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モトクロス競技用 「YZシリーズ」 2026年モデルを発売~期間限定でヤマハ発動機創立70周年記念モデルも発売~

2025年6月25日発表

 ヤマハ発動機販売株式会社は、モトクロス競技用YZシリーズの2026年モデル7機種を9月25日に発売します。また「YZ250F」「YZ125」については、ヤマハ発動機創立70周年を記念する特別仕様車「70th Anniversary Edition」を10月23日に発売します*¹。価格は2025年モデルから据え置きです(特別仕様車除く)

 3年ぶりのモデルチェンジとなる「YZ450F」の主な新しい特徴は、1)従来からの高速域でのパワフルさはそのままに低中速域での扱いやすさも両立した新エンジン、2)上質な操作フィーリングを実現した油圧クラッチ、3)剛性を適正化し、より穏やかなフィーリングをもたらす新フレーム、4)性能向上とセッティング幅拡大を両立した新作リアサスペンション(手回し圧減衰アジャスター装備)、5)盗難抑制に寄与するECUロック機能を市販オフロード競技用モデルとして初搭載*²、6)加速時のホールド感を高める新シート表皮などです。

 また「YZ125」は、吸気系まわりを見直してより幅広いシチュエーションで高いパフォーマンスを発揮するとともに、キャブレターセッティングをより容易にし、ハイパフォーマンスと扱いやすさの両面を高めました。

 なおいずれのモデルも、従来からの水平基調のデザインをさらに進化させ、スピード感と安定感をアピールしつつ、艶やかな生命感を感じさせるヤマハらしいデザイン性を継承。またシュラウドに配されたビッグロゴは、力強さと個性、そして存在感を表現しています。

※1 本製品は「ヤマハオフロードコンペティションモデル正規取扱店」にて、2025年6月25日から12月22日まで(「70th Anniversary Edition」は7月31日まで、YZ250とYZ125は11月30日まで)の期間限定で予約の受付を行います。予約が生産計画を上回る場合は、予約受付期間終了を待たずに受付を終了する場合があります。 ※2 ヤマハ発動機調べ。2025年5月現在。

「YZ450F」

「YZ250F 70th Anniversary Edition」

「YZ125」
※画像はCG合成によるイメージで、国内モデルとカラーおよび仕様が一部異なる場合があります。


オフロード競技用モデル 製品サイト: https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/#offroad-competition-lineup/new window


【「YZ450F」の新しい特徴】
1)低中速域での扱いやすさと、高速域でのパワフルさを両立した新エンジン
 パワフルなエンジン特性はそのままにスロットル操作に対してリニアに反応し、より扱いやすい特性とするため吸気系を見直しました。吸気ポートは長円に近い断面形状へと変更することで、流量を確保。同時に壁面形状も調整し、燃焼室内のタンブル(縦渦)を強化しました。これにより高速域でのパワーフィーリングは維持しつつ、3,000~5,000r/minでのトルク特性を向上。また低~中速域での燃焼効率を高めています。

2)上質な操作フィーリングを実現する油圧クラッチを新採用
 従来型のワイヤー式クラッチに替えて、新たに油圧式クラッチを採用しました。連続走行でもミートポイントが変化せず、レース中の調整が不要で、ライダーの負担を軽減します。今回の採用にあたっては、ミートポイントの分かりやすさや自然なタッチを重視し、クラッチスプリングの荷重を高めながらも、スプリング特性を最適化することで、レバー操作荷重を軽減。半クラッチのスムーズさ、そして滑らかなつながり感を実現し、上質な操作フィーリングをもたらしています。
 入力系では、専用開発のレバー、自己潤滑性を持つ樹脂カラーを採用。伝達系では、プッシュロッドの安定化を図るためミッション軸へブッシュを追加、ハウジングスプリングのシート径を拡大しました。加えて、プレートへの給油孔を従来型の並列配列から千鳥配列に変更し、広範囲への給油が可能な構造とすることで、安定したクラッチ性能を発揮しています。

3)剛性を適正化し、より穏やかなフィーリングをもたらす新フレーム
 「YZ450F」の持ち味であるスタビリティとコーナリング性の高さを継承しながら、コンフォート感と接地感を高め、より穏やかなフィーリングをもたらすべく、車体まわりを新設計しました。
 新フレームは、従来比でダウンチューブをスリム化し、内側形状も刷新。エンジン懸架は新フレームに最適な左右非対称形状を選定し、フレームのねじれ挙動を調整しています。
 これらにより、縦・横・ねじれの各剛性は現行と同等としながらも、路面からの突き上げに対する剛性を現行比で抑制。最適なバランスを取ることにより、走行時のノイズになり得る過剛性感を軽減し、より穏やかで安定感の高いフロントエンドフィーリングを実現しました。

