散布精度のさらなる向上を支援する“ターンアシスト機能“を搭載 産業用無人ヘリ「FAZER R」 2018年モデルを発売
2017年10月10日発表
ヤマハ発動機株式会社は、農業向けハイエンドモデルとなる産業用無人ヘリコプター「FAZER R(フェーザー・アール)」について、新たに “ターンアシスト機能”を標準搭載し、操作性と散布性能を高めた2018年モデルを12月1日から発売します。
“ターンアシスト機能”とは、散布スイッチのオン・オフ操作だけで、一定の散布間隔でのターンや等間隔での飛行ラインおよび飛行速度維持を行えるものです。個人の飛行技量によらず、散布精度のさらなる向上が可能になります。
2016年11月より発売の「FAZER R」は、クラス最大32L薬剤搭載が可能で、薬剤・燃料無補給で4haの散布能力を備えます。今回の2018年モデルは、基本性能を受け継ぎ、操縦簡素化と散布精度のさらなる向上を実現しています。
なお本モデルは、10月11日から13日まで幕張メッセで開催される「第4回国際次世代農業EXPO」に出展します。
【2018年モデルの特徴】
1) “ターンアシスト機能”による操縦簡素化と散布精度のさらなる向上
2) オペレーターの操縦負荷や疲労を低減
【従来からの特徴】
1) 出力に優れた水平対向2気筒・FIエンジン(20.6kW)
2) JAXAの技術指導を踏まえた3D翼形状のテールローター設計
(空力特性改善によりフライト時のエネルギーロスを低減)
3) 32L液剤散布用タンクの設定
4) 10波から選べる操縦用周波数(混線回避)
名称 | 発売日 | メーカー希望小売価格 | 販売計画 |
---|---|---|---|
「FAZER R」 | 2017年12月1日 | 12,852,000円
(本体11,900,000円、 消費税952,000円) |
140機 (年間、OEMを除く国内販売) |
【開発の狙いと効用】
”ターンアシスト機能”は、①散布精度のさらなる向上、②オペレーターの操縦負荷や疲労の低減をテーマに、産業用無人ヘリコプター(以下無人へり)の機能性向上をターゲットとして開発しました。GPSとジャイロで速度と距離を計算、一定の散布間隔でのターンや等間隔での飛行ラインおよび飛行速度維持を行えるものです。
無人ヘリを使っての薬剤散布では、オペレーターは散布幅を自分の歩幅で測りながら農道やあぜ道を移動、周囲の安全に配慮しつつ同時に操縦に集中する必要があります。また最大150m先で飛行する機体を目測とナビゲーターとの連携により、常に一定の散布間隔で平行移動させて散布精度を均一に保つには、熟練した飛行経験が必要でした。こうした現場での課題のソリューションとして実用化したのが今回の“ターンアシスト”機能です。
ターンアシスト機能の仕組み:オートクルーズで散布を開始し、圃場のエンドラインで散布スイッチをOFFにするとターンアシスト機能により機体が減速し、一定の間隔でターンし、もとのスピードまで加速するので、エンドラインにあわせて再び散布スイッチを押すだけでよい。 |
「FAZER R」主要仕様諸元
項目 | 諸元値 | |
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寸法・重量 | 全長×全幅×全高 | 3,665㎜×770㎜×1,078㎜ |
メインローター径 | 3,115㎜ | |
テールローター径 | 550㎜ | |
取扱重量※ | 71kg | |
原動機 | 原動機種類/気筒数配列 | 水冷・4ストローク・OHV・2バルブ/水平対向2気筒 |
総排気量/ボア・ストローク | 390cm3/66.0㎜×57.0㎜ | |
最高出力 | 20.6kW/6,000r/min | |
燃料種類/燃料タンク容量 | レギュラーガソリン/5.8L | |
性能他 | 積載重量 | 32kg/標高約300m・30℃ (24kg/標高約1,000m・30℃) |
フレーム方式 | 多台形カーボンフレーム | |
制御システム | YACSⅡ(YAMAHA Attitude Control System-Cruise Control) | |
操縦用周波数 | 73MHz 10波 |
※取扱重量とは、オイル・燃料満タンの機体に散布装置本体(散布タンクは含まず)を取り付けた状態での重量です。