ステッピングモータ単軸ロボット TRANSERVOシリーズにラインナップ追加 TRANSERVOシリーズ 「SG07」 および専用ロボットポジショナ 「TS-SH」 新発売
2014年5月16日発表
ヤマハ発動機株式会社は、ステッピングモータを使用した単軸ロボット“TRANSERVO(トランサーボ)シリーズ”の新製品「SG07」と、TRANSERVO専用ロボットポジショナの「TS-SH」を開発し、2014年5月29日より発売します。
TRANSERVOシリーズはステッピングモータを使用し、コストパフォーマンスに優れた単軸ロボットです。今回発売する「SG07」は、既存機種と比べ可搬質量が最大12㎏から46㎏に大幅に向上しています。また、「TS-SH」はTRANSERVO専用ロボットポジショナとしては初となるアブソリュート仕様に対応しています。
生産設備に更なるコストパフォーマンスが要求されるなか、今回のラインナップ追加により重量物搬送やアブソリュート仕様が求められる場面でもTRANSERVOシリーズを選択できるようになります。
名称 | 価格 | 発売時期 | 販売計画 |
---|---|---|---|
SG07 | 52,000円(税抜き)※1 | 2014年5月29日 | 1,500台 (発売から1年間/国内外) |
TS-SH | 22,000円(税抜き) | 1,800台 (発売から1年間/国内外) |
- ※ 1
- ストローク50mm品の価格です。
市場背景と製品の概要
これまでの生産設備において、単純な2点間の位置決め動作は空気圧機器の使用が主流でした。しかし、電動機器の強みである多点位置決め、円滑な加減速運転、安定動作、省エネなどを理由に、空気圧機器に変わる単軸ロボットの需要が年々増加しています。同時に、主な需要地がアジアとなり、今後低価格化が進行していくことが予想されます。
今回のラインナップ追加により、拡大する市場に対し柔軟にお客様の期待に応える事が可能となり、従来の主要顧客である自動車、電気・電子業界に加えて、様々な業界での新規採用が期待できます。
製品の特徴
TRANSERVOシリーズ「SG07」
- ①
- TRANSERVOシリーズ、スライダタイプ最大の可搬質量46㎏を達成
56モータの採用とテーブルスライドの剛性向上により、可搬質量が大幅にアップしました。
- ②
- 最高速度最大30%アップ
TRANSERVOスライダタイプの既存機種と比べ最高速度が最大30%向上し、設備のタクトアップが期待できます。
- ③
- メンテナンス性の向上
ボルトを2本外すだけでモータユニットを簡単に取り外せる構造により、万が一モータ交換が必要となった場合も作業が容易で、生産ライン復旧までの時間短縮が見込めます。
- ④
- 位置検出器にレゾルバを採用し、耐環境性・高信頼性を実現
位置検出器には、上位機種でも採用しているレゾルバを使用しています。レゾルバは構造上、本体に外乱の影響を受けやすい電子部品を使用しておらず、自動車・航空機・医療など、信頼性を最も必要とされる分野で数多く採用されています。低価格でありながら、上位機種と同じ耐環境性、高信頼性を備えています。
TRANSERVO専用ロボットポジショナ「TS-SH」
- ①
- アブソリュート仕様により、原点復帰が不要
インクリメンタル仕様のロボットポジショナの場合、電源投入時に原点復帰の時間が必要です。一方、「TS-SH」でオプションのバッテリを追加すると原点復帰が不要になり、電源投入から設備稼動までの時間が短縮されます。
- ②
- モータ駆動回路のハイパワー化により大容量モータに対応
モータ駆動回路の改良により「SG07」用56モータの駆動が可能となり、既存の機種と比べ「SG07」では高速、高出力化を実現しました。
- ③
- 「直接位置決めコマンド」を追加
フィールドネットワークで用意しているリモートコマンドに、位置データ・速度データを直接指定し位置決め運転を行える「直接位置決めコマンド」を追加しました。これにより、データを一元管理でき制御をより簡単に行えます。
- ④
- ゲートウェイ機能を内蔵
「TS-SH」ではゲートウェイ機能の内蔵により、1台のみにネットワークボードを装着し専用のデイジーチェーン結線をするだけで、最大4台までフィールドネットワーク対応ができます。これにより、トータルでのコストダウンが可能になります。
基本仕様
TRANSERVOシリーズ 「SG07」
型式 | SG07 | |||
---|---|---|---|---|
モータ | 56ステッピングモータ | |||
分解能 | 20480パルス/回転 | |||
繰り返し位置決め精度 | ±0.02mm | |||
減速機構 | ボールネジφ12(C10級) | |||
ボールネジリード | 6mm | 12mm | 20mm | |
最高速度 | 350mm/sec | 800mm/sec | 1200mm/sec | |
最大可搬質量 | 水平使用時 | 46kg | 43kg | 36kg |
垂直使用時 | 20kg | 12kg | 4kg | |
最大押付力 | 225N | 100N | 60N | |
ストローク | 50~800mm(50mmピッチ) | |||
全長 | 水平使用時 | ストローク+288mm | ||
垂直使用時 | ストローク+328mm | |||
本体断面最大外形 | W65×H64mm | |||
ケーブル長 | 標準:1m/オプション:3,5,10m |
TRANSERVO専用ロボットポジショナ 「TS-SH」
型式 | TS-SH |
---|---|
制御対象ロボット | TRANSERVOシリーズ |
消費電流 | 定格3.5A(最大6.5A) |
外形寸法 | W30×H162×D125mm |
本体重量 | 約0.3kg |
入力電圧 | DC24V±10% |
制御方式 | クローズドループ ベクトル制御方式 |
位置検出方式 | 多回転アブソリュート機能付レゾルバ |
指令方式 | ポイント番号指定、直接位置決めコマンド |
外部インターフェース | NPN,PNP,CC-Link,DeviceNet,EtherNet/IP |
ポイント点数 | 255点 |
使用周囲温度・湿度 | 0~40℃、35~85%RH(結露なきこと) |