ヤマハ発動機株式会社は、軽量・コンパクトな水冷4ストロークDOHC単気筒のエンジンをアルミ製フレームに搭載し、扱い易い出力特性と高い戦闘力を備えるモトクロッサー「YZ450F」「YZ250F」について、エンジン及び車体関連の熟成を図った2008年モデルを開発、2007年7月17日より発売する。「YZ250F」は斬新なホワイト色の「YZ250F White Limited Edition」(限定50台)を設定した。なお4ストロークYZシリーズは1998年に「YZ400F」としてデビュー、2008年モデルで10周年となる。また、軽快なハンドリングで定評の水冷2ストロークエンジン搭載の「YZ250」「YZ125」も熟成を図った2008年モデルを設定し2007年8月1日より発売する。
さらに入門用モデルの「YZ85」「YZ85LW」についても2008年YZシリーズ共通のグラフィックを採用した2008年モデルを2007年8月1日より発売する。
なお、YZシリーズは「ヤマハオフロードコンペティションモデル正規取扱店」にて販売する。 |
名称 |
ヤマハモトクロッサー
YZ450F、YZ250F、YZ250、YZ125、YZ85LW、YZ85 |
発売日 |
YZ450F/YZ250F 2007年7月17日
YZ250F White Limited Edition 2007年8月1日
YZ250/YZ125 2007年8月1日
YZ85LW/YZ85 2007年8月1日 |
カラーリング |
■ディープパープリッシュブルーソリッドE(ブルー)
■パープリッシュホワイトソリッド1(ホワイト)(限定50台)※
※「YZ250F White Limited Edition」のみ |
販売計画 |
600台(YZシリーズ合計・国内) |
1997年春、当時2ストロークが常識とされたモトクロス界に、ヤマハは既成概念を払拭した4ストロークモトクロッサーを開発、世界選手権など実戦に投入した。このファクトリーマシン「YZM400F」は4月の500cc世界選手権イタリアGPでA・バルトリーニ選手がヒート優勝、5月のAMAスーパークロス・ラスベガス戦でD・へンリー選手が優勝するなど、モトクロス界に4ストローク旋風を巻き起こした。
このファクトリー技術に基づいた市販4ストロークモトクロッサー「YZ400F」は、翌1998年に発売。2001年には4ストローク「YZ250F」も発売、日欧米の市場で新しいファンを増やしていった。その後、市場には4ストローク車が次々に投入され、ここ10年でモトクロス用マシンの趣向は大きく変化、4ストロークの伸長が顕著となっている。こうした中ヤマハは4ストローク、2ストローク各々の特徴を生かした製品開発を継続している。
今回発表の2008年モデルも、4ストローク、2ストロークモデル双方を熟成。現行モデルの<ライトウエイトフィーリング>を継承し、出力特性向上、軽量化と細部の剛性チューンにより、コーナリング時のフロント応答性に優れるハンドリング性能などに磨きをかけ、戦闘力とコンフォート性を一段と高めたモデルとした。
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《エンジン関連》
1)ポート形状、カムプロフィールの変更
燃焼効率をさらに向上させるためインテークポート形状の最適化を図った。カムプロフィール最適化との相乗効果により、低中速でのトルク特性の向上に貢献している。カムプロフィールは、吸気側バルブタイミングを変更、オーバーラップを変更して吸気と排気の良好なバランスをとることで、低中速でのトルク特性改善を図った。
2)ピストンクリアランス調整、バックラッシュ※最適化によるノイズ低減
ピストンの外径を高精度で調整し、ピストンとシリンダーのクリアランスを最適化した。これでピストンの挙動を最小限に抑え振動・ノイズ低減を果たした。また、プライマリーギアのバックラッシュを最適化し、メカノイズ低減を図った。
※バックラッシュ:ギアのかみ合いの隙間
3)その他の変更点(YZ450F 、YZ250F 共通フィーチャー)
(1) クランクケースカバーの塗装変更、(2)競技規則に対応したサイレンサーの採用を行った。
《車体関連》
1)ステアリングステム廻り、及びメインフレームの設計変更
軽量化を図りつつ剛性感ある走行フィーリングを達成するため、ステアリング軸廻りの設計変更を施した。ヘッドパイプ部は全長を現行比で5mmショート化し、これに合わせステアリングステムは現行比で5mmショート化。さらにアルミ鍛造アンダーブラケットはH型断面の新形状として軽量化、剛性チューンを行った。さらにアルミ製フレームは、これと連動しピボット上部の剛性バランスを変更、トータルバランスを最適化した。
これらにより、ハンドリングのライトウエイト感、寝かしこみ易いフィーリング特性、コーナー進入時の軽快な特性に一層磨きをかけた。
