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ASEAN 5カ国・47名のライダーが熱戦を展開 YAMAHA ASEAN CUP RACE 2007 エキスパート/ノービス両クラスを制したインドネシアが2年連続3度目の総合優勝

2007年12月17日発表


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 ヤマハ発動機株式会社は、2007年12月15~16日の2日間にわたり、今年で5回目となるYAMAHA ASEAN CUP RACEをマレーシア・ペナン州の特設サーキット、Batu Kawanサーキット(全長1807.1m)にて開催。2日間の来場者数は延べ約3万人となった。

 今回、マレーシアにおける現地法人Hong Leong Yamaha Motor Sdn Bhdの協力の下で行われたYAMAHA ASEAN CUP RACEは、インドネシア、フィリピン、シンガポール、タイ、そしてマレーシアのASEAN5ヵ国の各国選手権を勝ち抜いた選りすぐりのライダーたちが集結。イコールコンディションが保たれたマシンでASEAN No.1ライダーを決定する大会となっている。
 “YAMAHA ASEAN CUP RACE 2007”では、参加各国で高い人気を有するT110(マレーシアにおける商品名:Lagenda 110Z)を競技車両とするノービスクラス、ヤマハ上級モペットT135(マレーシアにおける商品名:135LC)を競技車両とするよりハイレベルなエキスパートクラスの2クラスが行われた。

 決勝日の12月16日(日)は、両クラスともヒート1はドライ、ヒート2はウエットというコンディションの中で行われ、両クラスともチャンピオンを獲得したのは、インドネシアのライダーで、ノービスクラスはSigit. PD選手、エキスパートクラスはHokky Krisdianto選手となった。その結果、チームインドネシアが2年連続3回目の優勝を果たし、過去にYAMAHA ASEAN CUP RACEで勝利し、MotoGP世界選手権マレーシアGPにスポット参戦するなど、世界の舞台に挑戦しているドニ・タタ・プラディタ選手に続く、インドネシアライダーの強さを見せつけることとなった。

 なお、2008年のYAMAHA ASEAN CUP RACEは、タイで2度目の開催が決定している。


YAMAHA ASEAN CUP RACE 2007 レースダイジェスト

イメージ ペナン州の公共競技場、“STADIUM NEGERI PULAU PINANG”の大駐車場を利用して特設されたBatu Kawanサーキット。ペナン州の工業地帯に位置し、通常はサッカーなどの行われる競技場が、今回はモータースポーツの競演が繰り広げられる大舞台となった。
 多くのヤマハフラッグが翻るBatu Kawanサーキットは、全長1807.1m。14本の直線(最大258m)を15個のコーナーでつなぐテクニカルなレイアウトとなっている。前日の予選でエキスパートクラスのポールポジションを獲得した#57 Hokky Krisdianto選手(インドネシア)は、速度を落とすためのシケインが数ヶ所設けられたこのコースで、T135を絶妙にコントロールしながら1分19秒044、平均82.3km/hのハイスピードで駆け抜けた。

 12月16日(日)、朝の涼しく快適な気温の中、スリリングでエキサイトメントに溢れたBatu Kawanサーキットに、インドネシア、フィリピン、シンガポール、タイ、そしてマレーシアの5ヵ国から選び抜かれた精鋭ヤマハライダーたちが参集。熱き戦いを直前に控えたウォームアップ走行の始まりだ。ASEAN諸国でも屈指のライディングスキルを持つライダーたちは、10分間の走行セッションで、マシンの最終調整に集中した。

 歓迎ムードと興奮に満ちたオープニングセレモニーを経て、押しかけた観客がヒートアップするなか、決勝レースが始まった。レースは、ノービス10周×2ヒート、エキスパート12周×2ヒートと両クラスとも2ヒート制だ。両ヒートの順位を合わせることで各クラスのチャンピオンが決定するため、全ヒートにおいて真剣勝負が繰り広げられた。

 決勝レースの幕開けとなるノービスクラスヒート1、トップで第1コーナーに飛び込んだのは#53 Chanon Chumjai選手(タイ)。ポールポジションの#163 Sigit. PD選手(インドネシア)がその直後につけ、オープニングラップから後続を引き離してこの2名によるトップ争いが展開された。

