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世界タイトル獲得のヤマハGMT94(左からコステス、ジムベルト、チェカ)
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ノントラブル883ラップを走破し優勝、世界タイトル獲得のGMT94(ライダーはコステス) |
レースは予想通りタイトル争いを展開中のヤマハGMT94 (D・チェカ、W・コステス、S・ジムベルト)とスズキ・エンデュランスチームとの一騎討ち。互いに何度も順位を入れ替える接近戦を繰り広げたが、夜12時過ぎにスズキ・チームがメカニカルトラブルでリタイア。GMTはこの後ペースを緩める余裕も見せて勝利を手中にした。今回はシーズン中唯一の24時間レースとして通常の2倍のポイントが与えられたことから、ランキング2番手に58ポイント差をつけ、ヤマハGMT94が最終戦を待たずにチャンピオンを決定した。
ヤマハ・オーストリア・レーシングチームはGMTに続く2位を獲得、またヤマハ・エンデュランス・モト38チームは序盤の転倒を克服しスーパープロダクション・クラスのトップ、総合3位を獲得。これでランキングではヤマハ・オーストリアが4位から2位へ浮上。モト38も3位につけている。
一方でヤマハ・フェイズ・ワン・エンデュランスは、開始3周目にバッテリーの不具合でエンジンストップ。D・エリソンが3.67kmのコースのほとんどをマシンを押しピットに戻り、修復して約50分遅れで再スタート。1時間を終えた時点で最後尾まで後退するも、上位陣と同等のペースで追撃すると、ついにはリーダーボードに表示されるまでに挽回。しかし6時間目にW・トルトログリオが転倒、負傷し走行不可能となりリタイアした。
D・チェカ選手(ヤマハGMT94)談:「多くのチームがリタイアする厳しいレースだった。ストップ&ゴーが多いコース特性が、エンジンに負担となったのだろう。スズキがリタイアしたあとは少し楽になり、エンジンの負担を減らすために回転を12,000までにおさえ、またクイックシフターを外した。バイクに問題はなかったが、安全策を取りたかったからだ。スズキがトラブルを起こした時、僕らが予定通りのピットインしていたことはラッキーだった。彼らのオイルで多くのライダーが転倒した。僕らだって、もし走っていればそうなっていたはずだ。耐久では運も非常に大切。今日ここでタイトルを決められるとは思っていなかったから、今の気持ちはどう表現していいかわからない。もちろん勝ちを狙っていたが、タイトルまでは見えていなかったんだ」
W・コステス選手(ヤマハGMT94)談:「何年も耐久レースを戦ってきて、ようやくタイトルを手にすることができた。今は感激でいっぱいだ。同じ目標をもってともに戦ってきたチーム監督のクリストフ・ギュオも同じように喜んでくれていると思う。またG・バルビエはじめピレリのスタッフ、ヤマハ・モーター・フランスとヤマハ・ヨーロッパの全員に感謝したい。彼らのサポートがなければ、このタイトルはあり得なかった」
クリストフ・ギュオ監督談:「シーズン前に掲げた目標を達成することができた。このチーム、ライダーたち、そしてこのマシンがあれば、必ず夢を叶えられると信じてきた。スズキのリタイアは残念だったが、我々は良い戦いができたと思っている。喜んでいいと思う」
順位 |
チーム名 |
ライダー名 |
周回数 |
1 |
Yamaha GMT94 |
デビット・チェカ
ウイリアム・コステス
セバスチャン・ジムベルト |
883 |
2 |
Yamaha Austria |
トーマス・ヒンタライター
イゴア・ヤーマン
ホルスト・サイガー |
865 |
3 |
Yamaha Endurance Moto 38 |
ステファン・ドゥテルネ
ジエン・ジアバーニ
セバスチャン・スカルナート |
851 |
順位 |
チーム名 |
ポイント |
1 |
Yamaha GMT94 |
149 |
2 |
Yamaha Austria Racing Team |
91 |
3 |
Yamaha Endurance Moto 38 |
88 |