第52回日本選手権 第1戦 - 試合日程・結果
第52回日本選手権 第1戦:東芝戦の結果をご報告します。
試合レポート
低いタックルを連発、東芝をノートライに抑えて勝利
トップリーグ準優勝のヤマハは、日本選手権準決勝からの登場となった。対するはパワフルなFWを擁する東芝ブレイブルーパス。今季のヤマハは東芝に2戦2勝しているが、日本選手権の舞台では過去3度の対戦にて一度も東芝から勝利を上げていない。今季3度目の対戦は花園ラグビー場にて午後1時10分にキックオフとなった。
東芝のキックオフから試合が始まる。早くも1分すぎに初スクラムの場面。東芝ボールだったが、東芝が早く仕掛けた反則となり、ヤマハボールのスクラムで再開となる。しかし、ヤマハはスクラムを崩す「コラプシング」の反則をとられ、双方ともリズムをつかめない立ち上がりとなった。
前半8分、ラインアウトから展開し、伊東選手が突破。宮澤選手にボールが渡り、一気に東芝インゴールに飛び込む。しかし、ビデオ判定により、タックル成立後にボールを離さずに飛びこんだ「ダブルムーブ」の反則となり、得点は認められなかった。
ピンチを防いだ東芝は、キックを巧みに使い、ヤマハ陣へ。17分と25分に立て続けに東芝にペナルティーゴール(以下、PG)を決められ、0-6とリードされる。
ヤマハはミスがの続き、攻撃の糸口が掴めない。30分すぎにヤマハはラインアウトのボールをしっかりとキャッチすると、ようやく自慢のモール攻撃を展開する。堀江選手が突進、サウ選手が鋭く相手陣に攻め込む。矢富選手が絶妙のタイミングでトゥイアリイ選手へパス。トゥイアリイ選手が相手選手を振り切ってゴール中央付近にトライを決めた。五郎丸選手のゴールも決まり7-6と逆転する。
しかし、東芝FWが猛反撃に出る。ラインアウトからモールを押し込むなど、ヤマハ陣でのゲームを続ける。前半終了のホーンが鳴るが、東芝ボールでのスクラムが続く。幾度も組み直しとなる苦しい場面。ここでヤマハはコラプシングの反則をとられ、東芝はPGを選択。7-9と逆転され、前半を終えた。
後半、大田尾選手のキックオフでゲームが再開される。東芝は小川選手のキックでヤマハ陣に攻め込む。東芝FWが次々と突進するが、ヤマハは低いタックルを連発して防ぐ。長い時間、ひたむきにタックルを繰り返し、東芝に得点を許さない。
13分、ラックでのボールを奪い返したヤマハは、クリシュナン選手が素早くパスを出し、矢富選手がライン際の中園選手を走らせる。ゲインした中園選手が作ったラックから、五郎丸選手が豪快に中央を突破。そしてタッチライン際に待ち構えていたクリシュナン選手にパスを放つと、その長い足を使い、一気に東芝ゴールに迫る。タックルを受けながら、サポートした大田尾選手に山なりの柔らかいパスを放ち、大田尾選手が左中間にトライを決めた。12-9とし、再び逆転に成功する。
ディフェンスからチャンスをつかみ、得点したヤマハ選手たちは、このトライを契機に波に乗る。18分に今季初出場となったポトヒエッター選手も加わり、さらにパワーアップ。中園選手と伊東選手の両ウィングが快速を活かして前進し、21分に相手反則を得ると、五郎丸選手がPG成功。15-9と追加点を奪い、リードを広げる。
さらに岸選手、加藤選手、山村選手、八木下選手らFWが登場。相手スクラムをめくるシーンが飛び出すなど、ゲームを支配していく。BKでは池町選手、ピウタウ選手、ハビリ選手もピッチに入り、勝利への準備段階に入っていく。
32分、ヤマハFWのパワーが炸裂。相手FWがスクラムを崩す反則をし、五郎丸選手が37mのPGを鮮やかに決め、18-9と突き放す。さらに37分、今度は飛距離45mのPGを五郎丸選手が成功させ、21-9と勝負を決めた。
残り3分もヤマハFWがしっかりとボールを保持し続ける。あとは電光掲示版の「40:00」を待つばかり。大田尾選手が落ち着いてタッチにボールを蹴りだし、21-9でヤマハは初の日本選手権決勝行きの切符をつかんだ。
※画像はゴール前に迫る日野選手とサポートする田村選手(左)
三村主将
「今日の勝因は、接点での激しさと、勝ちたいという気持ちが東芝さんを上回っていたことだと思います。前半は味方へのサポートが遅れ気味でしたので、後半はその部分を修正して対応しました。またスクラムも前半に反則をとられたので、押し方を変えて対応しました。今までの経験を活かすことができました。日本選手権の決勝戦は、勝っても負けても今シーズン最後の試合ですので、悔いのないように、積み重ねてきたものを全て出し切る試合にしたいと思います。」
