2013-2014年度ワイルドカード 第2戦 - 試合日程・結果
2013-2014年度ワイルドカード 第2戦:NECグリーンロケッツ戦の結果をご報告します。
2013-2014年度ワイルドカード 第2戦
2/ 8(土) 14:05
:近鉄花園
ヤマハ発動機ジュビロ 13
前半 0-9
後半 13-3
12NECグリーンロケッツ
試合レポート
残り8分に逆転、1点差を守り日本選手権出場へ
前日からの雪により、開催が危ぶまれたワイルドカード2回戦。試合当日は明け方から雪が雨に変り、近鉄花園ラグビー場スタッフや大阪府内の高校ラグビー部員たちによる除雪作業のおかげで、無事にキックオフ時間を迎えることができた。
小雨が降る中、午後2時にNECのキックオフから試合が始まる。最初にペースをつかんだのは風上のNEC。ラトゥ選手の力強い突進と、BK選手によるキックを織り交ぜ、ヤマハ陣でのゲームを続ける。13分にNECは日本代表の田村選手によるドロップゴールで0-3と先制する。
五郎丸選手のあげたハイパントからチャンスを作ったヤマハは、ラインアウトからモールを押し込み、相手陣での展開を続ける。相手ゴール前での攻防が続くが、スクラムで痛恨の反則を取られ、得点に結び付けられない。
逆に27分にNECの攻撃をオフサイドの位置にいた堀江選手が妨害したとして、イエローカードが出され、14名での時間帯を迎える。その10分間の一時退場に2つのペナルティーゴール(以下、PG)を決められ、0-9とリードを広げられて前半を終了する。
後半に入り、風上となったヤマハだったが、NECがラトゥ選手とキックを使う徹底した攻撃で、ヤマハは防戦一方の展開を強いられる。ヤマハ陣での時間が続くが、その流れを変えたのは、矢富副将。相手陣深くにボールをキックし、田中選手を走らせる。田中選手が相手のキックしたボールをチャージし、ようやくNEC陣に入ると、7分に相手反則を誘い、五郎丸選手が40mの飛距離あるPGを成功。3-9とする。
しかし、NECは徹底的にラトゥ選手にボールを集め、すぐにヤマハ陣に入ると、12分にPGを決め、3-12と再び9点差とし、ヤマハを突き放しにかかる。
13分、攻撃のテンポを上げるため、斉田選手とピウタウ選手がピッチに入る。その勢いを得て15分に相手陣のゴールポスト正面で相手の反則を誘い、PGのチャンスを得る。しかし、ここでPGを選択せずに、三村主将はFW勝負に出る。ところが、そのラインアウトで痛恨のノットストレート(ボールをまっすぐにラインアウトに投げ入れなかった反則)を取られ、追加点を奪う機会を逃す。
16分、「さらにボールを動かすため(清宮監督)」と、曽我部選手が投入される。曽我部選手のキックにより、NEC陣に入ると、ラインアウトのボールを大戸選手がしっかりとキャッチ。堀江選手らがモールを押し込み、相手陣でのゲームを続ける。24分に相手の反則があり、五郎丸選手がPGを決め、6-12とし、その差を6点に縮めた。
残り時間は15分。ヤマハFWがボールを奪い、アタックを続ける時間帯が続き、一方、NECの反則が目立つようになる。三村主将は「最初から、今日はFWで勝負を決めていた」と、PGを狙わずに、ラインアウトからの展開を選択する。モールを組んでは、相手反則が繰り返され、追加点が奪えないまま、残り時間は刻一刻と減っていく。
32分、ラインアウトからしっかりとモールを作ると、FWがNECのゴールラインになだれ込む。最後は堀江選手がボールを押さえてトライ。残り8分に、この日の試合として初のトライが生まれた。スコアは11-12と1点差に迫る。
ラインアウトからのモールのため、堀江選手がトライした位置は左端。そのため、難しい角度でもあり、飛距離も要するコンバージョンゴールであったが、日本代表のエースキッカーでもある五郎丸選手が鮮やかに決め、13-12と、遂に逆転に成功する。
この逆転により勢いが生まれたヤマハは、FWが相手ボールを奪い、NEC陣でのゲームを続ける。残り時間5分、相手陣で得た反則を、曽我部選手はタッチキックを狙い、FW勝負にこだわる姿勢を貫く。
ルーキーの山本選手が相手選手を弾き飛ばす豪快なプレーを見せるなど、残り時間もNECのゴール前を果敢に攻撃を続けた。最後も相手反則を誘い、曽我部選手がボールをバックスタンドに蹴りだして1点差を守りきり、3季連続6度目となる日本選手権への出場を決めた。
