2011春季練習試合 第3戦 - 試合日程・結果
2011春季練習試合 第3戦:釜石シーウェイブス戦の結果をご報告します。
2011春季練習試合 第3戦
6/ 5(日) 13:00
:岩手県釜石市 松倉グラウンド
ヤマハ発動機ジュビロ 76
前半 36-0
後半 40-5
5釜石シーウェイブス
試合レポート
スポーツの、そしてラグビーの力で復旧・復興への活力を!
3月11日の東日本大震災に伴う津波で甚大な被害を受けた岩手県釜石市。死者・行方不明者は1300人を超え、市内全域において今なお懸命の捜索活動と復旧・復興作業が続けられている。
春季練習試合の第3戦は、釜石シーウェイブスとの復興祈願マッチ「釜石ラグビッグドリーム2011」。対戦にあたって清宮監督は「釜石は鉄と魚とラグビーの町。我われもラグビーの仲間の一員として、微力ながらお役に立ちたかった。釜石市民の皆さんの誇りである釜石シーウェイブスと試合をさせていただくことで、人びとに笑顔になっていただけたらと願って今日の試合を迎えた」と話し、選手・スタッフ一同もそれぞれが心に期するものを持って会場に足を踏み入れた。
この日は、シーウェイブスの試合を楽しみにしていた1500人の市民の皆さんが来場。企業や団体のボランティアにより牛丼やステーキサンド、プリンなどが振舞わる一方で、キックオフ前には震災により亡くなられた方への追悼、また行方不明になられている方の一刻も早い発見を願って両チームと観客による黙祷が捧げられた。
さて、釜石名物・大漁旗がうち振られる独特の雰囲気の中でキックオフしたゲームは、開始早々の1分に小池選手から大田尾選手へとつないだボールを田中選手が右サイドにトライを決めてヤマハが先制。五郎丸選手のキックも決まりヤマハが7-0とリードする展開。
試合前、「全力のプレーを釜石の皆さんにお見せすることが我われのつとめ」と確認し合ったヤマハの選手たちは、その後も攻守にわたって高いパフォーマンスを発揮し、5分と8分にも田中選手が、さらに22分に津高選手、25分に徐選手、38分には田中選手がこの日4本目のトライを決めるなど得点を積み重ね、前半を36-0の大量リードで折り返した。
後半に入ってもヤマハの積極的な姿勢は衰えず、開始1分に中央のラックから大田尾選手がトーマス選手 につないで中央にトライ。大田尾選手のキックも決まって43-0とスコアが開いたものの、地元ファンの声援に背中を押されるように徐々にヤマハ陣内に押し込みはじめた釜石も、3分マフィリオ選手が左隅にトライを決めて初得点。場内は大きな歓声と拍手に包まれた。
しかしその後もヤマハは主導権を譲ることなく、トーマス選手、サウ選手、トゥイアリイ選手が次つぎにトライを重ね、最終的には12トライ・8ゴールで76得点を奪い勝利を収めた。また、試合終了後には釜石ファンからヤマハの選手へ、また静岡から駆けつけたヤマハファンから釜石の皆さんへの声援が飛ぶなど、スポーツの、そしてラグビーの力を、多くの人びとが実感した一日となった。
写真は復帰戦となったプロップ高木選手(右)
この試合に挑むに当たって、「なぜ僕たちがこの場にいるのか。また、どんな試合を見せなくてはならないのか、もう一度あらためて一人ひとりが考えてゲームに入ろう」と声をかけた。試合前には津波で被害を受けた地域にもチーム全員で足を運んだが、本当に言葉もない。僕たちにできることは限られているが、今日の試合で市民の皆さんにラグビーを観る喜びを感じていただけたとしたら嬉しい。
試合詳細・メンバー
ヤマハ発動機ジュビロ | |
1 | 長野正和 |
2 | 境川久 |
3 | 田村義和 |
4 | 八木下恵介 |
5 | デーリック・トーマス |
6 | 八木鉄兵 |
7 | 河本明哲 |
8 | モセ・トゥイアリイ |
9 | 小池善行 |
10 | 大田尾竜彦 |
11 | 津高宏行 |
12 | マレ・サウ |
13 | 徐吉嶺 |
14 | 田中渉太 |
(15) | 五郎丸歩 |
16 | 前田航平 |
17 | 高木重保 |
18 | 名嘉翔伍 |
19 | 山村亮 |
20 | 笠原雄太 |
21 | 三村勇飛丸 |