イメージ 2周目、66mの第8ストレートエンドのシケイン進入でPD選手がトップを奪取すると、早くもレースを掌握し、そのまま優勝。Chumjai選手も、ただ1人1分20秒台のファステストラップをマークしながら猛追するが、わずか0.1秒及ばず2位となった。3位には安定した走りを見せた#120 Feizy Juniardit選手(インドネシア)が、4位にはスタートで出遅れながらも地元の意地を見せ追い上げた#16 Elly Idzliaikmal Ilias選手(マレーシア)がつけた。
 ヒート2は、強い雨に見舞われ、ウエットコンディションで争われた。スタートから飛び出したPD選手が他をまったく寄せ付けず、後続に4秒以上の差を付けて独走。両ヒートで完全優勝を果たし、ノービスクラス総合チャンピオンの座を獲得した。2位は悪天候下でも落ち着いた走りを見せた#10 Thitipong Warokorn選手(タイ)、3位にはヒート1より1ポジション上げた地元マレーシアのIlias選手が入り、表彰台を獲得した。

イメージ 晴天のもと行われたエキスパートクラスヒート1では、ASEAN No.1ライダー決定戦にふさわしいエキサイティングなレースが展開された。スタート直後から#77 Iswandi Muis選手、#57 Hokky Krisdianto選手の両インドネシアライダー、そして#16 Elly Idzlianizar Ilias選手(マレーシア)による激しいバトルが繰り広げられた。
 互いに一歩も譲ることなく、テールを滑らせながらコーナーに進入し、立ち上がりでフロントアップさせる熱い走りが延々と続く。その戦いを制して優勝したのは、Krisdianto選手だ。終盤まで2位を走行していたKrisdianto選手は、9周目にチームメイトのMuis選手をかわすと、1分17秒台というスーパーラップで後続を引き離し、勝利を勝ち取った。
 一時はMuis選手にわずかに引き離され、3位確定かと思われたIlias選手だったが、最終ラップに一瞬のスキをついてMuis選手の前に出ると、逃げ切って2位の座を射止め、地元マレーシアの国旗を表彰台に翻した。3位は、今回がYAMAHA ASEAN CUP RACE初出場の23歳、Muis選手。

イメージ 雨となったヒート2は、ホールショットを奪ったKrisdianto選手が首位の座をキープするが、2番手につけていた#92 Florianus Roy選手(インドネシア)が最終ラップにトップを奪うと、そのまま優勝を果たした。2位はKrisdianto選手で、チームインドネシアは1-2フィニッシュ。また、両ヒートの結果を総合し、Krisdianto選手がエキスパートクラスチャンピオンとなった。3位につけたのは地元Ilias選手。一時はかなりの追い上げを見せたが、表彰台の頂点には届かなかった。

 レース後は、Butterworth市街地の“SUNWAY HOTEL”に舞台を移し、フェアウェルパーティーが行われた。真剣勝負の緊張から解き放たれた各国のライダーたちは、表彰式で互いの健闘を称え合い、ダンスやコミックショーで楽しいひとときを過ごし、ヤマハライダーとしての結束を今まで以上に高めていた。



イメージ【ノービスクラス】
■総合優勝(1位/1位)#163 Sigit. PD選手(インドネシア・19歳)談:

「チャンピオンになることができて、とてもハッピーです。YAMAHA ASEAN CUP RACEのレースウィークは、とてもエキサイティングなひとときでした。しかも優勝という結果を残せたことは、インドネシア人として誇りに思います。今日の結果を糧に、MotoGPライダーになることをめざして頑張ります」




イメージ■2位(2位/4位)#53 Chanon Cumjai選手(タイ・23歳)談:
「今日のレースはとてもエキサイティングでした。Batu Kawanサーキットのようなコースでレースをするのは初めての体験でしたが、とてもよくオーガナイズされていて、楽しむことができました。結果にも満足しています。チームやメカニックのサポートに感謝します。僕の夢はMotoGPライダーになることです!」





イメージ■3位(4位/3位)#3 Elly Idzliaikmal Ilias選手(マレーシア・20歳)談:
「YAMAHA ASEAN CUP RACEに参戦するのは初めてですが、よい結果を残すことができてうれしく思っています。もしまた参戦する機会に恵まれれば、今回よりもいいレースをして、ぜひ勝ちたいですね。そして国際レースへの足がかりにしたいと思います」







