2010-2011年度トップリーグ 第8節 - 試合日程・結果
2010-2011年度トップリーグ 第8節:福岡サニックスブルース戦の結果をご報告します。
試合レポート
<後半節初戦を我慢のラグビーで白星発進>
日本代表の国際試合による約1ヶ月間の中断期間を経て、11月27日からトップリーグ後半節が再びスタート。串田主将は「開幕戦のように、全員で集中して、執念で勝ちを獲りに行きたい」と後半節への巻き返しを誓って大阪入りした。
ヤマハのキックオフで試合開始。前半1分、五郎丸選手がPGを成功させ先制点をあげる。その後、サニックスの変幻自在な展開ラグビーに翻弄されるが、ヤマハは開幕戦を彷彿させる粘りのディフェンスをみせ、得点を許さない。サニックスは前半20分に早くも今季トップリーグで最も注目を集める強力ランナー、カーン・ヘスケス選手を投入し、ヤマハを引き離しにかかる。ヘスケス選手の突破から、前半24分、32分、38分と3連続トライを許し、前半は3-15と完全に主導権を握られた形でハーフタイムとなった。
後半に入り、風上に立つヤマハは、前半間際にピッチインしたジョシュア・レヴィ選手が後半5分にトライを奪うと、直後のキックオフからボールをつないだヤマハは、五郎丸選手がサニックス陣にめがけてゴロキックを転がし、再度レヴィ選手が左隅に押さえて連続トライ。五郎丸選手のゴールも決まり、17-15と逆転に成功する。
サニックスもつなぐラグビーでヤマハ陣に襲い掛かかり、後半16分にイオアサ選手がトライ。小野選手のゴール成功で17-22と再びサニックスがリード。
すると今度は新人の屋宜ベンジャミン選手が五郎丸選手が蹴ったボールを右隅に押さえてトライ。「特に事前に打ち合わせはしていませんでしたが、あの場面で五郎丸さんの動きに反応でき、トップリーグで初トライができました(屋宜談)」。五郎丸選手の難しい角度のゴールも成功、24-22とすぐにリードを奪い返す目まぐるしい展開に。
後半25分にサニックスの元日本代表、小野選手がPGを成功させ、24-25と今度はサニックスが1点のリードを奪い、3度目の逆転に成功する。残り時間10分、両者譲らないデットヒートの展開に、観客席も興奮を隠せない異様なムードに会場は包まれる。
ヤマハは風上を利用して、サニックス陣に入り込み、PGのチャンスを2度得るが、「FWがモールでいけると思ったし、あの時間帯はずっと敵陣にいたかったので、PGを狙わず、ラインアウトからモールで攻めようと判断しました」と入替でピッチを後にした串田選手に代わりゲームキャプテンとなった五郎丸選手が決断。その心意気を感じたヤマハFWは気迫でサニックスゴールに向かい、モールで前進。後半35分に「必ず良いボールがくると信じていたし、4トライはマスト(MUST)とずっと思っていた」とセンターのサウ選手がサニックスゴール中央に会心のトライ。五郎丸選手が落ち着いてゴールを成功させ、31-25と3度、逆転に成功した。
残り時間3分。ヤマハはモール攻撃を繰り返し、サニックスの攻撃の時間をつぶす作戦に。当たっては倒され、起き上がってはモールを続ける。残り30秒、今季上位進出を狙うサニックスが意地を見せる。モールを崩し、ペナルティーを得ると、そこからヤマハゴールに向かってラッシュ。最後は古賀選手が右隅に転がったボールを押さえ込んでトライ。スコアは31-30の1点差。小野選手がゴールを狙う準備中に、試合終了を告げるホーンが鳴り響く。ゴールが入れば、サニックスの勝利、入らなければヤマハの勝利...花園ラグビー場は小野選手の動きを静かに見守り、一切無音の世界を作り出す。
小野選手の蹴ったボールはゴールポストに跳ね返り、ゴール成らず。31-30でノーサイド。ヤマハ発動機ジュビロに勝利の女神が微笑み、今季3勝目をマーク。後半節を白星発進できたことに加え、今季初の勝ち点5を獲得し、巻き返しに向けて大きな一歩を踏み出した第8節となった。
尚、MOMは2つのトライのアシストと、4つのゴールと1つのPGの全てを成功させた五郎丸選手が今季3度目の受賞に輝いた。
(画像は試合後にインタビューを受ける五郎丸選手)
ボーナスポイントの4トライ目を決めたサウ選手
ヤマハが3トライを獲った時から、4トライ目を必ず自分で決めたいと強く意識してプレーしていました。特にFWが良いプレーをして、ボールを確保してくれていたので、FWのためにも、チームのためにも必ず4トライ目を取らなくてはと思っていました。とても良いタイミングでボールが回ってきたので、迷わずにゴールラインにもっていきました。チームに貢献できたトライを決めることができ、とてもハッピーです。
試合詳細・メンバー
ヤマハ発動機ジュビロ | |
1 | 前田航平 |
2 | 加藤圭太 |
3 | 山村亮 |
4 | ダニエル・ケート |
5 | 笠原雄太 |
6 | 河本明哲 |
(7) | 串田義和 |
8 | デーリック・トーマス |