なお、フロント廻りでは、新たに軽量フロントフォークプロテクターの採用、ブレーキ関連軽量化などを施しライトフィーリングを一層高めた。
2)フロントフォークの性能向上(YZ450F 、YZ250F共通フィーチャー)
フロントフォークは、アウターチューブの形状変更を行なうと同時に、作動性・減衰特性を改善し快適性と性能に一層磨きをかけた。軽量βチタン材スプリング採用のリアサスペンションは、フロント廻りの軽量化との良好なバランスを実現するため仕様を変更。シャフト・カラーを見直しリンク周りのパーツを軽量化、同時にリンクレシオも最適化して優れたクッション特性とトラクション特性を引き出すものとした。
3)軽量化を図ったフロントブレーキ系
フロントブレーキキャリパーは、新たに軽量タイプ(2007型YZ250Fと同仕様)を採用した。ピストンは現行の27mm径から22.65mmに小径化、パッド形状・材質の最適化も行っている。マスターシリンダーのピストン径も現行11mmから9.52mmに変更した。さらに、ウェイブディスクは、新たに軽量タイプを採用。スロッティッドの孔形状は、丸型から異径として制動力と軽量化を両立させた。また、フロントアクスル及びホイールカラーにも軽量タイプを採用。これらの相乗効果で軽快なフィーリングと優れた制動力を合わせて達成した。
4) 幅広タイプのフットレスト採用
良好な快適性をもたらす現行WR450Fタイプの幅広タイプステンレス製フットレストを採用した。
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《エンジン関連》
1)新作ピストン採用による高圧縮比13.5の設定
天面形状新設計による新作ピストンを採用し、圧縮比は現行の12.5 から13.5 へアップさせた。素早い燃焼による優れた特性が持ち味の5バルブ燃焼室の特性をより引き出している。またこの高圧縮比との適合化を図るため、キャブレターセッティング変更、点火タイミング最適化(新CDI ユニット採用)を行った。
2)バックラッシュ適正化によるメカノイズ低減(2008年YZ450Fと同施策)
今回発表の2008年モデルYZ450F同様、プライマリーギア、バランサーギア、それぞれのバックラッシュの最適化により、メカノイズ低減を図った。
3)クラッチアッシーの仕様変更
クラッチアッシー内部はボスクラッチとプライマリードリブンギアの形状変更を行い、フリクションプレート及びクラッチプレートへのオイル供給を促進、スタートやコーナー脱出時の優れた戦闘力に貢献させた。
《車体関連》
1)フロント廻りの軽量化
フロント廻りは、(1)フロントフォークアウターチューブの形状見直し、(2)軽量フロントフォークプロテクター、(3)新形状(H 断面)のアルミ鍛造アンダーブラケットなどの採用により軽量化と剛性バランスを最適化した。持ち味であるライトフィーリングなハンドリング特性に磨きをかけている。
2)その他の変更
(1)新形状で軽量かつ操作性に優れたブレーキペダル、(2)快適性を向上する幅広タイプステンレス製フットレスト(現行左右幅45mmから55mmへ拡大)を採用した。 また、クールで斬新なイメージのホワイトモデル(YZ250F White Limited Edition)を設定した。
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1)新作リードバルブスペーサー採用(YZ125のみ)
リードバルブスペーサーの形状は、キャブレターからマニホルドを経てカーボン製リードバルブへ至る吸気系に寄与している。2008年モデルのYZ125では、このスペーサーの形状を改良し、低回転から高回転までの吸気の流量・流速を最適化し、加速性能向上を図った。
2)フロントブレーキ関連パーツの一新
足廻りの軽量化を図るため、4ストロークYZ で好評の新ブレーキシステムを採用した。フロントブレーキキャリパーは、軽量タイプを採用。ピストンサイズを縮小し、合わせてパット形状、材質の最適化を行い軽量化を図った。加えて、マスターシリンダー側のピストン径も縮小し、そのほかプッシュロッド構造の採用、レバー形状の最適化によりレバータッチの向上を行い、軽量小型でかつ効力・コントロール性に優れたブレーキシステムとなっている。
さらに、足回りの軽量化を図るため、新たにウェイブ形状のディスクローターを前後に採用した点が特徴である。スロッティッドの孔形状も、丸型から異形として制動力と軽量化を両立させた。
3)ステアリング廻りの設計変更
2008年型4ストロークYZ と同一の軽量フォークプロテクターを採用した。またフロントフォークアクスル、ホイールカラー、アクスルブラケットも軽量化。ライトウエイトフィーリングを一層高めた。
4)軽量アウターチューブ採用フロントサスペンション