4)性能向上とセッティング幅拡大を両立した新作リアサスペンション
 新フレーム採用に合わせて、前後サスペンションに専用セッティングを施しました。
 なかでも新開発のリアサスペンションは、低速域から高速域まで、より滑らかに推移する減衰力特性としています。手回し可能な圧側減衰アジャスター(クリックダイヤル)を追加し、より容易なセッティング変更が可能です。
 低速領域の圧側減衰力の発生を司るベースバルブは、ピストンサイズをφ24mmからφ28mmへ大径化。ピストンはオイル通路を従来の伸圧共通から伸圧分離ポート方式へと変更。これにより極低速域での減衰力抜けを解消し、小さな入力に対しても十分な減衰力を発生、安定感を高めると同時に、減衰力セッティングの幅を広げています。
 また、中~高速領域の伸圧減衰力発生を司るメインバルブは、ピストンを従来の伸圧各4ポート型から伸圧各6ポート型へ変更。バルブの負荷が緩和されることで、よりハードな使用でも耐えられるようになり、減衰力セッティングの限界値を向上しました。

5)盗難抑制に寄与するECUロック機能を新採用
 盗難抑制に寄与するECUロック機能を市販オフロード競技用モデルとして初搭載しました。専用アプリ「パワーチューナー」によるエンジンチューニングの容易化は従来からの特徴ですが、今回新たに「パワーチューナー」内でのパスワード管理によって、ECUのロック/アンロックの設定が可能となりました。ECUをロックするとエンジンを始動できなくなり、車両盗難抑制効果を発揮します。

6)加速時のホールド感を高める新シート表皮
 シボの形状と深さを一新し、ハニカム調のデザインに仕上げたシート表皮を新作しました。突起部分の断面形状に方向性を持たせることで、前方向への動きを妨げず、後ろ方向にはズレにくくなっています。これにより、コーナー進入時のアクションの自由度は損なうことなく、加速時(着座時)にはホールド性の高さを発揮します。


【「YZ125」の新しい特徴】
 今回の「YZ125」は「思いのままに走れるマシン」「2ストロークエンジンの可能性を拡大するためキャブレターセッティングをより容易に」「コーナー脱出の速さと扱いやすさの両立」を目指し、キャブレターセッティングの見直しを中心に開発を進めました。

1)ジェットニードルのテーパー形状変更
 キャブレターへの燃料供給量を調整するジェットニードルを変更しました。従来型は4段階だったテーパー角を2段階で変化する仕様とし、スロットル開度の大小に関わらずバランスのよい燃料供給を実現。安定したパワーデリバリーをもたらします。

2)ジェット類の変更と油面の適正化
 メインジェット、パイロットジェット、パワージェットを変更し、適切な燃料流量を実現しました。パイロットジェットの変更はアイドリング~低回転域にて、パワージェットの変更は低・中回転域において燃料流量の適正化に寄与。アイドリングから高回転域に至るまで、優れたスロットルレスポンスと扱いやすさを両立しています。また、フロートチャンバーの油面も従来型プラス1mmで適正化。これらの相乗効果により、エンジンのドライバビリティを向上しました。特に低回転域から高回転域まで幅広い回転域を多用するコーナー立ち上がりにおいて、よりスムーズなライディングを可能にします。

3)点火タイミングの変更
 点火タイミングを見直し、より細かくセッティングし直しました。低回転域から高回転域に至るまで、ライダーのスロットル操作に対してリニアに反応するエンジン特性をもたらしています。

4)エアフィルターまわりの形状変更
 キャブレターとのマッチングを高め、空気をよりスムーズにキャブレターへと導入するために、エアフィルタージョイントの形状を変更し、つながりを滑らかにしました。加えてエアフィルターケースへのエアインテークの形状も変更して拡大。これらにより、あらゆるスロットル操作において空気をスムーズに導入し、安定したキャブレターセッティング及び、エンジン特性を発揮します。


【「YZ250F」の新しい特徴】
 ECUセッティングを最適化するともに、エンジンセッティングの容易化を図るパワーチューナーのアプリをバージョンアップ。トラクションコントロールシステムの介入度合いを従来の3段階から4段階(OFF含む)へと変更し、より細やかなセッティングが可能になりました。
 また、YZ450F同様に、盗難抑制に寄与するECUロック機能や、加速時のホールド感を高める新シート表皮を採用しています(70th Anniversary Edition含む)。


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