ヤマハ発動機株式会社は、現在スーパーバイク世界選手権(WSB)でランキング2位のベン・スピース選手(25歳/アメリカ)が、2010年「ヤマハ・テック 3」チームからMotoGPに参戦することを決定した。
テキサス出身のスピース選手は先頃ヤマハと2年契約を結んだが、この契約ではもともと、WSBにあと1年留まり、その後2011年にMotoGPへ移ることを予定していた。しかし、スピース選手とヤマハは共に、1年繰り上げてのステップアップを決定した。現在スピース選手は、WSBで2戦を残しランキングトップと3ポイント差の2位につけており、自身とヤマハにとって初のWSBチャンピオンの獲得を目指して戦っている。
ベン・スピース選手談
「ヤマハは僕に対して素晴らしい対応をしてくれた! 2010年はWSBで参戦することで契約したが、インディの後、2011年まで待つことや自分の年齢、今後のレースのことを考え始めた。そこにヤマハは、2010、2011年の契約を見直すチャンスを与えてくれた。“ヤマハ・ワールドスーパーバイク・チーム”のクルー、特にマッシモ・メレガリは素晴らしかったし、彼らと共にシーズンを戦うのは大きな楽しみだったので、簡単に決断することはできなかった。マッシモ、ローレンス、その他の全ての人々にヤマハWSB初タイトルをプレゼントできるようにがんばりたい。また、WSBとヨーロッパでのレース初年度を楽しめたという意味で“インフロント”、WSBシリーズのプロモーター、特にパオロ・チアバッティには感謝している。今は、全力を尽くしてWSBチャンピオンを獲得し、MotoGPにおける新しい目標に向かって前進するというチャレンジが待っている。
ヤマハ・テック 3のエルベ・ポンシャラルは、AMAの時代からの仲間であるクルーチーフ、トム・ハウスワースと、メカニックのグレゴリー・ウッドと一緒に参加することを許してくれ、自分も来年のために勉強しているところ。目標はトップ6~8位。才能あるライダーがたくさんいて難しいことはわかっているけど、来年は自分にとって良い年にしたいと思っている」
リン・ジャービス談(ヤマハ・モーター・レーシング・マネージング・ダイレクター)
「1カ月前にヤマハとベンの2年契約を発表した後、ベンは自身の見解を見直し、すぐにMotoGPへ移りたいと決心した。ヤマハはベンの要望を受け入れ、それを叶える方法を“ヤマハ・テック 3”で見つけることができた。ベンはWSBのルーキー・シーズンに素晴らしい活躍をみせ、予定していた時期より早く彼をMotoGPプログラムに迎えることができ、我々はとてもうれしく思っている。来シーズンはベンがMotoGPに早く慣れ、また将来、MotoGPチャンピオンを狙う力強い選手になるだろうと確信している。と同時に、これからの数年間をベンとともに戦えることを期待している」
ローレンス・クライン・コールカンプ談(ヤマハ・モーター・ヨーロッパ・レーシングマネージャー)
「我々は現在、ベンとともに素晴らしいシーズンを送っており、ベンがヤマハのWSB・プログラムを去ることは残念だ。しかし、これはベンの将来にとって正しい選択であり、ヤマハにとっても同様に、正しい決定だと思う。ヤマハの目標の一つは、WSBを通して未来のMotoGPライダーを育てることだが、今回の決定はライダー育成がきちんと機能していることの証明であり、とても満足している。ベンがMotoGPへ移る前に、我々には残り2戦となった今シーズンをチャンピオンで締めくくり、そして来年は、新しいWSB参戦ライダーが再びタイトル獲得への挑戦を見せてくれるだろうと確信している。今後はMotoGPでのベンを応援するとともに、YZR-M1を駆るベンの活躍を楽しみにしたい」 |