48mmインナー倒立式フロントフォーク(気液分離タイプ)は、アウターチューブに新たに肉抜き加工を施し、さらにインナーチューブの仕様変更を行いフォーク全体で軽量化を図った。またフロント廻りとのバランスを得るため減衰力セッティングも最適化した。リアサスペンションも、フロントとのバランスを取り最適セッティングを施している。 |
2008年YZシリーズ共通の新グラフィックを採用し、イメージ一新を図った。 |
全長×全幅×全高 |
2,192mm×825mm×1,305mm |
シート高 |
989mm |
軸間距離 |
1,495mm |
最低地上高 |
373mm |
乾燥重量 |
99.5kg |
原動機種類 |
水冷・4ストローク・DOHC・5バルブ |
気筒数配列 |
単気筒 |
総排気量 |
449cm3 |
内径×行程 |
95.0mm×63.4mm |
圧縮比 |
12.3:1 |
最高出力 |
44.1kW(60.0PS)/9,000r/min |
最大トルク |
52.9N・m(5.4kgf・m)/6,500r/min |
始動方式 |
キック |
潤滑方式 |
ドライサンプ |
エンジンオイル容量 |
1.2L |
燃料タンク容量 |
7.0L |
キャブレター型式 |
FCR-MX39×1 |
点火方式 |
C.D.I.式 |
1次減速比/2次減速比 |
2.652/3.769 |
クラッチ形式 |
湿式多板 |
変速機形式 |
リターン式5段 |
変速比 |
1速/1.929 2速/1.533 3速/1.278
4速/1.091 5速/0.952 |
フレーム形式 |
セミダブルクレードル |
キャスター/トレール |
27.0°/116.2mm |
タイヤサイズ (前/後) |
80/100-21 51M/110/90-19 62M |
ブレーキ形式 (前/後) |
油圧式シングルディスク/油圧式シングルディスク |
懸架方式 (前/後) |
テレスコピック式/リアアーム式 (リンク式モノクロス) |
全長×全幅×全高 |
2,164mm×825mm×1,302mm |
シート高 |
986mm |
軸間距離 |
1,469mm |
最低地上高 |
369mm |
乾燥重量 |
92.7kg |
原動機種類 |
水冷・4ストローク・DOHC・5バルブ |
気筒数配列 |
単気筒 |
総排気量 |
249cm3 |
内径×行程 |
77.0mm×53.6mm |
圧縮比 |
13.5:1 |
最高出力 |
31.5kW(42.8PS)/10,500r/min |
最大トルク |
29.5N・m(3.0kgf・m)/8,500r/min |
始動方式 |
キック |
潤滑方式 |
ドライサンプ |
エンジンオイル容量 |
1.3L |
燃料タンク容量 |
7.0L |
キャブレター型式 |
FCR-MX37×1 |
点火方式 |
C.D.I.式 |
1次減速比/2次減速比 |
3.353/3.769 |
クラッチ形式 |
湿式多板 |
変速機形式 |
リターン式5段 |
変速比 |
1速/2.143 2速/1.750 3速/1.450
4速/1.227 5速/1.042 |
フレーム形式 |
セミダブルクレードル |
キャスター/トレール |
27.0°/116.5mm |
タイヤサイズ (前/後) |
80/100-21 51M/100/90-19 57M |
ブレーキ形式 (前/後) |
油圧式シングルディスク/油圧式シングルディスク |
懸架方式 (前/後) |
テレスコピック式/リアアーム式 (リンク式モノクロス) |
全長×全幅×全高 |
2,179mm×827mm×1,307mm |
シート高 |
994mm |
軸間距離 |
1,481mm |
最低地上高 |
382mm |
乾燥重量 |
96.0kg |
原動機種類 |
水冷・2ストローク・ピストンリードバルブ |
気筒数配列 |
単気筒 |
総排気量 |
249cm3 |
内径×行程 |
66.4mm×72mm |
圧縮比 |
8.9~10.6:1 |
最高出力 |
38.9kW(53.0PS)/8,000r/min |
最大トルク |
49.0N・m(5.0kgf・m)/7,500r/min |
始動方式 |
キック |
潤滑方式 |
混合給油 |
燃料タンク容量 |
8.0L |
キャブレター型式 |
PWK38S×1 |
点火方式 |
C.D.I.式 |
1次減速比/2次減速比 |
3.000/3.571 |
クラッチ形式 |
湿式多板コイルスプリング |
変速機形式 |
リターン式5段 |
変速比 |
1速/1.929 2速/1.533 3速/1.278
4速/1.091 5速/0.952 |
フレーム形式 |
セミダブルクレードル |
キャスター/トレール |
27°06′/117mm |
タイヤサイズ (前/後) |
80/100-21 51M/100/90-19 57M |
ブレーキ形式 (前/後) |
油圧式シングルディスク/油圧式シングルディスク |
