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クリーンルームへの設置が可能な超小型スカラロボット ヤマハTiny(タイニー)スカラロボット「YK180XC/YK220XC」 新発売

2007年11月26日発表

 ヤマハ発動機株式会社の社内カンパニーである「IMカンパニー」(所在地:静岡県浜松市、カンパニープレジデント:加藤敏純)では、半導体や液晶などの電子部品の製造工程でクリーンルームへの設置が可能な、高クリーン仕様のヤマハTinyスカラロボット「YK180XC/YK220XC」を開発、2008年1月1日より発売する。
  ヤマハTinyスカラロボットは、手のひらサイズ(ロボット取付け部の占有面積)のコンパクトな水平多関節型ロボットで、組立部品の小型化や製造設備の省スペース化などの多様化するユーザーニーズに応える製品として、高精度・小型化をコンセプトに開発された。
  「YK180XC/YK220XC」は、従来のTinyスカラロボットの特徴をそのままに、クリーン仕様としたバリエーションモデルで、今後のクリーンロボット市場を拡大していくことが期待される製品である。
  なお、「YK180XC/YK220XC」は11月28日から12月1日まで東京ビッグサイト(東京都江東区)にて開催される「2007国際ロボット展」に出展される。

ヤマハTinyスカラロボット「YK220XC」

ヤマハTinyスカラロボット「YK220XC」

名称

ヤマハTinyスカラロボット「YK180XC/YK220XC」

発売予定日

2008年1月1日

価格

YK180XC/YK220XC 1,315,000円
(専用コントローラ「RCX142」及びロボットケーブルを含む)(消費税含まず)

初年度販売計画

YK180XC/YK220XC 合計200台

市場背景と製品の概要

 近年、ディスクトップファクトリーなど、省スペースの生産設備の要望が多く、電気・電子部品の製造工程を中心に生産設備の小型化が急速に進んでいる。また、携帯電話をはじめとするハンディタイプの製品の普及により、部品の小型化が進み、組み付け精度も数μ(ミクロン)を要求するユーザーが増えている。さらに、クリーンブース内での作業のためのロボットはクリーン度を維持するための建物や設備のために単位容積あたりのコストが高く、より省スペースの自動化コンポーネントが求められている。
  このような市場背景を受け、「YK180XC/YK220XC」は、従来製品の特徴である4軸制御、徹底したコンパクト設計(設置スペース極小)、優れた位置決め精度をそのままに、クリーン仕様のロボットとして開発された。
  電気・電子分野などの精密組立が要求される生産設備において、組立・搬送・移載などの用途に使用されるほか、医療機器用部品の組立や医療検査工程への応用も期待される製品である。

製品の特徴

(1)

省スペース

アーム長は180mm(YK180XC)、220mm(YK220XC)。設置面積も112mm×105mmと小さくシステム設計の自由度が高い。

(2)

高精度

XY軸の位置決め精度:±0.01mmと従来製品と同等の精度を確保し、超小型部品を高精度で組み立てるアプリケーションが可能。

(3)

高剛性

コンパクトなメカで可搬質量は1.0kg、R軸許容慣性モーメントは0.1kgfcms2を実現、小型ながら重荷重の作業が可能。

(4)

高速性

XY軸合成速度3.3m/sec(YK180XC)、3.4m/sec(YK220XC)、標準サイクルタイムも0.39/0.42秒とヤマハスカラロボットの中でもトップクラス。

(5)

使いやすさ

アブソリュート位置検出器を標準装備し、始業時のタイムロスを最小に抑えた。

ユーザー配線8本、配管φ3×2を本体に標準装備し、コンパクトなレイアウトの配管・配線が可能。

スカラロボットならではのフレキシビリティーと専用コントローラとの組み合わせで複雑な動きを簡単にプログラムできる。

仕様諸元表

機種

YK180XC

YK220XC

軸仕様

X軸

アーム長

71mm

111mm

回転範囲

±120°

Y軸

アーム長

109mm

回転範囲

±140°

Z軸

ストローク

100mm

R軸

回転範囲

±360°

モーター

X軸

50W

Y軸

30W

Z軸

30W

R軸

30W

最高速

X、Y軸合成

3.3m/s

3.4m/s

Z軸

0.7m/s

R軸

1700°/s

繰返し位置決め精度 ※1

X、Y軸

±0.01mm

Z軸

±0.01mm

R軸

±0.01°

最大可搬質量

1.0kg

標準サイクルタイム(0.1kg可搬時) ※2

0.39s

0.42s

R軸許容慣性モーメント ※3

0.1kgfcms2

ユーザー配線

0.1sq×8本

ユーザー配管

φ3×2

動作リミット設定

1.ソフトリミット 2.メカリミット(XYZ軸)

ロボットケーブル

3.5m、オプション:5m、10m

コントローラ

RCX142

本体質量

8.0kg

8.0kg

クリーン度(0.1μmベース)

10

吸引量

60Nl/min

※1:周囲温度一定時の値。

※2:水平方向100mm、垂直方向25mm往復、粗位置決め時。

※3:加速度係数の設定に制限があります。

スカラロボット(水平多関節型ロボット)とは・・・

SCARA(スカラ)とは、Selective Compliance Assembly Robot Armの略で、水平方向(XY方向)だけにコンプライアンス(やわらかさ)を持ち、上下方向は剛性が高いという特徴を持つ、主に組み付け作業の自動化を目的に作られたロボットです。現在は、その動作スピード性能から、搬送(ピック&プレイス)作業にも有効なロボットとして、様々な生産現場で使用されています。また、小さい設置スペースに比べて大きな動作領域も魅力で、ロボット周りのレイアウトの自由度が大きいのも特徴です。

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