9 | 矢富勇毅 |
10 | 大田尾竜彦 |
11 | 辻井厚之 |
12 | マレ・サウ |
13 | 三角公志 |
14 | 屋宜ベンジャミン・レイ |
15 | 五郎丸歩 |
16 | 岸直弥 |
17 | 田村義和 |
18 | 八木下恵介 |
19 | 八木鉄兵 |
20 | 小池善行 |
21 | ジョシュア・レヴィ |
22 | 井本克典 |
交替・入替 | ||
種類 | 時間 | 背番号 |
入替 | 前半 35分 | 4 → 18 |
入替 | 前半 35分 | 11 → 21 |
入替 | 後半 25分 | 7 → 19 |
入替 | 後半 27分 | 1 → 16 |
入替 | 後半 31分 | 14 → 22 |
入替 | 後半 35分 | 3 → 17 |
前半 | ||
0 | トライ | 3 |
0 | ゴール | 0 |
1 | ペナルティG | 0 |
0 | ドロップG | 0 |
3 | 合計 | 15 |
後半 | ||
4 | トライ | 2 |
4 | ゴール | 1 |
0 | ペナルティG | 1 |
0 | ドロップG | 0 |
28 | 合計 | 15 |
31 | 合計 | 30 |
福岡サニックスブルース | |
1 | 杉浦敬宏 |
2 | 加古川雅嗣 |
3 | 申東○(○は冫に原) |
4 | 秋田太郎 |
5 | ジェイク・パリンガタイ |
6 | ハレ・マキリ |
(7) | 菅藤友 |
8 | 西端要 |
9 | 原田航路 |
10 | 金川禎臣 |
11 | 永留健吾 |
12 | 小野晃征 |
13 | タファイ・イオアサ |
14 | 濱里周作 |
15 | 古賀龍二 |
16 | 松園正隆 |
17 | 友利玲臣 |
18 | 濱里祐介 |
19 | 西浦啓三 |
20 | 濱里耕平 |
21 | シリバ・アヒオ |
22 | カーン・ヘスケス |
交替・入替 | ||
種類 | 時間 | 背番号 |
入替 | 前半 20分 | 6 → 22 |
入替 | 後半 0分 | 10 → 19 |
入替 | 後半 25分 | 13 → 21 |
入替 | 後半 27分 | 3 → 16 |
入替 | 後半 32分 | 8 → 18 |
得点経過
前半 | チーム | 選手 | 種類 | 得点 ヤマハ-福岡サニックスブルース |
1分 | ヤマハ | 五郎丸歩 | PG | 3-0 |
13分 | サニックス | 金川禎臣 | PGx | 3-0 |
24分 | サニックス | 小野晃征 | T | 3-5 |
25分 | サニックス | 金川禎臣 | Gx | 3-5 |
32分 | サニックス | ジェイク・パリンガタイ | T | 3-10 |
33分 | サニックス | 金川禎臣 | Gx | 3-10 |
38分 | サニックス | 菅藤友 | T | 3-15 |
39分 | サニックス | 小野晃征 | Gx | 3-15 |
後半 | チーム | 選手 | 種類 | 得点 ヤマハ-福岡サニックスブルース |
5分 | ヤマハ | ジョシュア・レヴィ | T | 8-15 |
6分 | ヤマハ | 五郎丸歩 | G | 10-15 |
8分 | ヤマハ | ジョシュア・レヴィ | T | 15-15 |
9分 | ヤマハ | 五郎丸歩 | G | 17-15 |
16分 | サニックス | タファイ・イオアサ | T | 17-20 |
17分 | サニックス | 小野晃征 | G | 17-22 |
21分 | ヤマハ | 屋宜ベンジャミン・レイ | T | 22-22 |
22分 | ヤマハ | 五郎丸歩 | G | 24-22 |
25分 | サニックス | 小野晃征 | PG | 24-25 |
35分 | ヤマハ | マレ・サウ | T | 29-25 |
36分 | ヤマハ | 五郎丸歩 | G | 31-25 |
39分 | サニックス | 古賀龍二 | T | 31-30 |
40分 | サニックス | 小野晃征 | Gx | 31-30 |
ヤマハ発動機ジュビロ(ラグビー)
堀川監督
最後の最後まで大きな声援をくださった方々に本当に感謝しています。また、素晴らしい試合を最後まで戦い抜いてくれた両チームの選手たちにも感謝しています。
この試合はポイントよりも勝つこと、それだけを考えて挑みました。前半はいろいろな展開を仕掛けてくるサニックスさんに対応できないシーンもありましたが、ハーフタイムに1対1でしっかりとファイトしようと確認しました。後半に少ないチャンスを活かして得点を奪えたことが勝因です。
本当に良いボールをFWが出し続けてくれ、この試合でヤマハのFWは自信を取り戻すことができたと思います。また良い時間帯でレヴィ選手がチャンスを作ってくれ、さらにヘスケス選手をしっかりと矢富選手らと止めてくれたのも大きかったと思います。