2010-2011年度トップリーグ 第4節 - 試合日程・結果
2010-2011年度トップリーグ 第4節:トヨタ自動車ヴェルブリッツ戦の結果をご報告します。
試合レポート
トップリーグも第4節を迎え、各チームの特色や実力などが表れはじめる時期に入った。ヤマハ発動機ジュビロとして初の長野県での公式戦。試合会場の松本アルウィンは日差しが強く、気温も25度近くあり、日中で最も暑い時間帯にトヨタ自動車ヴェルブリッツとの試合が行われた。
トヨタボールのキックオフで試合は開始。開始直後からトヨタがボールを奪うと、トヨタFWが力強い突進を繰り返し、ヤマハ陣での試合を有利に運ぶ。ヤマハは密集での反則を連続で取られる苦しい立ち上がり。FWに自信を持つトヨタはPGを狙わずに、積極的にトライを狙う。前半6分にラインアウトからのモールを押し込み、トヨタが先制トライ。
取られた後のキックオフで、今度はヤマハがトヨタ陣にラッシュ。元トヨタのケート選手がラインアウトのボールをしっかりとキャッチし、BKに展開、つないだボールは再びケート選手の腕に戻り、左隅に豪快なダイビングトライ。串田主将は「今年のチームは春のトヨタさんとの練習試合での大敗から始まった。同じことをしてはいけないという気持ちがあった」と語るように、今度はヤマハがすぐに取り返す姿勢を見せた。
14分にはPGを五郎丸選手がしっかりと成功させ、8-7と逆転に成功する。流れはヤマハに...と思わせた次の瞬間、トヨタは再び強力なFW陣を前に出し、最後はセンターの八役選手が16分に左隅に飛びこみトライ。再びトヨタがリードを奪い返すと、今度は昨シーズンまでヤマハで活躍した日本代表の松下選手が五郎丸選手の放ったパスをインターセプトし、40mの独走トライ。瞬く間に8-24とリードを広げ、35分にもトヨタFWがモールを押しこんでトライ。前半だけでトヨタは4トライを上げ、ボーナスポイントを獲得した。
これ以上、点差を広げたくないヤマハは越村選手が蹴る高く正確なキックオフのボールを、ケート選手が味方FWにタップ。サックスブルーが奪ったボールは快足の徐選手に渡り、一気にトヨタ陣に攻め込む。しかし、ゴール前まで運んだボールを奪い返され、トライには繋がらない。果敢に攻めたいヤマハは、この日がトップリーグ初出場の新人・屋宜選手がカウンターを仕掛け、相手の反則を誘い、五郎丸選手が落ち着いてPGを決め、後半最初の得点を上げ14-31に。
この直後のキックオフからトヨタがヤマハ陣に攻め入ると、麻田選手がヤマハゴールを陥れ、9分にはヤマハゴール前のラインアウトでのこぼれ球を伊東選手がトライ。12分にも再び麻田選手がトライを決め、後半の13分で14-50というスコアに。
「とにかく4トライ取って、ボーナスポイントを狙いたかった」と堀川監督が試合後の記者会見にて語るとおり、後半のヤマハのターゲットはあと3つのトライをいかに奪うか。ヤマハは河本選手と笠原選手を投入、18分に越村選手がトヨタゴールポスト中央に飛び込み、反撃の狼煙を上げる。続けて入替でBKラインに入った三角選手が技ありのプレーで一気にトヨタディフェンスの裏に出ると、トゥイアリイ選手にパス。最後はレヴィ選手が右隅に飛び込んでトライ、26-50に迫る。
しかし、その後はフィジカルに強みを持つトヨタフィフティーンのディフェンス網を突破できずにノーサイド。ヤマハ発動機ジュビロにとっては敗戦の痛さよりも、4トライを奪えず、ポイント1を獲得できなかった痛みの方が響く第4節となった。
☆新人の屋宜ベンジャミン選手
「試合前はガチガチに緊張しましたが、試合をしているうちに忘れていました。やはり試合と練習は全く違い、もっとフィジカルを強くしなくては。課題が明確になり、もっとトレーニングをしていこうという大きなモチベーションを与えてくれた試合でした」
☆入団2年目にして初の公式戦デビュー、岸選手
「やはり途中からの出場は心理的に難しいものがありますが、とりあえず試合に出場できたことは素直に嬉しく思います。1番プロップとして出場だったので、対面が東海大での同期、熊谷選手(トヨタ17番)。お互いにトップリーグの舞台で戦えたことも嬉しかったですね」
串田選手コメント
素晴らしい環境で天候にも恵まれ、試合を準備してくださった長野県ラグビー協会の方々、そして対戦相手のトヨタ自動車さんにも感謝しています。ゲーム内容は前半・後半と全然違い、前半は、自分達のミスから陣地に入られ、モールでトライを取られるなどいいところはありませんでした。後半は自分達が用意してきたものを出すことができ、後半だけであれば、少しは期待を抱いてもらえるシーンもあったように思います。これまでの4試合の経験を活かし、次の東芝戦に向け準備をしていきたいと思います。今日はありがとうございました。
試合詳細・メンバー
ヤマハ発動機ジュビロ | |
1 | 仲谷聖史 |
2 | 加藤圭太 |
3 | 山村亮 |
4 | 西直紀 |
5 | ダニエル・ケート |
6 | 八木下恵介 |
(7) | 串田義和 |
8 | モセ・トゥイアリイ |
9 | 矢富勇毅 |
10 | 越村一隆 |
11 | 徐吉嶺 |
12 | マレ・サウ |
13 | 中垣裕介 |
14 | 屋宜ベンジャミン |
15 | 五郎丸歩 |
16 | 岸直哉 |
17 | 田村義和 |
