2018-2019順位決定戦 準決勝 - 試合日程・結果
2018-2019順位決定戦 準決勝:サントリー戦の結果をご報告します。
2018-2019順位決定戦 準決勝
12/ 8(土) 16:00 Kick off
東京都 秩父宮ラグビー場
サントリー |
VS | ヤマハ発動機ジュビロ |
||
---|---|---|---|---|
28 | 前半 13-22 後半 15-3 |
25 |
延長戦を制せず、3位決定戦へ
昨年度に続き、準決勝に立ちはだかるのは大会3連覇を狙うサントリー。今季のトップリーグでは別カンファレンスであったため、練習試合も含めて、昨年度の準決勝以来の対戦となった。
12月の午後4時、ナイター照明がピッチを照らす中でキックオフ。ヤマハは開始からタヒトゥア選手が豪快な突進を見せて、果敢に挑む姿勢を見せる。しかし、サントリーに一旦ボールが渡ると、新人のウィング尾崎選手が軽やかなステップでヤマハのディフェンスをすり抜け、開始わずか1分50秒でトライを決められた。
追いかける展開となったヤマハは、ゲリー選手の快走からチャンスを作り、相手陣に攻め込む。13分にラインアウトからヤマハFWが押し込み、日野選手が左隅にトライ。このトライから勢いづいたヤマハは、シオネ選手が大きくゲイン。18分、ラックから矢富(勇)選手がタイミングよく大戸選手にパスを放ち、大戸選手のトライを演出。五郎丸選手のゴールも決まり、12-7と逆転する。
しかし、試合巧者のサントリーは元豪州代表のギタウ選手がペナルティーゴール(以下、PG)を決め、12-10と確実に得点を重ねる。
お互いにミスが少ない展開のため、最初のスクラムの場面は前半24分。サントリーボールのスクラムを押し込み、プレッシャーをかける。このスクラムで自信を持ったヤマハFWは、その後のスクラムでも圧力をかけ、試合の主導権を掴むと、35分に五郎丸選手が直線距離で40mの位置からのPGを成功させて15-10とする。
さらに直後のプレーでクワッガ・スミス選手が相手選手のキックをチャージし、そのままトライするスーパープレーを披露。22-10とリードを広げる。
しかし、前半終了間際にギタウ選手にPGを決められ、22-13で前半を終える。
後半、サントリーの攻撃がリズム良くなり、ヤマハのゴール前での時間が長くなる。7分にサントリーの尾崎選手にトライを決められ、22-20と2点差に詰め寄られる。さらに30分にも尾崎選手に3つ目のトライを奪われ、ついに22-25と逆転を許してしまう。
3点ビハインドのまま、一刻一刻と試合終了に近づいていく。ラストプレーに賭けるヤマハは五郎丸選手が高くボールを夜空に蹴り上げる。相手のキャッチミスを誘い、ヤマハボールのラインアウトに。ヤマハFWがモールを組んで押し込み、BKへ展開。連続攻撃から、最後にタヒトゥア選手がトライを決めたかに見えたが、惜しくもノックオン。
それでも果敢にアタックを続け、40分に相手が反則。五郎丸選手が落ち着いてPGを決め、土壇場で25-25の同点に追いついた。そのまま、後半終了のホーンがなり、日本選手権史上初の延長戦に突入となった。
延長戦は5分の休憩を経て、10分ハーフの試合を行い、先に得点したチームが、その時点で勝利というルール。外は深夜を思わせる暗さに。円陣を組むヤマハ選手たちから湯気が立ち上る。これからどんなドラマが生まれるのか、多くの来場者にとっても初めて味わう延長戦。秩父宮ラグビー場を不思議な緊張感が覆う。
大槻レフェリーの笛で延長戦へ。ボールをキャッチしたヤマハは自陣からアタックを展開する。サントリーの厚いディフェンス網を崩せず、スタンドオフの清原選手がキックを蹴る。バウンドしたボールをウィングのゲリー選手が猛追するが、惜しくもボールが手につかず、サントリーがアタックを仕掛ける。
サントリー選手にタックルに入ったクワッガ・スミス選手がボールを奪いかけた瞬間、大槻レフェリーの笛が鳴る。判定はヤマハ側の反則。サントリーのマット・ギタウ選手が冷静にPGを蹴り込み、クロスバー。25-28、ヤマハの優勝が消えた瞬間となった。
試合後の記者会見にて清宮監督は「後半の最後、相手のディフェンスを崩しきった場面でのノックオン、あれはトライしなければならないシーン」と悔やんだ。堀江主将は「まだ自分たちのベストゲームではない。もっと成長できるはず。次は3位決定戦だが、成長した自分たちを見せたい」と気丈な姿勢を見せていた。
写真:効果的なアタックを見せたシオネ選手
試合後インタビュー
■堀江主将
「今週は良い準備ができました。今日の試合は、ベンチスタートでしたが、スクラムやアタックの場面で自信を持ってプレーしている姿を頼もしく見ていました。
最後の最後まで、勝利を目指してプレーし続けたチームメイトを誇らしく思います。
まだ僕たちには次の試合があり、まだ成長できる部分があります。次の試合は自分たちが成長していることを証明する試合にしたいと思います。」
試合詳細・メンバー
サントリー | ヤマハ発動機ジュビロ | |||
