみたいに楽しみ、祝いたいと思うんだ。この瞬間のことを、ずっと頭のなかで思い描いてきたけれど、それが実際のことになった途端に、何をすればいいのか、何を話せばいいのかわからなくなってしまう。それでもできるだけ心を落ち着かせて、はっきりとわかりやすく話したいと思う。クレイジーなことは言わないようにね!まず、今はとても疲れているよ。しばらくひとりで部屋にこもり、自分が成し遂げたことを思っていたい!それからたくさんの人たちにお礼を言いたい。いい言葉がみつからないけれど、とにかくヤマハ、僕のチーム、ブリヂストン、それからこの成功を支えてくれたすべての人たちのことを挙げなければならない。そしてもちろん、ここまでの階段を、いつも僕と一緒に上ってくれたファンのみんなたちに。 完璧を目指せば、今日はやはり勝たなければいけなかった。でもそうはならなかったんだ。スタートがうまくいって、走りもとても良かったから、初めはアンドレアから逃げられると思っていたけれど、そのあと彼に抜かれて、さらにバレンティーノにも抜かれてしまった。そのときに、ここで優勝争いをするのはリスクが大きすぎる、しっかり走ってレースが終わるのを待ったほうがいい、と考えたんだ。 モーターサイクルは僕の情熱であり仕事でもあるけれど、同時にひとつのゲームでもあるんだ。だから走り終えたあとで ‘ゲーム・オーバー’のサインを出したんだよ。今シーズンのゲームは今日で終わった。だって僕はチャンピオンになったんだからね!今は先のことは何も考えていない。ただこの初めてのモトGPタイトルを祝いたいんだ。今夜はそれ以上のことは考えたくない。未来はきっと、たくさんの手強いライバルたちのおかげで厳しく刺激的なものになるだろう。でも今はそんなことを考えなくてもいい。ただこの瞬間をエンジョイするよ。 フィリップアイランドは、モトGPではあまりいい思い出がないけれど、まだ勝ったことがないから優勝を狙いたい。残りの3戦もベストを尽くして、また何度か勝ちたいと思っているんだ。長い道のりをここまで来た。ゆっくり長い時間をかけて達成するものと、ものすごいスピードで実現できてしまうものとがあるようだ。初めて世界選手権に参加したときには125ccクラスのほとんど最後のほうのライダーだったのに、たった8年でモトGPのチャンピオンになった。人生がこんなにも変わるなんて、本当にすごいことだね。確かにこのために戦ってきた。でも僕はマシンに恵まれ、チームに恵まれ、幸運に恵まれていたんだ。いつも僕のために一生懸命に頑張ってくれる多くの人に囲まれていた。このことに心から感謝しているよ。 シーズン前は指を骨折したりして、あまりいい状況ではなかったのに、最後はこんなにファンタスティックなシーズンになった。そのなかでもベスト3の思い出を挙げるとすると、1番はヘレス。今シーズンの初優勝が、最高の場所で実現して、うれしくて池に飛び込んだんだ!それからシルバーストーン。これはとてもいいレースで、僕は積極的に攻めて、しかも確かに速かったよ。そして最後が、ここセパン。走りはそれほどでもなかったけれど、とても重要なレースだった。そして世界チャンピオンになることができたんだ。 来シーズンからゼッケン1をつけるかどうかは、まだ決めてないよ。いいデザインが思いつけばイエス、そうでなかったら99のままでいくかもしれない。ワールド・チャンピオン…なんて素晴らしい響きなんだろう。信じられないくらいの喜び。まるで王様になったみたいだよ。今夜を最大限エンジョイするよ!」 古沢政生 ヤマハ発動機(株)執行役員談: 「今シーズン3戦を残して、ここセパンでチャンピンを決めたホルヘ・ロレンソ選手にまずはおめでとうと言いたいです。MotoGPに昇格した2008年にルーキーオブザイヤー、続く2009年にランキング2位、そして今年2010年にチャンピオン獲得と、着実に成長してきたロレンソ選手をヤマハの一員として誇りに思います。前回のもてぎで2011年、2012年の2年契約を済ませたので、続く2年もこのままチャンピオンを継続して獲得することを願っています」 リン・ジャービス談(ヤマハ・モーター・レーシング・マネージングダイレクター): 「若きアスリートが夢を実現するのを見ることができたことは、私にとっても大きな達成感だ。