第51回日本選手権 第2戦 - 試合日程・結果
第51回日本選手権 第2戦:神戸製鋼コベルコスティーラーズ戦の結果をご報告します。
第51回日本選手権 第2戦
2/23(日) 14:05
:秩父宮
ヤマハ発動機ジュビロ 26
前半 10-9
後半 16-19
28神戸製鋼コベルコスティーラーズ
試合レポート
残り3分に逆転され、2回戦突破ならず
日本選手権2回戦は、トップリーグ3位の神戸製鋼コベルコスティーラーズと今季2度目の対戦となった。前回は、セカンドステージの第2節にて対戦し、矢富選手らの活躍により35-16でヤマハが勝利しており、7季ぶりの日本選手権ベスト4進出をかけた注目のカードとなった。
神戸製鋼のキックオフで試合が開始される。神戸製鋼は身長208センチのベッカー選手を巧みに使い、キックオフボールを確保すると、すぐにヤマハ陣にて試合を進める。2分にペナルティーゴール(以下、PG)を決められ、0-3と先制を許す。
神戸製鋼が得たフリーキックを山村選手がプレッシャーをかけ、チャージ。神戸製鋼陣でのヤマハボールでのファーストスクラムを迎える。しかし、神戸製鋼のディフェンスに阻まれ、後退し、10分に神戸製鋼ウィング選手に2つ目のPGを決められ、0-6となる。
次第にゲームの流れが落ち着きだし、双方得点がないままに時間が過ぎる。29分、相手反則を得ると、直線距離にして49mのPGを五郎丸選手が狙うが、飛距離が伸びずに得点にならない。しかし、徐々にスクラムから有利に試合の流れをつかんでいく。
田中選手が蹴ったボールを神戸製鋼の巨漢、ベッカー選手がつかむと、身長170cmの宮澤選手が鋭いタックルで倒す。宮澤選手はすぐに起き上がると、次に猿渡選手に続けてタックルし、相手反則を得る。32分、このPGを五郎丸選手がしっかりと決めて3-6とする。
しかし、直後の34分に神戸製鋼にPGを決められ、3-9と再び6点差のリードを許す。
五郎丸選手が蹴ったハイパントのボールを徐選手が追いかけて、キャッチ。そのボールをフォローした田中選手が絶妙のタイミングで走りこんできた新人の山本選手にパスする。山本選手が15m近くを走りきってトライ。五郎丸選手のゴールも成功し、10-9で逆転に成功し、前半を終える。
後半に天皇皇后両陛下が秩父宮ラグビー場にご到着され、場内アナウンスが流れた後に大田尾選手のキックで試合が再開される。
2分に五郎丸選手が49mの飛距離あるPGを狙うが、クロスバーならず。しかし、神戸製鋼陣での試合を続け、6分に五郎丸選手が右中間の位置からPGを決め、13-9とリードを広げる。
その後もヤマハが良いテンポで神戸製鋼陣に攻め入るも、神戸製鋼の安井選手にボールを奪われ、その連続攻撃から、12分に日本代表の今村選手にトライを許し、13-14と神戸製鋼が逆転する。
流れを引き寄せるために、ポトヒエッター選手からトゥイアリイ選手に入替する。そのトゥイアリイ選手が相手BKへ圧力をかけ、ミスキックを誘う。そのボールをキャッチした日野選手がライン際を快走し、神戸製鋼陣に攻め込む。ラックからトゥイアリイや堀江選手が突破を繰り返し、最後は再びトゥイアリイ選手がパワフルな突進を見せてトライ。五郎丸選手のゴールも決まり、19分に20-14と再びヤマハがリードを奪い返す。さらに23分に五郎丸選手がPGを決め、23-14とリードを9点差にする。
しかし、29分に神戸製鋼は連続攻撃から、濱島選手がトライ。正面選手のゴールも決まり23-21と3点差に迫る。
33分にヤマハは五郎丸選手がゴールポスト正面、飛距離にして45mの位置からPGを決め、26-21とし、1トライ分の5点差のリードを確保する。
残り時間が刻一刻と削られていく中、神戸製鋼FWが縦への強い突進を見せ、残り3分にモールを押し込んでトライ。26-26と同点に追いつかれる。トライ後のコンバージョンゴールも決められ、26-28と土壇場で神戸製鋼が逆転する。
残り2分、ヤマハは神戸陣に攻め込むも、ボールを取り戻すことができず、試合終了のホーンを聞く。そのホーンの音は、ヤマハ発動機ジュビロの今シーズン終了を告げる音色として、選手やファンに悲しい響きを与えた。
試合後、清宮監督は「本当に惜しい試合であり、悔しい。流れは十分にヤマハにあった。」と、唇を噛んだ。この日、ゲームキャプテンを務めた矢富選手は「トップリーグも含めて、あと一歩というところで勝ちきれなかった。あと一歩の部分を極めたい」と、早くも来期への意欲を見せ、秩父宮ラグビー場を後にした。
※タックルからチャンスを作った宮澤選手
矢富ゲームキャプテン
「トップリーグも日本選手権も、あと一歩というところで、勝利をつかみきれなかったのは来期への課題です。自分たちが積み上げたきたことを出せた部分もありましたが、まだ成長しなければならない点もあり、来期は、さらに自分たちの形を極めていきたいと思います。長いシーズン、たくさんのご声援を誠に有難うございました。」
試合詳細・メンバー
