ヤマハ発動機と豊田通商によるカンボジアの新会社設立について

　ヤマハ発動機株式会社と豊田通商株式会社は、このたび、カンボジアでの二輪車事業の基盤構築を図るため、同国プノンペン市に二輪車製造・販売の新会社を設立し、10月1日から稼動します。

　この新会社は、名称をYamaha Motor Cambodia Co., Ltd.（ヤマハ・モーター・カンボジア／略称：YMKH）とし、ヤマハ発動機が70％、豊田通商が20％、カンボジアのKong Nuon Import & Export社が10％を出資して、資本金11,500,000USドル（約12億円）で8月31日に設立しました。

　カンボジアでは、2007年3月から豊田通商とKonｇ Nuon Import & Export社による合弁会社Asia Motors Co., Ltd.（略称：AMC）が、Thai Yamaha Motor Co., Ltd.からセミノックダウン^※の二輪車部品を輸入したうえで組立を行って販売しています。新会社のYMKHでは、このAMCの工場と販売網を継承して事業を開始するとともに、プノンペン経済特区に94,890m²の用地を確保し、新工場を建設します。
　2009年7月の稼動を目指した新工場ではノックダウン生産により、コストダウンとリードタイム短縮を図ります。
　なお、AMCはYMKHへの事業継承後の2008年9月末に解散を予定しています。

　ヤマハ発動機と豊田通商は、1989年、ケニアにおける輸入代理店事業を皮切りに、南太平洋やカザフスタン、ロシアでも販売代理店やディーラーとしてヤマハ発動機製品の販売を手掛けるなど、これまでに業務提携の実績があります。新会社YMKHにおいては、ヤマハ発動機の持つ生産・販売面での強みと豊田通商の持つ物流面での強み、さらには現地のKonｇ Nuon Import & Export社の販路構築面での相乗効果により、カンボジアでの事業基盤を構築します。なお、ヤマハ発動機と豊田通商が合弁事業（合弁会社設立）を行うのは今回が初めてとなります。

　カンボジアでは、好調な経済成長を背景に二輪車市場は拡大傾向にあり、2007年の年間需要は約13万台でした。引き続き安定した経済成長が見込めることや二輪車の購買層になり得る若年層の人口比率が高いことなどから、今後も市場は伸長し、2010年には25万台、2015年には50万台を超える見通しです。
　新会社では、魅力ある商品投入に加え、核店となるヤマハ直営店の展開や販売網整備、ブランド浸透などを展開し、新工場稼動後の2010年に3万台の二輪車販売と売上高42億円を計画しています。

　※セミノックダウンとは、ノックダウン生産において、一部加工した半製品を混じえて輸出入する方式です。