ダイレクトな駆動力を得られるクロスプレーン型クランクシャフト採用のスポーツモデル MTシリーズの最高峰「MT-10」「MT-10SP」を発売
2017年3月10日発表
ヤマハ発動機株式会社は、クロスプレーン型クランクシャフトを備えた997cm3水冷・直列4気筒エンジンを搭載したスポーツモデル「MT-10」および上級モデルの「MT-10SP」を5月16日から発売します。
「MT-10」は、MTシリーズの最高峰モデルとして"Ultimate Synchronized perfomance bike"をコンセプトに開発、"意のままに操れるストリート最強のスポーツ性能"と"多用途で楽しめる機能"を集約させたモデルとなっています。
主な特徴は、1) クロスプレーン型クランクシャフト採用によりスロットル操作に対してダイレクトな駆動力が感じられる水冷直列4気筒997cm3エンジンの搭載、2) アルミ製デルタボックスフレームや1,400mmのショートホイールベースの採用などによる1,000ccクラスと思わせない軽快な走行性能、3) クルーズコントロールシステム、D-MODE※1、TCS※2、QSS※3などの電子制御システムによる充実した機能、4) 力強いエンジンの存在感とパワーフローを強調したサイドビューなどMTシリーズ最高峰モデルにふさわしいスタイリングなどです。
上級モデルの「MT-10SP」には、OHLINS製電子制御サスペンション、フルカラーTFT液晶メーターなどを装備。カラーリングでは「YZF-R1M」とリレーションした「MT-10SP」専用カラーも設定しました。
※1 D-MODE: 電子制御により、3つの走行モードが選択可能な走行モード切替システム
※2 TCS: トラクション・コントロール・システム
※3 QSS: クイック・シフト・システム
名称 | 発売日 | メーカー希望小売価格 | 販売計画 |
---|---|---|---|
「MTN1000」(MT-10) ・ブルーイッシュグレーソリッド4(グレー) ・ディープパープリッシュブルーメタリックC(ブルー) ・マットダークグレーメタリック6(マットグレー) |
2017年5月16日 | 1,674,000円 (本体価格1,550,000円/消費税124,000円) |
1,200台 (年間、国内) |
「MTN1000D」(MT-10SP)
・ブルーイッシュホワイトメタリック2(シルバー) |
1,998,000円 (本体価格1,850,000円/消費税148,000円) |
※メーカー希望小売価格(リサイクル費用含む)には、保険料、税金(除く消費税)、登録などに伴う諸費用は含まれていません。
企画の狙い
ヤマハMTシリーズは、"Torque×Agile"をコンセプトとして俊敏な走りと独創的なスタイルで人気のシリーズとなっております。今回の「MT-10」はこの"MTシリーズ"の最高峰モデルとして1,000ccクラスのパワー・トルク感と存在感を具現化し、MTシリーズからのステップアップを望む声や、1,000ccクラスのネイキッドから代替を望むニーズに呼応します。
「MT-10」「MT-10SP」の主な特徴
1) スロットル操作に対してダイレクトな駆動力が感じられる水冷直列4気筒997cm3エンジン
クリアなトルク感とリニアリティーを備えるクロスプレーン型クランクシャフトの水冷直列4気筒997 cm3エンジンを搭載しました。ストリート走行に適したトルク特性を得るために、吸排気系・動弁系・燃料供給系などに最適スペックを投入、多用する常用域で優れた後輪駆動力を引き出します。また優れたドライバビリティを引き出すためセッティングを煮詰め、気筒毎のシーケンシャル噴射で吸気ポートや燃焼室などに適合する噴射マップとしています。
2) アルミ製フレーム、ショートホイールベースの採用などによる軽快な走行性能
最新※の「YZF-R1」(欧州仕様)のアルミ製デルタボックスフレームをベースに、強度・剛性バランスをチューニングしたフレームを採用しています。高次元なスタビリティとハンドリング、軽量コンパクトといった「YZF-R1」の持ち味を引継ぎながら、ボディ部品の約60%を本モデル用に変更。そのうえで1,400mmのショートホイールベースを採用し幅広いシーンで思い通りのラインを走れる軽快なハンドリングを実現しました。
※2017年3月現在
3) さまざまなシーンに適したライディングポジション
MTシリーズのコンセプトである"Torque×Agile"を体現するためシート、タンク形状、フットレスト位置、ハンドルなどのバランスを最適化しました。とくにタンク・シート・フットレストの相互関係は下半身による良好なマシンホールド性に貢献、また強力なパワーをコントロールし易いようにシートにはシートストッパーを採用。幅広いシーンに対応したライディングポジションをとることが可能となっています。