※画像はルーキー山本選手の突進
三村主将
「最後のモールからのトライは、FWでトライを狙えると、試合中からの感触があったので、(ペナルティーゴールを)狙わずに、FWで勝負にでました。そこはチームとして、意思統一があったので、迷いはありませんでした。反省点としては、試合中の判断。リーダーたちが、チームにとって最良のプレーを選択できるように成長していきたいと思います。しっかりと準備して、次の試合に臨みます。」
試合詳細・メンバー
ヤマハ発動機ジュビロ | |
1 | 山本幸輝 |
2 | 日野剛志 |
3 | 山村亮 |
4 | 大戸裕矢 |
5 | 笠原雄太 |
6 | モセ・トゥイアリイ |
(7) | 三村勇飛丸 |
8 | 堀江恭佑 |
9 | 矢富勇毅 |
10 | 大田尾竜彦 |
11 | 徐吉嶺 |
12 | マレ・サウ |
13 | 宮澤正利 |
14 | 田中渉太 |
15 | 五郎丸歩 |
16 | 加藤圭太 |
17 | 岸直弥 |
18 | 長野正和 |
19 | 斉田晃平 |
20 | 山路和希 |
21 | 小池善行 |
22 | 曽我部佳憲 |
23 | シアレ・ピウタウ |
交替・入替 | ||
種類 | 時間 | 背番号 |
入替 | 後半12分 | 6→19 |
入替 | 後半12分 | 13→23 |
入替 | 後半16分 | 10→22 |
前半 | ||
0 | T | 0 |
0 | G | 0 |
0 | PG | 2 |
0 | DG | 1 |
0 | 合計 | 9 |
後半 | ||
1 | T | 0 |
1 | G | 0 |
2 | PG | 1 |
0 | DG | 0 |
13 | 合計 | 3 |
13 | 合計 | 12 |
NECグリーンロケッツ | |
1 | 瀧澤直 |
2 | 臼井陽亮 |
3 | キム・カンシク |
(4) | 浅野良太 |
5 | 小野寺優太 |
6 | 村田毅 |
7 | ニリ・ラトゥ |
8 | 土佐誠 |
9 | 櫻井朋広 |
10 | 田村優 |
11 | 釜池真道 |
12 | 櫻谷勉 |
13 | ニール・ブリュー |
14 | 窪田幸一郎 |
15 | 吉廣広征 |
16 | 川村慎 |
17 | 猪瀬佑太 |
18 | 権丈太郎 |
19 | ガレス・デルヴ |
20 | 茂野海人 |
21 | 森田茂希 |
22 | ウェブ将武 |
23 | 田中光 |
交替・入替 | ||
種類 | 時間 | 背番号 |
入替 | 後半25分 | 5→18 |
入替 | 後半31分 | 3→23 |
入替 | 後半33分 | 2→16 |
入替 | 後半33分 | 15→22 |
入替 | 後半35分 | 12→21 |
得点経過
前半 | チーム | 選手 | 種類 | 得点 ヤマハ-NECグリーンロケッツ |
13分 | NEC | (10)田村優 | DG | 0-3 |
28分 | NEC | (10)田村優 | PG | 0-6 |
34分 | NEC | (10)田村優 | PG | 0-9 |
後半 | チーム | 選手 | 種類 | 得点 ヤマハ-NECグリーンロケッツ |
7分 | ヤマハ発動機 | (15)五郎丸歩 | PG | 3-9 |
12分 | NEC | (10)田村優 | PG | 3-12 |
24分 | ヤマハ発動機 | (15)五郎丸歩 | PG | 6-12 |
32分 | ヤマハ発動機 | (8)堀江恭佑 | T | 11-12 |
33分 | ヤマハ発動機 | (15)五郎丸歩 | G | 13-12 |
ヤマハ発動機ジュビロ(ラグビー)
清宮監督
「タフな試合でした。前半は風下の陣地の中、失点が9点であったことは、許容範囲と言えます。しかし、後半は風上になりましたが、簡単には得点できず、トーナメント大会らしい試合展開となりした。勝って、次のステップに進めることができ、良かったと思います。日本選手権1回戦の対戦相手は早稲田大学となります。ラグビーファンの皆様に注目していただけるよう、しっかりと準備し、ヤマハらしいラグビーをお見せしたいと思います。」