---|---|---|---|---|
前半 | 後半 | 内訳 | 前半 | 後半 |
1 | 2 |
T | 3 |
0 |
1 | 1 |
G | 2 | 0 |
0 | 0 |
PT | 0 | 0 |
2 | 0 |
PG | 1 | 1 |
0 | 0 | DG | 0 | 0 |
13 | 15 | 計 | 22 | 3 |
28 | 合計 | 25 |
サントリー | |
---|---|
1 |
堀越 康介 |
2 | 北出 卓也 |
3 | セミセ・タラカイ |
4 | ジョー・ウィーラー |
5 | 真壁 伸弥 |
6 | ツイ ヘンドリック |
7 | 西川 征克 |
8 | ショーン・マクマーン |
(9) | 流 大 |
10 | マット・ギタウ |
11 | 尾崎 晟也 |
12 | 梶村 祐介 |
13 | 村田 大志 |
14 | 中鶴 隆彰 |
15 | 松島 幸太朗 |
16 | 中村 駿太 |
17 | 森川 由起乙 |
18 | 垣永 真之介 |
19 | 飯野 晃司 |
20 | クリス・アルコック |
21 | マット・ルーカス |
22 | 田村 煕 |
23 | 成田 秀平 |
交替・入替 | ||
---|---|---|
種類 | 時間 | 背番号 |
入替 |
後半14分 | 8→20 |
入替 | 後半17分 | 9→21 |
入替 | 後半21分 | 3→18 |
入替 | 後半26分 | 5→19 |
交替 | 後半27分 | 14→23 |
入替 | 後半34分 | 1→17 |
入替 | 後半34分 | 2→16 |
ヤマハ発動機ジュビロ | |
---|---|
1 |
山本 幸輝 |
2 | 日野 剛志 |
3 | 伊藤 平一郎 |
4 | 大戸 裕矢 |
5 | ディネスバラン・クリシュナン |
6 | ヘル ウヴェ |
7 | クワッガ・スミス |
8 | 三村 勇飛丸 |
9 | 矢富 勇毅 |
10 | 清原 祥 |
11 | ゲリー・ラブスカフニ |
12 | ヴィリアミ・タヒトゥア |
13 | 小林 広人 |
14 | シオネ・トゥイプロトゥ |
15 | 五郎丸 歩 |
16 | 名嘉 翔伍 |
17 | 仲谷 聖史 |
18 | 山村 亮 |
19 | 桑野 詠真 |
(20) | 堀江 恭佑 |
21 | 吉沢 文洋 |
22 | 宮澤 正利 |
23 | 田中 渉太 |
交替・入替 | ||
---|---|---|
種類 | 時間 | 背番号 |
入替 |
後半21分 | 6→20 |
入替 | 後半26分 | 1→17 |
入替 | 後半27分 | 3→18 |
入替 | 後半31分 | 13→22 |
入替 | 後半34分 | 8→19 |
得点経過
前半 | チーム | 選手 | 種類 | 得点 |
---|---|---|---|---|
2分 |
サントリー | (11)尾崎 晟也 | T | 5-0 |
3分 | サントリー | (10)マット・ギタウ | G | 7-0 |
13分 | ヤマハ発動機 | (2)日野 剛志 | T | 7-5 |
14分 | ヤマハ発動機 | (15)五郎丸 歩 | Gx | 7-5 |
18分 | ヤマハ発動機 | (4)大戸 裕矢 | T | 7-10 |
19分 | ヤマハ発動機 | (15)五郎丸 歩 | G | 7-12 |
23分 | サントリー | (10)マット・ギタウ | PG | 10-12 |
35分 | ヤマハ発動機 | (15)五郎丸 歩 | PG | 10-15 |
37分 | ヤマハ発動機 | (7)クワッガ・スミス | T | 10-20 |
38分 | ヤマハ発動機 | (15)五郎丸 歩 | G | 10-22 |
41分 | サントリー | (10)マット・ギタウ | PG | 13-22 |
後半 | チーム | 選手 | 種類 | 得点 |
---|---|---|---|---|
7分 |
サントリー | (11)尾崎 晟也 | T | 18-22 |
8分 | サントリー | (10)マット・ギタウ | G | 20-22 |
30分 | サントリー | (11)尾崎 晟也 | T | 25-22 |
31分 | サントリー | (10)マット・ギタウ | Gx | 25-22 |
40分 | ヤマハ発動機 | (15)五郎丸 歩 | PG | 25-25 |
延長戦 |
||||
5分 | サントリー | (10)マット・ギタウ | PG | 28-25 |
ヤマハ発動機ジュビロ(ラグビー)
■清宮監督
「両チームともに持ち味を出した準決勝にふさわしい試合でした。
前半に、相手のディフェンスを完全に崩し、あとはトライという場面でノックオンのミスがあり、このシーンが悔やまれます。
終盤と延長戦に入ってからのサントリーの勇気と規律あるディフェンスは本当に素晴らしいものがありました。
次の試合は、ヤマハのために戦う試合にしたいと思います。」