V・ロッシは2位、J・ロレンソも7位と健闘
2月5日から3日間にわたり、マレーシアのセパン・サーキットで今年初めての冬季テストが行われた。フィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシは初日、二日目とともに3位につけ、最終日の7日には2位に浮上。チームメイトのJ・ロレンソは初めの2日間はともに10位にとどまっていたが、3日目には7位まで上げて好調のうちにテストを終了した。
セパンテスト初日(2月5日)
ロッシは自宅でけがをして左手と左足を縫う処置を受けており、初日は様子を見ながらの走行となったが、思いの外、状態は良くほとんど支障なく走ることができた。しかし午前中のセッションで転倒したため、2分02秒324を記録したところで早めに走行を終えて3位。
一方のロレンソは、今回、初めてニューエンジンをテスト。コーナー立ち上がりの加速性向上を確認し、61ラップ走行し、2分03秒894で10位となった。
セパンテスト初日(2月5日)結果
(気温:30度、路面温度:45度、湿度:79度)
順位 |
ライダー名 |
チーム名 |
マシン |
タイム |
1 |
L・カピロッシ |
Rizla Suzuki MotoGP |
Suzuki |
2'01.869 |
2 |
C・スト―ナー |
Ducati Marlboro Team |
Ducati |
2'02.038 |
3 |
V・ロッシ |
Fiat Yamaha Team |
Yamaha |
2'02.324 |
7 |
C・エドワーズ |
Tech 3 Yamaha |
Yamaha |
2'03.254 |
10 |
J・ロレンソ |
Fiat Yamaha Team |
Yamaha |
2'03.894 |
14 |
J・トーズランド |
Tech 3 Yamaha |
Yamaha |
2'04.502 |
セパン レコードラップ:C・ストーナー(Ducati) 2'02.108(2007年)
セパン ベストラップ:V・ロッシ(Yamaha) 2'00.605(2006年) |
セパンテスト2日目(2月6日)
2日目、ロッシは電子制御システムのテストを行いながら40ラップを走行し、現行のラップタイムを上回る2分01秒626で3位。
ロレンソは、ニューマシンとブリヂストン・タイヤに慣れるまでに時間がかかり、思うような走りができず、初日に続きまたも10位となった。
セパンテスト2日目(2月6日)結果
(気温:30度、路面温度:45度、湿度:75度)
順位 |
ライダー名 |
チーム名 |
マシン |
タイム |
1 |
C・スト―ナー |
Ducati Marlboro Team |
Ducati |
2'01.483 |
2 |
L・カピロッシ |
Rizla Suzuki MotoGP |
Suzuki |
2'01.555 |
3 |
V・ロッシ |
Fiat Yamaha Team |
Yamaha |
2'01.626 |
7 |
C・エドワーズ |
Tech 3 Yamaha |
Yamaha |
2'02.241 |
10 |
J・ロレンソ |
Fiat Yamaha Team |
Yamaha |
2'03.056 |
19 |
J・トーズランド |
Tech 3 Yamaha |
Yamaha |
2'04.597 |
セパン レコードラップ:C・ストーナー(Ducati) 2'02.108(2007年)
セパン ベストラップ:V・ロッシ(Yamaha) 2'00.605(2006年) |
セパンテスト3日目(2月7日)
ここまで順調にマシンを仕上げてきたロッシは、けがの治療中でもあることからロングラン・テストは行わず、最終日も主に電子制御システムのテストに取り組んだ。そして2日目のタイムをコンマ5秒更新する2分01秒137を記録して2位に浮上した。
ロレンソは、ブリヂストン・タイヤの特性にも徐々に慣れてリズムをつかみ、それまでのタイムを1秒以上更新する2分01秒907で7位に浮上した。また22ラップのロングラン・テストも行い成果をあげた。
次回は、カタール夜間テストを3月1日から予定している。
セパンテスト3日目(2月7日)結果
(気温:35度、路面温度:50度、湿度:70度)
順位 |
ライダー名 |
チーム名 |
マシン |
タイム |
1 |
C・スト―ナー |
Ducati Marlboro Team |
Ducati |
2'01.043 |
2 |
V・ロッシ |
Fiat Yamaha Team |
Yamaha |
2'01.137 |
3 |
L・カピロッシ |
Rizla Suzuki MotoGP |
Suzuki |
2'01.262 |
