|  前回のバルセロナからヘレスへ場所を移し、3月31日から2日間で行われたIRTA最終テストで、ゴロワーズ・フォルトゥナ・ヤマハのV・ロッシがまたもトップタイムを記録した。チームメイトのC・チェカは1分42秒927で4位となった。テスト初日の31日、時おり雨が降る不安定なコンディションのもとロッシは合計39ラップを走行。そのなかで、ほぼドライで行われた周回で1分42秒656を記録しトップに立った。テスト2日目の4月1日は雨がさらに強まりタイムアップは望めなかったが、ロッシ、チェカともにウエットでのセッティングをチェックするため、それぞれ19ラップと17ラップを敢行した。
 フォルトゥナ・ゴロワーズ・テック3のM・メランドリはテスト最終日、ついに新しいエンジンをテスト。悪天候にもかかわらず自ら進んで周回数を重ね、ニューマシンに慣れてくると好タイムも記録した。チームメイトの阿部典史は2度の転倒。幸い怪我はなかった。
 シーズン開幕前のマシンテストは今回で最後。2004年度緒戦は今月18日、南アフリカはウエルコムで開催される。
 
 
 V・ロッシ選手談:「今回もトップに立つことができてとても嬉しい。セッティングはバルセロナとあまり変わらず、テスト序盤からすぐに、かなりいい感じで走れた。とくにハンドリングが機敏で扱いやすく、ブレーキングもやりやすい。2日目は雨でほとんど走れなかったが、ウエットも悪くないことが確認できた。最終テストを終了した今の状態に、とても満足している」
 
 C・チェカ選手談:「雨のセッティングもしておかなければならないので、今日はそのためのいい機会になった。エンジン・スペックを変えて試し、成果も得られた。2日とも雨がちで成果がなかったように思われるかもしれないが、実はとても重要な2日間になった。最後に最高のテストができた」
 
 M・メランドリ選手談:「ウエット・コンディションでよく走れた。途中、ビアッジが後方に見えて、そのうちに僕のテールについたが、とてもついて行けないと思って先に行かせた。でも後半になると僕のほうも調子が上がってきて、逆に彼に追い付くことができたんだ。今回は新しいエンジンをテストさせてもらえて嬉しかった。感謝している」
 
 阿部典史選手談:「2度も転倒してしまった。でもちょっと変なんだ。1度目はたしかにプッシュしていた時だったが、2度目は少しも攻めていなかったのにハイサイドしてしまった。こことバルセロナ、合わせて5日間のテストがあったが、1日として完全に晴れた日がなかったのが残念」
 
 D・ブリビオ、ゴロワーズ・フォルトゥナ・ヤマハ・チーム監督談:「冬期テストはとても充実していた。とくにバルセロナのバレンティーノ、ヘレスのカルロスの成果には非常に満足だ。最終テストを終了した今、これで完璧というわけではない。しかし全員が協力してそれぞれ全力を尽し、その結果としてM1をここまで高めてこられたことに心から感謝している。マシンセッティングに関してはベースとなるものが確立でき、またコースの変化にもよく対応できるようになっている。あとは実際のレースでのパフォーマンスに期待するだけ」
 
 A・ジメネス、チェカのクルーチーフ談:「開幕のウエルコムが今回のようなウエット・コンディションになった場合を想定し、そのセッティングのチェックのためにカルロスは3セットだけ走行。早めに切り上げたのは正解だったと思う。周回数は多くはなかったが、この2日間で大きな成果があった。今はチーム全員がウエルコムのことだけを考えている」
 
 H・ポンシャラル、フォルトゥナ・ゴロワーズ・テック3監督談:「今回はマルコに新エンジンが与えられた。天気が悪く最適の条件とはいかなかったが、本人はもちろん我々全員、今回のヤマハの決定に感謝している。ノリックのほうにもシーズン序盤にはニューエンジンが出ることになりそうなので、これを良い成績につなげられるよう努力したい」
 
 G・クーロン、メランドリのクルーチーフ談:「マルコは新しいエンジン・スペックを与えられてとても喜んでいた。コンディションは悪かったが、彼はそれをものともせず、嬉々として走り込んだ。ニューエンジンが気に入ったのだろう、好タイムも出たし、しかも安定していた。昨年はウエットでとても苦労したマルコが、雨で比較的速いビアッジについて行けたことは素晴らしい。本人も驚いている様子だった」
 
 G・ビゴ、阿部のクルーチーフ談:「転倒があり厳しい結果になった。ちょうどペースを上げてきて本人も気持ちよく走っていたところだったが、2周目の1コーナー出口で転倒。しかもマシンとデータをチェックしてみても、転倒の原因がはっきりしない。タイヤも悪くなかったようなので、正直なところ少し戸惑っている」
 
 
 
 
 
| 3月31日(ドライ・コンディション)のラップタイム |  
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| 1. | V・ロッシ(イタリア) | ゴロワーズ・フォルトゥナ・ヤマハ | 1分42秒656 |   
| 2. | K・ロバーツ(USA) | チーム・スズキ・モトGP | 1分42秒761 |   
| 3. | C・エドワーズ(USA) | テレフォニカ・モビスター・ホンダMot | 1分42秒771 |   
| 4. | C・チェカ(スペイン) | ゴロワーズ・フォルトゥナ・ヤマハ | 1分42秒927 |   
| 5. | A・バロス(ブラジル) | レプソル・ホンダ | 1分42秒974 |   
| 6. | J・ホプキンス(USA) | チーム・スズキ・モトGP | 1分43秒314 |   
| 7. | 中野真矢(日本) | カワサキ・レーシング・チーム | 1分43秒386 |   
| 8. | S・ジベルナウ(スペイン) | テレフォニカ・モビスター・ホンダMot | 1分43秒408 |   
| 9. | N・ヘイデン(USA) | レプソル・ホンダ | 1分43秒457 |   
| 10. | 玉田誠(日本) | キャメル・ホンダ | 1分43秒541 |  |    |