イメージ【エキスパートクラス】
■総合優勝(1位/2位)#57 Hokky Krisdianto選手(インドネシア・27歳)談:

「今年のYAMAHA ASEAN CUP RACEは、予選からタイムが接近していて、とてもコンペティティブな戦いでした。Batu Kawanサーキットはとても難しいコースでしたが、チームメイトやマネージャーのサポートのおかげでいいレースができました。チームインドネシアの強さに秘密はありません。みんなが協力して一丸となった成果だと思います」




イメージ■2位(2位/3位)#16 Elly Idzlianizar Ilias選手(マレーシア・23歳)談:
「予選では絶対にフロントロウを取ろうと思っていました。決勝では両ヒートとも優勝をめざし、ヒート1では2位。しかしヒート2は雨によるブレーキトラブルが発生し、思うように走れませんでした。母国開催で、走ったことのあるサーキットとはいえ、YAMAHA ASEAN CUP RACEに向けてレイアウトは大きく変更されていて、ホームグラウンドのアドバンテージはなく、タフなレースでしたね。マレーシアではどんどん若いライダーが育ってきています。今後も、YAMAHA ASEAN CUP RACEのようなビッグイベントを軸に、マレーシアの2輪モータースポーツのレベルアップに期待しています」


イメージ■3位(8位/1位)#92 Florianus Roy選手(インドネシア・24歳)談:
「去年に引き続き2年連続のタイトル獲得をめざしたのですが、YAMAHA ASEAN CUP RACEは年々レベルアップしています。ライバルたちもスキルアップしていて、タフなレースとなり、今年は残念ながらチャンピオンになることができませんでした。去年YAMAHA ASEAN CUP RACEで優勝したことで今年、“スカラシップ制度”を受け、FIM Asia Road Racing Championship 600ccクラスに2戦出場しました。とても刺激的な体験でした。そして今回のYAMAHA ASEAN CUP RACEの経験を生かして、来年はFIM Asia Road Racing Championship 110ccチャンピオンをめざします!」


イメージ■Rizki Marioチームインドネシア・マネージャー談:
「2年連続でチャンピオンを獲得することができ、とてもうれしいです。インドネシア国内屈指の精鋭ライダーたちを集めたのが勝因だと思っています。楽なレースではありませんでしたが、みんながベストを尽くしてくれました。YAMAHA ASEAN CUP RACEは、ドニ・タタ・プラディタ選手がそうであるように、今後も世界レベルのレースで活躍するライダー育成のきっかけとなってほしいですね」




■YAMAHA ASEAN CUP RACE 2007 大会委員長 的場 道文(ヤマハ発動機株式会社MC事業本部営業統括部第1営業部長)談:
「チームインドネシアが素晴らしいレースを見せてくれましたね。また、連勝を許してしまう結果になった、残る4ヵ国の来年以降の頑張りにも期待しています。レース後は、国籍を超えて称え合うライダーたちの姿が見られ、ヤマハブランドのもとにフレンドシップが展開する、とても温かい雰囲気でした。レース以外のイベントも素晴らしいオーガナイズで、来場してくださった延べ約3万人のお客さまも楽しめたことと思います。レースとしても、セールスプロモーションの一環としても、大成功でした。YAMAHA ASEAN CUP RACEは、さらに高いレベルをめざすライダーたちのいいステップになっています。インドネシアのドニ・タタ・プラディタ選手がASEAN地域を飛び出して活躍している姿は、多くのヤングライダーたちにとっていい励みになっていることでしょう。来年はタイでの開催です。さらにパワーアップする“YAMAHA ASEAN CUP RACE 2008”にご期待ください」

■ホスト国代表C.H. Ng(Hong Leong Yamaha Motor Sdn Bhdマネージングディレクター)談:
「15~16日で延べ約3万人ものお客さまが観戦に来てくださり、“YAMAHA ASEAN CUP RACE 2007”は大成功に終わりました。日本からはるばるやって来てくれたトップライダーたちによるスーパーモタードのデモンストレーションは観客を大いに盛り上げてくれましたし、YZR-M1を4台展示した『YAMAHA Gallery』や、コンサートも大盛況でした。そして何よりも嬉しかったのは、観客の皆さんが会場内にて1日を楽しんでくれたことです。イベントとしての成功を支えてくれた、協力各位には心から感謝します。レースは、内容的にもとてもエキサイティングで、見応えのあるものでした。インドネシアが2連勝して頭一つ抜き出た感はありますが、残る4ヵ国もさらにレベルアップして、よりハイレベルなレースに成長し、いずれはASEAN諸国から世界チャンピオンが生まれてくれることでしょう」