ヤマハ発動機ジュビロ | |
1 | 山本幸輝 |
2 | 日野剛志 |
3 | 山村亮 |
4 | 大戸裕矢 |
5 | 笠原雄太 |
6 | デウォルト・ポトヒエッター |
7 | 山路和希 |
8 | 堀江恭佑 |
(9) | 矢富勇毅 |
10 | 大田尾竜彦 |
11 | 徐吉嶺 |
12 | マレ・サウ |
13 | 宮澤正利 |
14 | 田中渉太 |
15 | 五郎丸歩 |
16 | 加藤圭太 |
17 | 岸直弥 |
18 | 長野正和 |
19 | 斉田晃平 |
20 | モセ・トゥイアリイ |
21 | 池町信哉 |
22 | 曽我部佳憲 |
23 | シアレ・ピウタウ |
交替・入替 | ||
種類 | 時間 | 背番号 |
入替 | 後半13分 | 6→20 |
交替 | 後半23分 | 13→22 |
入替 | 後半24分 | 9→21 |
入替 | 後半31分 | 10→23 |
入替 | 後半31分 | 20→19 |
入替 | 後半37分 | 2→16 |
前半 | ||
1 | T | 0 |
1 | G | 0 |
1 | PG | 3 |
0 | DG | 0 |
10 | 合計 | 9 |
後半 | ||
1 | T | 3 |
1 | G | 2 |
3 | PG | 0 |
0 | DG | 0 |
16 | 合計 | 19 |
26 | 合計 | 28 |
神戸製鋼コベルコスティーラーズ | |
1 | 安江祥光 |
2 | 木津武士 |
3 | 山下裕史 |
4 | 伊藤鐘史 |
5 | アンドリース・ベッカー |
(6) | 橋本大輝 |
7 | 前川鐘平 |
8 | マパカイトロパスカ |
9 | 猿渡知 |
10 | 正面健司 |
11 | 大橋由和 |
12 | クレイグ・ウィング |
13 | ジャック・フーリー |
14 | 今村雄太 |
15 | 濱島悠輔 |
16 | 山崎基生 |
17 | 平島久照 |
18 | 沢居寛也 |
19 | 清水佑 |
20 | 安井龍太 |
21 | 佐藤貴志 |
22 | 山本大介 |
23 | フレイザー・アンダーソン |
交替・入替 | ||
種類 | 時間 | 背番号 |
交替 | 前半17分 | 6→20 |
入替 | 後半24分 | 1→17 |
入替 | 後半24分 | 5→19 |
入替 | 後半24分 | 14→23 |
入替 | 後半26分 | 9→21 |
入替 | 後半38分 | 15→22 |
得点経過
前半 | チーム | 選手 | 種類 | 得点 ヤマハ-神戸製鋼コベルコスティーラーズ |
2分 | 神戸製鋼 | (12)クレイグ・ウィング | PG | 0-3 |
11分 | 神戸製鋼 | (12)クレイグ・ウィング | PG | 0-6 |
30分 | ヤマハ発動機 | (15)五郎丸歩 | PGx | 0-6 |
33分 | ヤマハ発動機 | (15)五郎丸歩 | PG | 3-6 |
35分 | 神戸製鋼 | (12)クレイグ・ウィング | PG | 3-9 |
36分 | ヤマハ発動機 | (1)山本幸輝 | T | 8-9 |
37分 | ヤマハ発動機 | (15)五郎丸歩 | G | 10-9 |
後半 | チーム | 選手 | 種類 | 得点 ヤマハ-神戸製鋼コベルコスティーラーズ |
2分 | ヤマハ発動機 | (15)五郎丸歩 | PGx | 10-9 |
6分 | ヤマハ発動機 | (15)五郎丸歩 | PG | 13-9 |
12分 | 神戸製鋼 | (14)今村雄太 | T | 13-14 |
13分 | 神戸製鋼 | (12)クレイグ・ウィング | Gx | 13-14 |
18分 | ヤマハ発動機 | (20)モセ・トゥイアリイ | T | 18-14 |
19分 | ヤマハ発動機 | (15)五郎丸歩 | G | 20-14 |
23分 | ヤマハ発動機 | (15)五郎丸歩 | PG | 23-14 |
29分 | 神戸製鋼 | (15)濱島悠輔 | T | 23-19 |
30分 | 神戸製鋼 | (10)正面健司 | G | 23-21 |
33分 | ヤマハ発動機 | (15)五郎丸歩 | PG | 26-21 |
37分 | 神戸製鋼 | (4)伊藤鐘史 | T | 26-26 |
38分 | 神戸製鋼 | (10)正面健司 | G | 26-28 |
ヤマハ発動機ジュビロ(ラグビー)
清宮監督
「試合の流れはヤマハにあった試合でした。前半に運も味方につけ、10-9とリードして折り返すことができ、後半も試合を支配していたのはヤマハでした。素晴らしいディフェンスを続けていたのですが、一つの反則から、崩れてしまったのが残念です。今シーズンはこれで終了ですが、これからも自分たちの形にこだわるラグビーを追求し、継続していこう、と試合後に選手たちに話しました。今シーズン、たくさんの応援を有難うございました。」