懸架方式 (前/後) |
テレスコピック式/リアアーム式 (リンク式モノクロス) |
全長×全幅×全高 |
2,135mm×827mm×1,316mm |
シート高 |
996mm |
軸間距離 |
1,443mm |
最低地上高 |
386mm |
乾燥重量 |
86.0kg |
原動機種類 |
水冷・2ストローク・クランク室リードバルブ |
気筒数配列 |
単気筒 |
総排気量 |
124cm3 |
内径×行程 |
54.0mm×54.5mm |
圧縮比 |
8.6~10.7:1 |
最高出力 |
28.7kW(39.0PS)/11,500r/min |
最大トルク |
25.5N・m(2.6kgf・m)/10,000r/min |
始動方式 |
キック |
潤滑方式 |
混合給油 |
燃料タンク容量 |
8.0L |
キャブレター型式 |
TMXχ38×1 |
点火方式 |
C.D.I.式 |
1次減速比/2次減速比 |
3.368/3.692 |
クラッチ形式 |
湿式多板コイルスプリング |
変速機形式 |
リターン式6段 |
変速比 |
1速/2.385 2速/1.933 3速/1.588
4速/1.353 5速/1.200 6速/1.095 |
フレーム形式 |
セミダブルクレードル |
キャスター/トレール |
25°42′/107mm |
タイヤサイズ (前/後) |
80/100-21 51M/100/90-19 57M |
ブレーキ形式 (前/後) |
油圧式シングルディスク/油圧式シングルディスク |
懸架方式 (前/後) |
テレスコピック式/リアアーム式 (リンク式モノクロス) |
全長×全幅×全高 |
1,821mm×758mm×1,161mm
【1,903mm×758mm×1,205mm】 |
シート高 |
864mm【904mm】 |
軸間距離 |
1,258mm【1,286mm】 |
最低地上高 |
351mm【393mm】 |
乾燥重量 |
66kg【69kg】 |
原動機種類 |
水冷・2ストローク・クランク室リードバルブ |
気筒数配列 |
単気筒 |
総排気量 |
84.7cm3 |
内径×行程 |
47.5mm×47.8mm |
圧縮比 |
8.2:1 |
最高出力 |
21.3kW(29PS)/12,000r/min |
最大トルク |
17.26N・m(1.76kgf・m)/10,500r/min |
始動方式 |
キック |
潤滑方式 |
混合給油 |
燃料タンク容量 |
5.0L |
キャブレター型式 |
PWK28×1 |
点火方式 |
C.D.I.式 |
1次減速比/2次減速比 |
3.611/3.357【3.611/3.714】 |
クラッチ形式 |
湿式多板コイルスプリング |
変速機形式 |
リターン式6段 |
変速比 |
1速/2.454 2速/1.882 3速/1.529
4速/1.294 5速/1.130 6速/1.000 |
フレーム形式 |
セミダブルクレードル |
キャスター/トレール |
26°18′/88mm【27°/106mm】 |
タイヤサイズ (前/後) |
70/100-17 40M/90/100-14 49M
【70/100-19 42M/90/100-16 52M】 |
ブレーキ形式 (前/後) |
油圧式シングルディスク/油圧式シングルディスク |
懸架方式 (前/後) |
テレスコピック式/リアアーム式 (リンク式モノクロス) |
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メーカー希望小売価格 |
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ヤマハモトクロッサー「YZ450F」 |
777,000円 |
(本体価格740,000円/消費税37,000円) |
ヤマハモトクロッサー「YZ250F」 |
645,750円 |
(本体価格615,000円/消費税30,750円) |
ヤマハモトクロッサー「YZ250F」 White Limited Edition |
656,250円 |
(本体価格625,000円/消費税31,250円) |
ヤマハモトクロッサー「YZ250」 |
661,500円 |
(本体価格630,000円/消費税31,500円) |
ヤマハモトクロッサー「YZ125」 |
567,000円 |
(本体価格540,000円/消費税27,000円) |
ヤマハモトクロッサー「YZ85LW」 |
346,500円 |
(本体価格330,000円/消費税16,500円) |
ヤマハモトクロッサー「YZ85」 |
336,000円 |
(本体価格320,000円/消費税16,000円) |
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