ノービスクラス決勝結果


順位 No ライダー名 チーム ポイント 合計
ヒート1 ヒート2
1 163 SIGIT.PD Team Indonesia 25 25 50
2 53 CHANON CHUMJAI Team Thailand 20 13 33
3 16 ELLY IDZLIAIKMAL ILIAS Team Malaysia 13 16 29
4 10 THITIPONG WAROKORN Team Thailand 8 20 28
5 120 FEIZY JUNIARDIT Team Indonesia 16 11 27
6 90 M.HANIEF BACHTIAR Team Indonesia 10 9 19
7 6 MD EMIR FIRDAUS HASSAN Team Malaysia 9 8 17
8 50 RAFID TOPAN SUCIPTO Team Indonesia 11 3 14
9 83 MONTRI PHUMCHUY Team Thailand 7 7 14
10 92 WORAWUT FUNGSUK Team Thailand 3 10 13
11 162 DERI IRFANDI Team Indonesia 6 6 12
12 4 MD FAIZ NAWAWI Team Malaysia 5 DNF 5
13 34 PATTANAPONG MANEESRI Team Thailand DNF 5 5
14 5 MD AFFENDI ROSLI Team Malaysia 4 DNF 4
15 30 MAHADHIR RADUAN Team Malaysia DNF 4 4
16 11 JEFFREY CHAN Team Philippines 2 0 2
17 22 ROZKYAZMIE BIN ROZLI Team Singapore 1 1 2
18 111 MARK ANTHONY M. BARCIAL Team Philippines DNF 2 2
19 7 ARMANDO CANARE JR Team Philippines DNF 0 0
20 35 MD AZIZI BIN KAMAL Team Singapore DNS DNS 0
21 37 ROWEL BONGON Team Philippines DNS DNS 0
22 52 ANTHONY ROMAN Team Philippines 0 0 0
23 66 MUHD FIRDAUS BIN KAMAL Team Singapore 0 DNF 0
24 88 SHAHRULNIZAL BIN SABARALI Team Singapore DNF 0 0


エキスパートクラス決勝結果


順位 No ライダー名 チーム ポイント 合計
ヒート1 ヒート2
1 57 HOKKY KRISDIANTO Team Indonesia 25 20 45
2 16 ELLY IDZLIANIZAR ILIAS Team Malaysia 20 16 36
3 92 FLORIANUS ROY Team Indonesia 8 25 33
4 77 ISWANDI MUIS Team Indonesia 16 13 29
5 50 AHMAD FUAD BAHARUDIN Team Malaysia 13 10 23
6 5 CHALERMPOL POLAMAI Team Thailand 11 7 18
7 18 AZLAN SHAH KAMARUZAMAN Team Malaysia 9 8 17
8 54 SUDARMONO Team Indonesia 6 11 17
9 55 MD ISKANDAR RADUAN Team Malaysia 10 4 14
10 24 DECHA KRAISART Team Thailand 5 9 14
11 27 HARLAN FADHILLAH Team Indonesia 4 6 10
12 51 PREECHA YONGSAWANG-ARUN Team Thailand 7 DNF 7
13 129 MAICO GREG T. BUNCIO Team Philippines 3 3 6
14 11 AHMAD FAZLI SHAM Team Malaysia 0 5 5
15 67 KELVIN CHIA Team Singapore 2 1 3
16 46 JAIME BARCIAL Team Philippines DNF 2 2
17 93 TANG CHING HENG Team Singapore 1 0 1
18 7 OSMAN BIN AHMAD Team Singapore 0 DNF 0
19 21 KITTIPONG CHUMPOL Team Thailand DNF 0 0
20 23 ANDIN YURISNO MULIADI Team Singapore 0 0 0
21 37 RIZALDY CANARE Team Philippines DNF DNF 0
22 45 WORAWUT PHUTTHO Team Thailand 0 0 0
23 68 KIFLI BIN HJ TUAH Team Singapore 0 DNF 0

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