22 | 池町信哉 |
23 | 宮澤正利 |
24 | 越村一隆 |
25 | 遠藤広太 |
前半 | ||
6 | トライ | 0 |
3 | ゴール | 0 |
0 | ペナルティG | 0 |
0 | ドロップG | 0 |
36 | 合計 | 0 |
後半 | ||
6 | トライ | 1 |
5 | ゴール | 0 |
0 | ペナルティG | 0 |
0 | ドロップG | 0 |
40 | 合計 | 5 |
76 | 合計 | 5 |
釜石シーウェイブス | |
1 | 斉藤芳 |
2 | 小野寺政人 |
3 | 佐々木和樹 |
4 | ルイ・ラターヘーパエア |
5 | スコット・ファーディー |
6 | 須田康夫 |
(7) | 佐伯悠 |
8 | 馬渕勝 |
9 | 細川諭 |
10 | 井上益基也 |
11 | 奥田浩也 |
12 | ニールソン武蓮傳 |
13 | ピタ・アラテイニ |
14 | 菅野朋幸 |
15 | ピエイ・マフィリオ |
16 | 浜野旭 |
17 | 渡邉潤一 |
18 | 神田佑樹 |
19 | 三浦健博 |
20 | 千葉大和 |
21 | 小原義巧 |
22 | 森山裕樹 |
23 | 江幡誠弘 |
24 | 藤原誠 |
得点経過
前半 | チーム | 選手 | 種類 | 得点 ヤマハ-釜石シーウェイブス |
01分 | ヤマハ | 田中渉太 | T | 5-0 |
02分 | ヤマハ | 五郎丸歩 | G | 7-0 |
05分 | ヤマハ | 田中渉太 | T | 12-0 |
06分 | ヤマハ | 五郎丸歩 | Gx | 12-0 |
08分 | ヤマハ | 田中渉太 | T | 17-0 |
09分 | ヤマハ | 五郎丸歩 | G | 19-0 |
22分 | ヤマハ | 津高宏行 | T | 24-0 |
23分 | ヤマハ | 五郎丸歩 | Gx | 24-0 |
25分 | ヤマハ | 徐吉嶺 | T | 29-0 |
26分 | ヤマハ | 大田尾竜彦 | G | 31-0 |
38分 | ヤマハ | 田中渉太 | T | 36-0 |
39分 | ヤマハ | 大田尾竜彦 | Gx | 36-0 |
後半 | チーム | 選手 | 種類 | 得点 ヤマハ-釜石シーウェイブス |
01分 | ヤマハ | デーリック・トーマス | T | 41-0 |
02分 | ヤマハ | 大田尾竜彦 | G | 43-0 |
03分 | 釜石SW | ピエイ・マフィリオ | T | 43-5 |
04分 | 釜石SW | 井上益基也 | Gx | 43-5 |
14分 | ヤマハ | デーリック・トーマス | T | 48-5 |
15分 | ヤマハ | 大田尾竜彦 | G | 50-5 |
22分 | ヤマハ | デーリック・トーマス | T | 55-5 |
23分 | ヤマハ | 大田尾竜彦 | G | 57-5 |
28分 | ヤマハ | マレ・サウ | T | 62-5 |
29分 | ヤマハ | 越村一隆 | Gx | 62-5 |
33分 | ヤマハ | モセ・トゥイアリイ | T | 67-5 |
34分 | ヤマハ | 越村一隆 | G | 69-5 |
40分 | ヤマハ | マレ・サウ | T | 74-5 |
41分 | ヤマハ | 越村一隆 | G | 76-5 |
ヤマハ発動機ジュビロ(ラグビー)
我われにとって非常に学ぶことの多い遠征だった。釜石の人びとにとって、ラグビーは町の誇り。それを市内の様子やファンの声援で実感することができた。ヤマハがめざすのも、釜石のような地域に愛されるチームづくり。地域の人びとにとってシーウェイブスのような存在になれるよう、我われも努力をしていきたい。
試合については、もちろん修正しなくてはならない課題もあるが、非常に良い内容の戦いができたと考えている。優勝してシーズンを終えた後に「あの釜石戦がポイントだった」とコメントできるよう精一杯やるので、釜石にもぜひリーグ優勝していただいて「あのヤマハ戦がポイントだった」と言っていただければ幸せに思う。