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直噴モデル世界最大馬力の環境対応船外機 ヤマハ「Z300」と「VZ300」を開発

2003-09-18発表

 ヤマハ発動機株式会社では、燃料筒内直噴システム搭載のモデルとして世界最大馬力となる環境対応2ストローク船外機「Z300」と「VZ300」を開発しました。
「Z300」(オフショアモデル)と「VZ300」(バスフィッシングモデル)は共に輸出専用モデルで、今秋より北米を中心に市場に導入します。
 「Z300」「VZ300」は独自のHPDI(High Pressure Direct Injection=燃料高圧筒内直接噴射)採用モデルであり、「Z240」をベースに新技術を加え最高馬力(300馬力)を実現しました。
 「Z300」「VZ300」は、HPDIを採用したZシリーズのフラッグシップモデルであり、「小型」「軽量」という2ストローク船外機の特性に加え、4ストロークに匹敵する低燃費・排気ガスのクリーンさを実現しています。
 排ガスに関しては、2機種共、EPA2006(米国環境保護庁)を大幅にクリアしています。
 300馬力の船外機でこの規制値をクリアしたのはこの「Z300」と「VZ300」が業界初めてです。


Z300 VZ300

ヤマハ「Z300」(オフショアモデル)と「VZ300」(バスフィッシングモデル)

名称

ヤマハ「Z300」「VZ300」

販売計画

5,000台/年間(2機種合計)



市場背景と商品概要

 世界全体での船外機年間総需要はおよそ80万台と言われています。その内、米国はその40%を占める世界最大の船外機市場です。
 1983年米国市場に参入したヤマハ船外機は現在、2ストローク/4ストロークモデルで豊富なラインナップを揃え、特に高い信頼性を要求されるオフショアフィッシングやバスフィッシング用途における大型船外機の評価は高いものがあります。
 今、米国市場では、船外機艇の大型化と高速化が進行し、より速くより快適に移動する手段として、スターンドライブ(船内外機)の領域とされた大型サイズ(全長9m以上)のボートに、200馬力以上の大型船外機を2機、3機と装着するようになってきました。また、バスフィッシングでは広大な湖をポイントからポイントへ、今まで以上にすばやく移動する性能が求められています。
 このような市場の期待に応えるために、当社は、独自のテクノロジーに裏打ちされた業界初の環境対応300馬力船外機を導入します。



ヤマハ「Z300」「VZ300」の特徴

新技術投入により高出力を実現

 「Z300」「VZ300」は、「Z240」をベースに吸気冷却システムおよび排圧低減システムを採用し、チューンナップを施し高出力を達成しています。


燃焼効率の高い超高圧燃料直噴

 「Z300」「VZ300」に採用したHPDIシステムは70気圧もの高圧をかけて微粒子化した燃料をシリンダー内に直接噴射し、効率良く燃焼させるシステムで、一般的な直噴のモデルに比べて、より霧化・気化しやすく、高効率の燃焼が得られ、高出力を実現しました。


YDIS(ヤマハダイアグノスティックシステム)とフェイルセーフ機構を搭載

 「Z300」「VZ300」は、ECMにパソコンを接続して画面上で、故障個所や故障の履歴も確認できるYDIS(自己診断システム)を搭載しています。また、万一、システムの一部やセンサーが故障しても低速でエンジン運転が続行できるフェイルセーフ機構を搭載しています。



「Z300」「VZ300」仕様諸元


 

「Z300」

「VZ300」

エンジン形式

2ストローク76°V型6気筒

2ストローク76°V型6気筒

排気量

3,342cm3

3,342cm3

ボア×ストローク

93mm×82mm

93mm×82mm

プロペラ軸出力

220.7kW(300PS)/5,000rpm

220.7kW(300PS/5,000rpm

乾燥質量

X:252kg

L:252kg


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