クラス最高の精度とスピードを簡単操作で実現 ヤマハクリームハンダ印刷機 「YGP」 新開発 2005年09月26日発表 ヤマハ発動機(株)の社内カンパニーである「IMカンパニー」(カンパニープレジデント:戸上常司、 所在地:静岡県浜松市)は、ヤマハサーフェスマウンター(表面実装機)とのベストマッチングを図った、フルビジョン(画像認識)方式のクリームハンダ印刷機「YGP」を新たに開発し、2006年1月より発売する。 クリームハンダ印刷機は、回路基板にチップなどの電子部品を搭載する前工程で、基板にクリームハンダ(ハンダの粉末にフラックスを加え、適当な粘度にしたもの)を印刷するもので、スピードと精度、フレキシビリティが求められている。 この「YGP」は、2002年4月の発売以来、市場で好評を得ている既存モデル「YVP-Xg」をさらにグレードアップし、市場の要望に応えたニューモデルで、タクトアップ、高性能、段取り性の向上を実現した。 尚、「YGP」は、10月5日から7日まで幕張メッセ(千葉市)にて開催される「2005実装プロセステクノロジー展」に出展する。 ヤマハクリームハンダ印刷機「YGP」 名 称 ヤマハクリームハンダ印刷機「YGP」 発 売 2006年1月 価 格 17,500,000円(消費税含まず) 初年度販売計画 200台 市場背景と製品の概要 携帯電話や携帯型パソコン等の各種携帯端末機器、自動車制御機器等のIT革命を担う電子機器製品の進歩と社会への浸透はめざましく、それらを支える電子部品には、さらなる小型・高機能化・低コスト化、高密度実装化が要求されている。回路基板に搭載される電子部品のICは、QFPからBGA、CSPへと進化。抵抗・コンデンサ等のチップ部品も、0603から0402へと小型化し、フィレットレス実装の比率が増大してきている。 クリームハンダ印刷機においては、印刷面積の極小化に伴い、マスクの清掃頻度も頻繁にならざるを得ない状況である。高精度・高速化はもちろん、フレキシブルな印刷条件設定や、マスク清掃時間を含めての印刷タクト短縮が求められている。 近年、印刷の信頼性向上の為に導入が進んでいる印刷後のハンダ形状検査機能も、より短時間に広い領域をより高精度に検査することが求められている。 さらに、低コスト化に向けて、高速化はもちろん、消費材量の削減への要求も高まってきている。 「YGP」は、これらの市場要求に応えるため、フレキシブルな印刷条件設定や、ハンダの使用量削減の効果が期待できる新開発の3Sヘッドを搭載した。完全リジットデュアルドライブ制御のカメラ軸に基板とマスクのマーク認識カメラと新開発のハンダ形状検査専用の広視野デジタルカメラとを搭載し、印刷時間の短縮とハンダ形状検査時間の大幅な短縮を実現した。また、基板の搬入出作業中にマスク清掃を行える配置にすることで、マスク清掃時間を含めた印刷タクトを大幅に短縮させている。 「YGP」は、ヤマハ主力シリーズであるモジュール型高速マウンター「YGシリーズ」にベストマッチした最新鋭のクリームハンダ印刷機である。 製品の特徴 1. 新開発3Sヘッド 業界初の3Sヘッド(特許申請中)を開発したことにより、以下のメリットをユーザーに提供する。 ・ スキージのアタック角度をサーボモータで任意に変更することができる。これにより、使用ハンダに応じて、ステージ速度とアタック角度を最適に設定でき、充填性の向上が可能。 ・ 往路復路にて同一スキージ面を使用することにより、スキージ面に付着するハンダを半減させることが可能になり、ハンダ使用量の削減により低コスト化を実現し、環境にも貢献。 ・ スキージを正面にはね上げて、3Sヘッドスキージの清掃が可能で、段取り性が向上。 ・ シングルスキージの採用により、スキージからマスク上へのハンダ落下を抑制。 ・ 従来のダブルスキージヘッドと簡単に交換が可能。 2. 高精度・高速印刷 ・ ロードセルとサーボによる印圧フィードバック制御を標準装備し、正確な印圧設定が可能。 ・ 高剛性な印刷テーブルと高剛性フレームの採用により、良好な印刷精度と版離れ性を確保。 ・ サーフェスマウンターXgシリーズで実績のあるMACS*を応用し、繰返し印刷精度± 25μm以内を確保。 *MACS:Multiple Accuracy Compensation Systemの略称 ・ 3分割コンベアと完全デュアルドライブ制御のカメラ軸により、印刷タクトをアップ。 3. ハンダ検査機能の大幅な向上 ・ ヤマハ独自の自社開発デジタルカメラの性能アップと照明の改良、認識ソフトの改良により、ハンダ検査性能が向上。角チップ~QFP、BGA、CSPのハンダ不足・過多、ズレ・ブリッジに対する広視野、高速の認識検査が可能。 4. グラフィック目合わせによる段取り性の向上 ・ 基板とマスクの相対する位置を、基板カメラとマスクカメラでレイヤー合成し、位置合わせ状況が確認できる。これにより、印刷位置合わせパラメータの微調整が可能。 5. その他の機能向上 ・ Mサイズマスク枠3種類、Lサイズマスク枠2種類にアダプター無しで即時変更可能なフレキシブル性を確保。 ・ マスク清掃用ロール紙の1回当りの使用量を削減することで、ハンダ清掃回数が増加。 ・ 基板長さに応じて3種の清掃用ロール紙を設定。 ・ マシン外観、及び操作画面GUIをモジュール型高速マウンター「YGシリーズ」と共通化させることにより、一貫ラインとしてのグラフィカルな操作性を実現。 ・ 日英中韓の言語対応 仕様諸元 外観 外形寸法 L1,820 × W1,705 × H1,850 mm (コンベア・モニター・3色表示灯込み) 質量 約1,800kg 適用基板 基板サイズ L420 × W360(Max)~L50 × W50(Min) mm 基板固定方式 外形基準固定ユニット(手動圧力制御付) マスク枠寸法 マスクサイズ 全マスクアダプターレス対応 Mサイズ枠 3種類 (L650 × W550,L550 × W650,L600 × W550mm) Lサイズ枠 2種類 (L736 × W736,L750 × W650mm) プリント動作 ヘッドユニット 3Sヘッド/ダブルスキージヘッド スキージ速度 2~200mm/s 印圧制御 5~200N (ロードセルによるフィードバック制御) クリーニング マスククリーニング装置 ドライ&ウエットの吸引清掃 クリーニング自動運転または手動 ラインタクト 12.8秒 (通常印刷) (弊社デモ基板 L180 × W130にて 最適条件) 印刷精度(3σ) ± 25μm以内 オプション 印刷検査カメラ 検出内容:ハンダ不足(欠け),ハンダ過多検出, ハンダズレ, ハンダブリッジ検出予定 密閉型ヘッド 特別注文対応 適用基板:L50 × W50~L330 × W330mm 空調システム 温度のみ(エアコン別置き) 搬出側コンベア延長 350mm追加