素晴らしいシーズンを送り、こうしてモトGPの初タイトルを決定したホルヘを心から祝福する。またフィアット・ヤマハ・チームとしても、バレンティーノが優勝し、ホルヘが着実に3位に入り、同時にふたつの重要な勝利を手にするという最高の1日になった。ふたりの活躍によるポイントも、チームやマニュファクチャラーのタイトル争いに非常に重要なものだからだ。また、この場を借りて、我々を支えてくれたすべての仲間たちにお礼を言いたい。懸命に仕事をしてくれたチームスタッフ、スポンサーやパートナー、そしてヤマハ・ファンのみんなのおかげで3年連続のライダー・タイトルを獲得することができた。これで、最初の、そして最も重要なタイトルが我々のものとなった。これから残りの3レースもベストを尽くして勝利を狙っていく。そしてそのなかでマニュファクチャラー・タイトルとチーム・タイトルも獲得して、昨年に続いて“3冠”達成を目指したい」 ■開催日:2010年10月10日(日)決勝結果 ■開催地:マレーシア/セパン(5.548km) ■観客数:62,141人 ■周回数:20周(110.96 km) ■コースコンディション:ドライ ■気温:33度 ■路面温度:43度 ■PP:J・ロレンソ(2分01秒537/ヤマハ) ■FL:V・ロッシ(2分02秒117/ヤマハ) 順位 選手 チーム マシン タイム 1 V・ロッシ Fiat Yamaha Team Yamaha 41'03.448 2 A・ドビツィオーゾ Repsol Honda Team Honda +0.224 3 J・ロレンソ Fiat Yamaha Team Yamaha +6.035 4 B・スピース Monster Yamaha Tech 3 Yamaha +13.676 5 A・バウティスタ Rizla Suzuki MotoGP Suzuki +15.402 6 N・ヘイデン Ducati Marlboro Team Ducati +18.826 ホルヘ・ロレンソ選手(Jorge Lorenzo) プロフィール 国 籍/ スペイン 生年月日/ 1987年5月4日 所属チーム/ FIAT YAMAHA TEAM(フィアット・ヤマハ・チーム) 主な成績 2002年:世界選手権GP125 ランキング 21位 2003年:世界選手権GP125 ランキング 12位 2004年:世界選手権GP125 ランキング 4位 2005年:世界選手権GP250 ランキング 5位 2006年:世界選手権GP250 チャンピオン 2007年:世界選手権GP250 チャンピオン 2008年:世界選手権MotoGP ランキング 4位 2009年:世界選手権MotoGP ランキング 2位 2010年:世界選手権MotoGPチャンピオン ロレンソ選手2010年の戦績 開催日 大会名 開催地 予選 決勝 4月11日 第1戦 カタール ロサイル 3位 2位 5月2日 第2戦 スペイン ヘレス 2位 優勝 5月23日 第3戦 フランス ルマン 2位 優勝 6月6日 第4戦 イタリア ムジェロ 2位 2位 6月20日 第5戦 イギリス シルバーストーン 1位 優勝 6月26日 第6戦 オランダ アッセン 1位 優勝 7月4日 第7戦 カタルニア カタルニア 1位 優勝 7月18日 第8戦 ドイツ ザクセンリンク 1位 2位 7月25日 第9戦 アメリカ ラグナセカ 1位 優勝 8月15日 第10戦 チェコ ブルノ 3位 優勝 8月29日 第11戦 インディアナポリス インディアナポリス 2位 3位 9月5日 第12戦 サンマリノ ミサノ 2位 2位 9月19日 第13戦 アラゴン アラゴン 2位 4位 10月3日 第14戦 日本 ツインリンクもてぎ 4位 4位 10月10日 第15戦 マレーシア セパン 1位 3位 ※シリーズ戦は残り3戦。第16戦オーストラリア(10月17日)、第17戦ポルトガル(10月31日)、第18戦バレンシア(11月7日)が開催される