4) 電子制御システムによる充実した機能
様々な電子制御システムにより多様な走行シーンを支援します。TCSは、発進や走行時に後輪スピン傾向が検知されるとスロットル開度・点火時期・燃料系を統合制御して走行性を支援する装備です。クルーズコントロールシステムは、一定速度での巡航が可能でロングツーリングを支援、4~6速で50km/h~100km/h走行時にセットできます。さらに3つのモードを選択できる走行モード切替システム「D-MODE」、シフトアップ操作をサポートするQSSなどを採用しました。「MT-10SP」では、走行モードを自在に選択出来る「YRC(ヤマハ・ライド・コントロール)」も装備しています。
5) "The King of MT"コンセプトによるスタイリングとカラーリング
デザインコンセプトに掲げた"The King of MT"にふさわしい独自のスタイリングとしました。エンジン・タンク周辺部分に、MTシリーズのアイコンである吸気から燃焼、排気というパワーフローを印象づけるダクト形状をデザインに織り込み、力強いエンジンの存在感を強調しています。前に突き出したヘッドライトステーとコンパクトなLEDユニットを組み合せ、フロントフォークとの隙間をもたせることで俊敏な走りを表現しています。また、MTシリーズのフラッグシップらしい高品質かつ、それぞれが強い個性をもったカラーリングとしました。
6) その他の特徴
■レバー操作荷重低減、バックトルク発生時の車体挙動緩和を図るA&S(アシスト&スリッパー)クラッチ■排気効率とマス集中化を図る4・2・1 ミッドシップマフラー■専用セッティングを施した前後サスペンション■DC電源■様々な情報を表示するフルカラーTFT液晶(SP)■OHLINS製電子制御サスペンション(SP)など
「MTN1000」(MT-10) 「MTN1000D」(MT-10SP) 主要仕様諸元
認定型式/原動機打刻型式 | 2BL-RN50J/N533E | |
---|---|---|
全長×全幅×全高 | 2,095mm×800mm×1,110mm | |
シート高 | 825mm | |
軸間距離 | 1,400mm | |
最低地上高 | 130mm | |
車両重量 | 210kg (MT-10), 212kg (MT-10SP) | |
燃料消費率*1 | 国土交通省届出値 60km/h定地燃費値*2 |
23.4km/L 2名乗車時 |
WMTCモード値(クラス)*3 | 14.0km/L(クラス3 サブクラス3-2) 1名乗車時 | |
原動機種類 | 水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ | |
気筒数配列 | 直列4気筒 | |
総排気量 | 997cm3 | |
内径×行程 | 79.0×50.9mm | |
圧縮比 | 12.0:1 | |
最高出力 | 118kW(160PS)/11,500r/min | |
最大トルク | 111 N・m(11.3kgf・m)/9,000r/min | |
始動方式 | セルフ式 | |
潤滑方式 | ウェットサンプ | |
エンジンオイル容量 | 4.9L | |
燃料タンク容量 | 17L(無鉛プレミアムガソリン指定) | |
燃料供給方式 | フューエルインジェクション | |
点火方式 | TCI(トランジスタ式) | |
バッテリー容量/型式 | 12V,8.6Ah(10HR)/YTZ10S | |
1次減速比/2次減速比 | 1.634(67/41)/2.687(43/16) | |
クラッチ形式 | 湿式,多板 | |
変速装置/変速方法 | 常時噛合式6速/リターン式 | |
変速比 | 1速 2.600/2速 2.176/3速 1.842/4速 1.578/5速 1.380/6速 1.250 | |
フレーム形式 | ダイヤモンド | |
キャスター/トレール | 24°00’/102mm | |
タイヤサイズ(前/後) | 120/70ZR17M/C(58W)/190/55ZR17M/C(75W) (前後チューブレス) | |
制動装置形式(前/後) | 油圧式ダブルディスクブレーキ/油圧式シングルディスクブレーキ | |
懸架方式(前/後) | テレスコピック/スイングアーム(リンク式) | |
ヘッドライトバルブ種類/ヘッドランプ | LED/LED×2 |
※1:燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
※2:定地燃費値は、車速一定で走行した実測の燃料消費率です。
※3:WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。