長期ビジョン
長期ビジョンについてご説明いたします。
2030年に向けて当社が掲げている「ART for Human Possibilities」という長期ビジョンの成り立ちについて、創業以来の普遍的な価値観である「生活を楽しむ」「感動」というキーワードをもとに紐解いていきます。
創業者の想い「生活を楽しむことを拡げたい」
創業者である川上源一は1954年、業界最後発メーカーとしてオートバイ業界に進出。わずか10ヵ月で第1号機「YA-1」を開発しました。当時のオートバイは人々にとって仕事道具・移動手段であり、黒一色が主流だった中で、マルーンとアイボリーというモダンなツートンカラーを採用。これが後の「デザインのヤマハ」の原点となります。翌年ヤマハ発動機を設立し、その後マリンレジャー等に進出し事業の多角化・グローバル化を推進。現在のヤマハ発動機の基盤をつくりました。
そんな川上の心にはいつも「生活を楽しむことを拡げたい」という想いがありました。海外視察の際に、人々がさまざまなレジャーで余暇を楽しむ姿に接した川上は、戦後の混乱から立ちあがろうとしていた日本でもいつかはこうした生活を楽しむことを広げなければいけない。それには自らそれを楽しみ、その楽しさの本質を知って伝えることだと考えていたのです。
企業目的「感動創造企業」
1990年、当社はその存在意義を「感動創造企業」という言葉で再定義しました。お客様が、社会が、ヤマハブランドに期待していることは、心が動く、心がときめく、素敵な感動を味わいたいということではないかと考え、世界の人々に新たな感動と豊かな生活を提供する「感動創造企業」を企業目的として設定しました。
人間の新たな可能性への提案「ART for Human Possibilities」
2018年、当社は「ART for Human Possibilities」という長期ビジョンを掲げ、2030年に向けた成長戦略を立案しました。「ART」とは、太古の昔から繰り返されてきた人間性探究の営みであり、人間の新たな可能性に対する提案作業です。生活を楽しむことに挑戦する人は、「自分はどんな時に楽しいと感じるのか?」「飽きずにできることは何か?」「自分とは何か?」といった、自分という人間性を探究することになります。このプロセスにおいて、自分という人間性の発露が起きた時の喜び・情動を「感動」と規定。この感動体験をした人は謎の勇気を手にいれ、次の挑戦へのモチベーションが沸き、自分でも気づいていなかった新たな可能性に出会っていきます。この「ART for Human Possibilitiesサイクル」が個人の生活の中で繰り返されることで、人生が楽しく豊かになっていく。またそのような人が世界中に増えていくことで、当社との関係性を楽しむお客様も増えていく、というのが、長期ビジョンの基本的な考え方です。そのためにも当社には、人間性に根差した価値観とテクノロジーが求められます。「ART for Human Possibilities」という本質的な概念をビジョンとして掲げ、創業以来の普遍的な価値観である「生活を楽しむ」「感動」を目指して、ヤマハ発動機は挑戦し続けます。
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