4 |
C・エドワーズ |
Tech 3 Yamaha |
Yamaha |
2'01.413 |
7 |
J・ロレンソ |
Fiat Yamaha Team |
Yamaha |
2'01.907 |
16 |
J・トーズランド |
Tech 3 Yamaha |
Yamaha |
2'03.953 |
セパン レコードラップ:C・ストーナー(Ducati) 2'02.108(2007年)
セパン ベストラップ:V・ロッシ(Yamaha) 2'00.605(2006年) |
V・ロッシ選手談(3日目 2位/2分01秒137/43周):
「とても良いスタートが切れたので、気分良くこの地を離れることができる。けがの痛みも少なかったし、マシンも好調。僕自身のフィーリングも日ごとに良くなってきた。今回のテストの課題としていたことはすべてやり終えることができて、セッティングの面でも走行のリズムの面でも、今のところはすべてがうまくいっていると言っていいだろう。 またラップタイムも十分に速かったので、今年初めてのテストとしてはすばらしい成果だと思う。今回、ロングラン・テストは行わなかったけれど、実際のところ行う必要もなかった。けがをしていなかったらやっても良かったんだけれど、今回は状況を考慮して取りやめた。けがのことは心配されているようだけれど、ただの切り傷だから回復はとても速い。それにこのことが走りのスピードに影響するとは思わないし、次のカタール・テストまでには完治するだろう。今日のファステスト・ラップはブリヂストンのハード・コンパウンドで記録したもの。ということは、マシンの状態がとても良いということを証明していると思う。もちろん、やらなければならないことはまだ残っているが、以前に比べて今シーズンはテストの回数が減っていることを考えれば、今の時点での好調がとても重要な意味を持つ。トレーニングをいくらしっかりやっているとしても、シーズン最初のテストは難しいもの。そういう意味でも今回の成果には満足している。カタールは、前回あまりうまくいかなかったところだけに、今回は面白くなりそう。去年は開幕の時点でまだマシンの準備が十分に整っていなかったんだ。次回のテストがとても楽しみだ」
D・ブリビオ、チームマネージャー談:
|
「マシンは好調。今年初めてのテストとして、とても良いスタートを切ることができた。我々チームスタッフは、とにかく懸命に頑張るだけ。課題はおもに電子制御システムで、今のところ非常にうまくいっている。このマシンは、昨年のバレンティーノの経験に基づいてブリヂストン・タイヤを装着することを想定して作られたもの。その意味で2008バージョンよりも良くなっているはずなのだ。今日はハード・コンパウンドとソフト・コンパウンドの両方の特性を確かめるために、それぞれを装着してショートランを行った。このことは、予選で硬めを履いたほうがいいのか、柔らかめを履いたほうがいいのかを知るために必要となる重要な作業なのだ。昨年のカタールGPはシーズン中でも最も苦労した場所なので、次回テストで、この1年間の進歩を確かめたい。我々が今、どのレベルまで到達しているのかを知る絶好のチャンスだ」
J・ロレンソ選手談(3日目 7位/2分01秒907/61周):
「ブリヂストンでもここまで速く走れることがわかったので、今日はとても満足。この3日間で最高の出来だ。また、気温32度(午後は36度になった!)という暑さのなかでロングランを行い、22ラップを連続して走り切ることができた。終わったときにはかなり疲れていたけれど、リズムが良かったし、2分01秒9のベストラップが終盤で出るなど、全体としてとてもうまくいったと思う。タイムは昨日よりも1秒以上も速くなったわけだから、大きな前進だと言っていいだろう。あとはひたすら走り込みが必要ということになりそうだ。チームスタッフの全員が最後の最後までベストを尽くして頑張った。そしてこれからもそれを続けていこうという勢いなので、次のカタールはもっと良くなるに違いない。開幕戦まであまり時間がないから、今日のような走りを続けながら、さらに上を目指していきたい」
D・ロマニョーリ、チームマネージャー談:
「ホルヘは最終日の今日、それまでの2日間に比べて格段に良くなった。自らのライディング・スタイルをブリヂストン・タイヤに適合させていくことに集中し、最終的には自信を持ってコーナーに進入することができるようになった。それからチームのほうではシャシー・セッティングを少し変更して成果が見られ、ホルヘはレース距離を想定したロングランでもペースをつかむことができた。そして最終ラップで2分01秒917のベストラップを記録したんだ。次回はカタールだが、昨年はすばらしいレースができたところなので、今回もまた好調をアピールできるように頑張りたい」 |