18 | 河本明哲 |
19 | 笠原雄太 |
20 | 小池善行 |
21 | ジョシュア・レヴィ |
22 | 三角公志 |
交替・入替 | ||
種類 | 時間 | 背番号 |
入替 | 後半 8分 | 7→ 18 |
入替 | 後半 14分 | 6 → 19 |
入替 | 後半 19分 | 12 → 21 |
入替 | 後半 19分 | 13 → 22 |
入替 | 後半 21分 | 1→16 |
入替 | 後半 30分 | 9 → 20 |
入替 | 後半 36分 | 3 → 17 |
前半 | ||
1 | トライ | 4 |
0 | ゴール | 4 |
2 | ペナルティG | 1 |
0 | ドロップG | 0 |
11 | 合計 | 31 |
後半 | ||
2 | トライ | 3 |
1 | ゴール | 2 |
1 | ペナルティG | 0 |
0 | ドロップG | 0 |
15 | 合計 | 19 |
26 | 合計 | 50 |
トヨタ自動車ヴェルブリッツ | |
1 | 谷地村政幸 |
2 | 上野隆太 |
3 | 伊東秀剛 |
4 | 北川俊澄 |
5 | 谷口智昭 |
6 | ヘイデン・ポップグッド |
(7) | 中山義孝 |
8 | 菊谷崇 |
9 | 麻田一平 |
10 | オレニ・アイイ |
11 | ダスティン・クーパー |
12 | 山内貴之 |
13 | 八役大治 |
14 | 遠藤幸佑 |
15 | 松下馨 |
16 | 川西智治 |
17 | 熊谷隆 |
18 | 杉本晃一 |
19 | アンガス・マクドナルド |
20 | 笠木陽介 |
21 | 水野弘貴 |
22 | スティーブン・イェーツ |
交替・入替 | ||
種類 | 時間 | 背番号 |
入替 | 後半 10分 | 3 → 17 |
入替 | 後半 12分 | 6 → 19 |
入替 | 後半 19分 | 5 → 18 |
入替 | 後半 26分 | 13 → 21 |
入替 | 後半 26分 | 11→22 |
入替 | 後半 35分 | 9 → 20 |
入替 | 後半 35分 | 2 → 16 |
得点経過
前半 | チーム | 選手 | 種類 | 得点 ヤマハ-トヨタ自動車ヴェルブリッツ |
6分 | トヨタ | 上野隆太 | T | 0-5 |
7分 | トヨタ | オレニ・アイイ | G | 0-7 |
9分 | ヤマハ | ダニエル・ケート | T | 5-7 |
10分 | ヤマハ | 五郎丸歩 | G× | 5-7 |
15分 | ヤマハ | 五郎丸歩 | PG | 8-7 |
16分 | トヨタ | 八役大治 | T | 8-12 |
17分 | トヨタ | オレニ・アイイ | G | 8-14 |
23分 | トヨタ | オレニ・アイイ | PG | 8-17 |
28分 | トヨタ | 松下馨 | T | 8-22 |
29分 | トヨタ | オレニ・アイイ | G | 8-24 |
32分 | ヤマハ | 五郎丸歩 | PG | 11-24 |
35分 | トヨタ | 中山義孝 | T | 11-29 |
36分 | トヨタ | オレニ・アイイ | G | 11-31 |
後半 | チーム | 選手 | 種類 | 得点 ヤマハ-トヨタ自動車ヴェルブリッツ |
4分 | ヤマハ | 五郎丸歩 | PG | 14-31 |
5分 | トヨタ | 麻田一平 | T | 14-36 |
6分 | トヨタ | オレニ・アイイ | G | 14-38 |
9分 | トヨタ | 伊東秀剛 | T | 14-43 |
10分 | トヨタ | オレニ・アイイ | G× | 14-43 |
12分 | トヨタ | 麻田一平 | T | 14-48 |
13分 | トヨタ | オレニ・アイイ | G | 14-50 |
18分 | ヤマハ | 越村一隆 | T | 19-50 |
19分 | ヤマハ | 五郎丸歩 | G | 21-50 |
25分 | ヤマハ | ジョシュア・レヴィ | T | 26-50 |
26分 | ヤマハ | 五郎丸歩 | G× | 26-50 |
ヤマハ発動機ジュビロ(ラグビー)
堀川監督コメント
今日は素晴らしいスタジアム、環境の中を用意してくださった長野県協会に感謝申し上げます。そして80分間、本当に素晴らしいラグビーを展開していただいた両チームの選手達に心から敬意を表したいと思います。ヤマハとして、もう1トライでボーナスポイント、1ポイントでもいいからポイントが欲しかったので、結果は残念で悔やまれます。しかし、前半、後半にあげたトライは、トヨタさんをしっかりと分析し、立てたストラクチャーで取れたもの。そういったところを自信として次の東芝戦に向けいい準備をしていきたいと思います。
初先発の西選手と屋宜選手ですが、2人も素晴らしいプレーをしたと思います。西選手は素晴らしいタックルを見せてくれました。そしてラインアウトを含めセットプレーの安定を築いてくれたと思います。屋宜選手は持ち前のフィジカルの強さでボールをキープできたし、積極的なカンウターアタックもしてくれました。今季のヤマハとしてはトップリーグを戦い抜く戦力が増えていることについて、とても喜ばしいことだと思っています。