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インドネシアにおけるマングローブ植林プロジェクトを開始~持続可能な森林経営・生態系保全により、美しい海を未来へ残す~

2024年7月16日発表

 ヤマハ発動機株式会社は、このたび、インドネシア共和国における独自のマングローブ植林手法を展開する、ワイエルフォレスト株式会社(福岡市、以下「YLF」)と業務委託契約を締結しました。今後、YLF社への資金提供を通じて、同国南スラウェシ州におけるマングローブの植林プロジェクトを開始します。

 当社とYLF社の契約は、生物多様性への貢献、カーボンニュートラルへの貢献、海洋汚染防止を目的として、3年間にわたってシルボ-フィッシャリー型マングローブ植林の業務を委託するものです。今後、YLF社を通じて、215ha(約37万本相当)の植林活動を行い、その維持整備も行います。

 YLF社は、独自のマングローブ植林手法である「シルボ-フィッシャリー」を用いた植林事業を行っています。シルボ-フィッシャリーは、「Silviculture(造林)」と「Fishery(漁業)」を組み合わせた造語であり、マングローブの森づくりと水産養殖再生の両方の便益を創出する方法です。この組み合わせにより、持続可能な森林経営の実現と、自然共生型で持続可能な水産養殖による地元住民の生計向上に寄与することができます。また、マングローブ林は地中の炭素蓄積量が多く、ブルーカーボン*の視点からも重要な吸収源となります。

 当社マリン事業では、長期ビジョン4つの項目の1つとして「今日よりもっと素晴らしい海を、未来へ贈る」という目標を掲げています。マリン業界のリーディングカンパニーとして、この目標実現に向け、今後も美しい海を残す活動へ取り組み続けます。

※沿岸・海洋生態系に取り込まれ、そのバイオマスやその下の土壌に蓄積される炭素のこと
参考:シルボ-フィッシャリー型植林イメージ
(写真提供:ワイエルフォレスト株式会社)

【シルボ-フィッシャリー型植林】
 「シルボ-フィッシャリー」を活用した森づくりとは、インドネシア共和国内にある、放棄された養殖池跡地または生産性が低下した養殖池に、マングローブを下図のように中央に植林し、その周りの水路でエビや魚を養殖しながら、持続可能な森林経営・水産業支援を行う方法です。
 持続可能な森林経営・水産業支援が可能な理由は、植林したマングローブが水面(水路)に落とす葉にプランクトンが集まり、それがエビや魚の餌となるため、環境負荷の低減が可能となります。また、実際に池を管理している地元住民においても、飼料や投薬が不要のためコスト削減に繋がり、水産養殖を持続しやすいことが挙げられます。このように、水産養殖持続のためにはマングローブ林が無くてはならない存在=共存の関係にあり、森林が守られることで地球温暖化に貢献しながら水産養殖で地元住民の生計向上にも貢献する仕組みとなっています。
シルボ-フィッシャリー型植林概略イメージ図
(図提供:ワイエルフォレスト株式会社)
シルボ-フィッシャリー型植林マルチベネフィット図
(図提供:ワイエルフォレスト株式会社)

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