スーパースポーツ「YZF-R1M」「YZF-R1」を発売 ~サーキットを征する走行性能を追求したフラッグシップモデル~
2020年5月28日発表
ヤマハ発動機株式会社は、クロスプレーン型クランクシャフト採用の水冷・4ストローク・DOHC・直列4気筒・4バルブ・997cm3エンジンを搭載したスーパースポーツ「YZF-R1M」および「YZF-R1」を8月20日に発売※します。
「YZF-R1」は、1998年の販売開始からスーパースポーツ市場を牽引してきた当社モーターサイクルのフラッグシップモデルで、当社の技術の粋を投入しサーキットを征する性能を照準に開発しました。
主な特長は、1)サーキット性能に磨きを掛けたクロスプレーンエンジン、2)APSG(アクセル開度センサーグリップ)を織り込んだYCC-T(電子制御スロットル)、3)伝わりやすい“接地感”を主眼にセッティングした前後サスペンション、4)EBM(エンジンブレーキマネジメント)とBC(ブレーキコントロール)を加え、全てを見直した電子制御システム、5)エアロダイナミクス特性を高めた新設計のカウリング、6)次世代“R”デザインを主張するLEDデュアルヘッドランプ&新作ポジションランプなどです。
上級モデルの「YZF-R1M」は、オーリンズ社製電子制御サスペンションやアルミにバフがけを施したタンクやリアアームに加え、新たにカーボン素材の軽量カウルを採用しています。
※ 本モデルは、2020年より順次リニューアルを進めているYSPおよびアドバンスディーラーのみで販売する「ヤマハモーターサイクル エクスクルーシブモデル」です。2020年5月28日から9月30日までの期間限定で予約の受付を行います。ご予約・ご購入につきましては当社Webサイト掲載の取扱店までお問合せください。
※ YZF-R1Mに関しては、生産計画を上回る場合は期間を待たずに予約受付を終了する場合がございます。
■「ヤマハモーターサイクル エクスクルーシブモデル」取扱店
https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/yzf-r1/
名称 | 発売日 | メーカー希望小売価格 | 販売計画 |
---|---|---|---|
YZF-R1M ABS
・ブルーイッシュホワイトメタリック2(カーボン) |
2020年8月20日 | 3,190,000円
(本体価格2,900,000円/消費税290,000円) |
400台 (年間、国内) |
YZF-R1 ABS
・ディープパープリッシュブルーメタリックC(ブルー) ・ブラックメタリックX(ブラック) |
2,365,000円
(本体価格2,150,000円/消費税215,000円) |
主な特徴
1)サーキット性能に磨きを掛けたクロスプレーンエンジン
Ⅰ) “リニアリティとトルク感”向上を目標にした燃焼系
最高出力200PSを発揮するエンジンは、環境規制に適合しつつ、クロスプレーンの“リニアリティとトルク感”向上を目標に開発しました。スロットルバルブと燃焼室を近づけるために新作したシリンダーヘッドとバルブ傘裏狙いの斜流噴射のインジェクターを搭載。これらによって、低~中回転域の燃焼速度を最適化し、スロットルの開け始めからのリニアリティ感を向上するとともに、トルク感のあるエンジン特性に仕上げました。
なお、高回転域ではセカンダリーインジェクターからの噴射が加わり良好な燃焼に貢献します。
Ⅱ)信頼性に優れたフィンガーロッカーアームを採用した動弁系
フィンガーロッカーアーム式バルブシステムを採用しました。アーム形状を見直し、高回転域でのバルブ挙動特性を向上。レースユースでのさらなる高回転化を見据えた限界性能の底上げも果たしています。
Ⅲ)馬力ロスの低減に貢献する潤滑系
高回転域での油圧低下を防ぎ、オイル撹拌(かくはん)によるロス馬力低減を図るため、各コンロッド大端部へのオイル供給は、“センター給油方式”を採用しています。コンロッド大端、クランクジャーナル、ピストンクーラーへのオイル供給量の最適化を図り、高回転域でのクランクケース内のオイル攪拌による馬力ロスを低減しています。
2)APSG(アクセル開度センサーグリップ)を織り込んだYCC-T(電子制御スロットル)
スロットルバルブ駆動を電子制御するYCC-Tは、アクセル操作をスロットルケーブルで伝達する機械式ではなく、電子式APSGを採用。軽量化と優れた操作感を実現しています。
3)伝わりやすい“接地感”を主眼にセッティングした前後サスペンション
エンジン特性に合わせて前後サスペンションのセッティングを最適化しました。フロントサスペンションは、路面を掴む感触がライダーに伝わるような接地感をもつことで、ダイレクトかつ素直なハンドリングと軽快感に貢献します。