試合詳細・メンバー
ヤマハ発動機ジュビロ | |
1 | 山本幸輝 |
2 | 日野剛志 |
3 | 田村義和 |
4 | 大戸裕矢 |
5 | デューク・クリシュナン |
6 | モセ・トゥイアリイ |
(7) | 三村勇飛丸 |
8 | 堀江恭佑 |
9 | 矢富勇毅 |
10 | 大田尾竜彦 |
11 | 中園真司 |
12 | マレ・サウ |
13 | 宮澤正利 |
14 | 伊東力 |
15 | 五郎丸歩 |
16 | 加藤圭太 |
17 | 岸直弥 |
18 | 山村亮 |
19 | 八木下惠介 |
20 | デウォルト・ポトヒエッター |
21 | 池町信哉 |
22 | シアレ・ピウタウ |
23 | ハビリロッキー |
交替・入替 | ||
種類 | 時間 | 背番号 |
入替 | 後半18分 | 6→20 |
入替 | 後半32分 | 2→16 |
入替 | 後半32分 | 3→18 |
入替 | 後半32分 | 9→21 |
入替 | 後半32分 | 11→23 |
入替 | 後半34分 | 5→19 |
入替 | 後半34分 | 12→22 |
入替 | 後半37分 | 1→17 |
前半 | ||
1 | T | 0 |
1 | G | 3 |
0 | PG | 0 |
0 | DG | 0 |
7 | 合計 | 9 |
後半 | ||
1 | T | 0 |
0 | G | 0 |
3 | PG | 0 |
0 | DG | 0 |
14 | 合計 | 0 |
21 | 合計 | 9 |
東芝 | |
1 | 三上正貴 |
2 | 湯原祐希 |
3 | 浅原拓真 |
4 | 梶川喬介 |
5 | 大野均 |
6 | スティーブン・ベイツ |
7 | 山本紘史 |
8 | リーチマイケル |
9 | 小川高廣 |
(10) | 森田佳寿 |
11 | 廣瀬俊朗 |
12 | リチャード・カフイ |
13 | 渡邊太生 |
14 | 伊藤真 |
15 | 宇薄岳央 |
16 | 久保知大 |
17 | 森太志 |
18 | 石澤輝 |
19 | 松田圭祐 |
20 | タネラウ・ラティマー |
21 | 吉田朋生 |
22 | 松延泰樹 |
23 | 豊島翔平 |
交替・入替 | ||
種類 | 時間 | 背番号 |
入替 | 前半37分 | 15→23 |
入替 | 後半5分 | 10→22 |
入替 | 後半17分 | 5→19 |
入替 | 後半26分 | 6→20 |
入替 | 後半26分 | 9→21 |
入替 | 後半32分 | 1→16 |
入替 | 後半32分 | 2→17 |
入替 | 後半37分 | 3→18 |
得点経過
前半 | チーム | 選手 | 種類 | 得点 ヤマハ-東芝 |
17分 | 東芝 | (9)小川高廣 | PG | 0-3 |
25分 | 東芝 | (9)小川高廣 | PG | 0-6 |
32分 | ヤマハ発動機 | (6)モセ・トゥイアリイ | T | 5-6 |
33分 | ヤマハ発動機 | (15)五郎丸歩 | G | 7-6 |
44分 | 東芝 | (9)小川高廣 | PG | 7-9 |
後半 | チーム | 選手 | 種類 | 得点 ヤマハ-東芝 |
13分 | ヤマハ発動機 | (10)大田尾竜彦 | T | 12-9 |
14分 | ヤマハ発動機 | (15)五郎丸歩 | Gx | 12-9 |
21分 | ヤマハ発動機 | (15)五郎丸歩 | PG | 15-9 |
32分 | ヤマハ発動機 | (15)五郎丸歩 | PG | 18-9 |
37分 | ヤマハ発動機 | (15)五郎丸歩 | PG | 21-9 |
ヤマハ発動機ジュビロ(ラグビー)
清宮監督
「チームの成長を感じた試合となりました。前半にスクラムなどのセットプレーで苦戦したところを、後半にしっかりと修正することができ、選手たちがここまで成長するものなのかと驚くほどでした。次はシーズン最後のゲーム。チャンピオンの座をつかみます。」