商標権侵害事件に関する中国最高人民法院の判決について -2005年の江蘇省高級人民法院の判決を維持-
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2007年6月12日発表 |
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ヤマハ発動機株式会社は、「雅馬哈(やまは)」「YAMAHA」および「FUTURE」の登録商標権を侵害されたとして、中国におけるモーターサイクル製造会社である浙江省台州市の浙江華田工業有限公司(以下「浙江華田公司」)をはじめ、台州嘉吉摩托車銷售有限公司(以下「台州嘉吉公司」)、台州華田摩托車銷售有限公司(以下「台州華田銷售公司」)および販売ディーラーの計4社を被告として2002年10月に江蘇省高級人民法院に提訴していましたが、2007年6月5日にその上訴審判決が最高人民法院により言い渡されました。
この事件は、2000年に日本において「日本雅馬哈株式会社」なる名称の会社の設立登記がなされ、この会社と商号使用許諾契約を結んだ「浙江華田公司(当時の社名:台州華田摩托車有限公司)」が、これを根拠に、中国で製造したモーターサイクルに「日本YAMAHA株式会社」等の文字を表示するというものでした。
当社は、この中国での行為に対して、商標権侵害にあたるものとして民事訴訟を行ってまいりました。 |
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最高人民法院の判決の内容は、当社の主張をほぼ全面的に認めた江蘇省高級人民法院での下記判決を維持するものです。中国は二審制ですので、これにより判決が確定しました。 |
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(1) |
浙江華田公司、台州嘉吉公司、台州華田銷售公司の3社に対し、商標権侵害行為の停止 |
(2) |
上記3社による「摩托車商情」※への謝罪声明の掲載 |
(3) |
浙江華田公司は8,300,440.43人民元の損害賠償責任を負い、台州嘉吉公司はこのうち8,227,977.03人民元について、台州華田銷售公司はこのうち72,463.4人民元について、それぞれ連帯して損害賠償責任を負う |
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なお、当社はこの裁判に臨むにあたり、今回のような商標権侵害事件の拡大を阻止するために、適切な司法判断を得られることを目指しました。
また、この目的を達成するために、法律を駆使し、論理展開を行った結果、次のような成果を得ました。 |
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(1) |
証拠保全で得られた証拠に基づく損害額認定 |
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証拠保全で得た資料に基づき当社が算定した損害賠償額が、法院でも認められた |
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(2) |
証拠不提出の責任 |
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法院が要求した証拠を適切に提出しなかった相手方に対する裁判所の姿勢が明確に示された |
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(3) |
連帯責任 |
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グループ会社3社が連帯して賠償責任を負うように、3社による製造から販売までの一連の共同行為であることが認められた |
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これによって、3社連帯して賠償責任を負うべきとなった |
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(4) |
損害賠償金額 |
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請求金額と同一の総額8,300,440.43人民元の賠償額の判決を得た |
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(当社コメント) |
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「当社としては、今回の判決は、画期的なものと受け止めています。この訴訟を通じて、同様の商標権侵害問題を抱えている企業の皆様にとって、少しでも参考になれば幸いと考えています。今回の訴訟でこのような判決を頂いた江蘇省高級人民法院およびその原審を維持して頂いた最高人民法院に敬意を表します。今後も当社は、知的財産権の侵害行為に対しては、毅然とした姿勢で臨む所存です。」 |
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※印の「摩托車商情」は、中国で出版されているモーターサイクル専門誌の名称です。 |
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