また、「YZF-R1M」は、前後サスペンションを統合制御するERS(エレクトロニックレーシングサスペンション)に加え、フロントサスペンションにはガスシリンダーを搭載。ガスによる加圧によりキャビテ―ションを抑制し、減衰力の安定に貢献します。
4)EBM(エンジンブレーキマネジメント)とBC(ブレーキコントロール)を加えた電子制御システム)
従来モデル※に搭載されていた電子制御システムを全て見直し、ライダーの好みや走行状況に応じた走行支援のため、EBM(エンジンブレーキマネジメント)とBC(ブレーキコントロール)の2種の制御システムを追加しました。個々の制御システムが相互に連動してライディングを支援し、マシンの潜在能力を効率よく引き出します。なお、制御システムに合わせ、TFT液晶4.2インチメーターの表示機能を変更。YRC(ヤマハライドコントロール)モード選択など、ライダーの好みを反映できるようになっています。
※ 海外仕様2019年モデル
5)エアロダイナミクス特性を高めた新設計のカウリング
優れた空力特性を実現するカウル形状を採用。上体を伏せた姿勢でライダーがカウルの中におさまるよう走行風の流れをコントロールすることで、エアロダイナミクス特性を高めました。
6)次世代“R”デザインを主張するLEDデュアルヘッドランプ&新作ポジションランプ
軽量コンパクトな新型LEDデュアルヘッドランプ採用しました。Low/Highビームとも照射特性を最適化し、特にLowビーム時の照射性(照射範囲)が大きく向上。さらに厚肉レンズを採用した新デザインのポジションランプにより、外観品質を大幅に向上させました。
「YZF-R1M」主要仕様諸元 【 】内は「YZF-R1」
認定型式/原動機打刻型式 | 8BL-RN65J/N534E | |
---|---|---|
全長×全幅×全高 | 2,055mm×690mm×1,165mm | |
シート高 | 860mm【855mm】 | |
軸間距離 | 1,405mm | |
最低地上高 | 130mm | |
車両重量 | 202kg 【201kg】 | |
燃料消費率*1 | 国土交通省届出値 定地燃費値*2 |
21.6km/L(60km/h) 2名乗車時 |
WMTCモード値(クラス)*3 | 15.2km/L(クラス3, サブクラス3-2) 1名乗車時 | |
原動機種類 | 水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ | |
気筒数配列 | 直列4気筒 | |
総排気量 | 997cm3 | |
内径×行程 | 79.0mm x 50.9mm | |
圧縮比 | 13.0:1 | |
最高出力 | 147kW (200PS) / 13,500r/min | |
最大トルク | 113N・m (11.5kgf・m) /11,500r/min | |
始動方式 | セルフ式 | |
潤滑方式 | ウエットサンプ | |
エンジンオイル容量 | 4.90L | |
燃料タンク容量 | 17L(「無鉛プレミアムガソリン」指定) | |
燃料供給方式 | フューエルインジェクション | |
点火方式 | TCI(トランジスタ式) | |
バッテリー容量/型式 | 12V,6.0Ah(10HR)/YTZ7S(F) | |
1次減速比/2次減速比 | 1.634(67/41)/2.562(41/16) | |
クラッチ形式 | 湿式,多板 | |
変速装置/変速方式 | 常時噛合式6速/リターン式 | |
変速比 | 1速 2.600/2速 2.176/3速 1.842/ 4速 1.578/5速 1.380/6速 1.250 | |
フレーム形式 | ダイヤモンド | |
キャスター/トレール | 24°00′/102mm | |
タイヤサイズ(前/後) | 120/70ZR17M/C 58W / 200/55ZR17M/C 78W(前後チューブレス) 【120/70ZR17M/C 58W / 190/55ZR17M/C 75W(前後チューブレス)】 |
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制動装置形式(前/後) | 油圧式ダブルディスクブレーキ/油圧式シングルディスクブレーキ | |
懸架方式(前/後) | テレスコピック/スイングアーム(リンク式) | |
ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプ | LED/LED |
*1:燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
*2:定地燃費値は、車速一定で走行した実測の燃料消費率です。
*3:WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。