3次元検査タクトを従来比約25%高速化したハイエンド・ハイブリッド光学式外観検査装置　「YSi-V 12M TypeHS」新発売

2016年1月7日発表

　ヤマハ発動機株式会社は、高速・高解像2次元検査、高さ・傾斜面3次元検査、4方向斜め画像検査を1台^※1で可能にするハイエンド・ハイブリッド光学式外観検査装置「YSi-V」の3次元検査（オプション）をさらに高速化する仕様を追加し、「YSi-V 12M TypeHS」として2016年4月1日より発売します。これにより「YSi-V」の3次元検査装置は全部で6タイプとなり、多様な生産基板に合わせて最適な仕様の選択が可能になります。

　「YSi-V 12M TypeHS」は、視野全域の高さを一括で3次元撮像する高速プロジェクタの応答性を高めるとともに画像処理能力を向上させ、3次元検査タクトを従来の高速タイプである「YSi-V 12M TypeS」比約25％高速化しました。
　また、不良品発生源の情報を蓄積・解析することで設計上の問題点や工程改善に活用できる検査履歴管理ソフト「iProDB」も開発、「YSi-V」をお使いのお客さまに無償提供します。

　なお「YSi-V 12M TypeHS」は、2016年1月13日から15日まで東京ビッグサイト（東京都江東区有明）で開催されるエレクトロニクス製造・実装技術関連の展示会「第45回 インターネプコン ジャパン」に出展します。

※1：一部オプション

市場背景と製品の概要

　電子基板の信頼性は最終製品の市場価値に直結するため、小型・高密度化の流れが加速している電子部品実装の現場においては、基板の信頼性確保のため、自動検査によるスピーディで正確な実装精度及びハンダ接合の品質検査が求められています。特に搭載部品の小型・高密度化が進むにつれ、部品の浮きや傾きなどの検出が可能な3次元による検査を求めるお客さまが増えており、同時に3次元検査対象部品の増加や実装ラインの生産性向上への対応の要求も高まっています。
　「YSi-V 12M TypeHS」は、このような3次元検査のニーズの高まりおよび検査高速化への要求に応え、検査タクトを従来比約25％高速化し、量産工場での全数インライン検査を強力に押し進める光学式外観検査装置です。今回、より高速な検査が可能なTypeHS仕様を追加することにより、これまで以上に多様な生産基板に合わせて全6タイプから最適な検査装置の選択が可能になります。

「YSi-V 12M TypeHS」の従来からの主な変更点

■3次元検査の高速化
　「YSi-V」が採用している光位相シフト法による3次元検査では、部品の浮きや傾き、基板と部品の色味が似ている、あるいはシルクやランドパターンが干渉して異物を抽出できないなど、2次元画像処理では難しいケースでも迅速に検出。また、高さに加えて対象物の傾斜勾配と方向検出ができ、形状の良否を判定できます。
　「YSi-V 12M TypeHS」では、この3次元検査の検査スピードに着目し、視野全域の高さを一括で撮像する4方向高速プロジェクタの応答性を高めるとともに画像処理能力を向上させ、3次元検査タクトを従来の「YSi-V 12MTypeS」比約25％と大幅に高速化しました。

検査履歴管理ソフト「iProDB」の主な特徴

　新開発の検査履歴管理ソフト「iProDB」は、実装設備のフルラインナップメーカーである当社のアドバンテージを活かして、実装ライン全体での品質向上とスムーズな運用をサポートします。

■検査結果のデータを蓄積・分析
　表面実装機・印刷機・検査装置などの全装置の状態を一覧で監視できます。また検査結果のデータを蓄積し、それをもとに今後の生産で起こりそうな問題の予兆を算出。基板設計上の問題点や工程改善への活用により、品質改善をサポートします。

「YSi-V」 基本仕様諸元