フュエルインジェクション採用、前後ラジアルタイヤ装着などで熟成　2004年欧州向けニューモデル、ヤマハ スポーツコミューター「TMAX」『ミラノショー』で発表

　ヤマハ発動機（株）は、来る9月16日から開催される第60回『ミラノショー』（チクロ・エ・モトチクロ）において2004年欧州向け新製品、ヤマハスポーツコミューター「TMAX 」（ティー・マックス）を発表展示します。“高速スポーツコミューター”として人気の現行モデルの基本コンセプトを継承しつつ、新たに(1)エンジン出力向上、(2)フュエルインジェクションの採用、(3)大径41mmフロントフォーク採用、(4)前後ラジアルタイヤ採用、リアタイヤサイズアップ、(5)フロントダブルディスクブレーキ採用、などを施し走行性に磨きをかけました。一方、キー照合式イモビライザーや新作メーターを採用するなど機能面も向上させています。

2004年欧州向けモデル　ヤマハスポーツコミューター「TMAX」

　2000年秋発売の「TMAX」は“モーターサイクル感覚のファンライド”と“コミューターとしての快適性”を調和させたモデルで、持ち味のスポーツバイクライクな操縦安定性と斬新なスタイルで、欧州市場にイノベーションを引き起こしました。お客様からは「高速での走行安定性と余裕の追い越し加速」「市街地からワインディングまで広域で楽しめるスポーツバイク感覚のハンドリング」が支持され、幅広い年齢層のユーザーに使用されています。
　2004年モデルの新「TMAX」は、初代からの基本コンセプトを継承しながら、(1)基本性能の向上、(2)操縦安定性の向上、(3)利便性向上、(4)外観品質アップなどを施すことを照準に先進技術を投入。走行性、操縦安定性、乗り心地、利便性、環境性能･････これらの高次元での調和を図ることで「TMAX」ならではの個性、特徴をいっそう熟成させました。

　スポーティな性能を一層引き出し優れた環境性能を実現するために、新たに高微粒子タイプのインジェクター装備のフュエルインジェクション（以下FI）を採用しました。このFIは、(1)リターンレス配管、(2)アイドリング状態まで希薄燃焼させるアイドルストイキ制御の採用（エアインダクションシステム廃止）、(3)カム軸センサーレス、(4)大気圧センサーレス、(5)26ピン小型ECU採用などが特徴となっており、システムの効率的なレイアウトでコンパクト設計を実現。優れたレスポンスを提供しています。
　またFI採用との最適化のためピストン、コンロッドもスペックを変更し、圧縮比は現行の10.1:1から10.9:1へ変更。性能向上に合わせVベルトも仕様を変更し信頼性を向上。これらの効果が相まって高速性能向上、低中での出力向上を達成、スポーツ性あふれる走りの特徴に一層磨きをかけました。
　なおFI採用及びマフラーの仕様変更（触媒採用）により、EU-2規制値をクリアーする優れた環境性能を実現しました。

　エンジン性能向上に呼応しフロントフォークはインナーチューブ径を現行の38mmから41mmへと変更。「TMAX」の特徴のひとつ、スポーツバイクタイプのテレスコピック式フォークの特色を一層引き出しました。またフロントブレーキには新たにダブルディスクを採用し、優れたストッピングパワーを確保しています。
　前後にラジアルタイヤを新採用。フロントは現行同サイズの120/70R-14、リアは現行の150/70-14 から160/60R-15へとサイズアップを図り操縦安定性向上を図りました。

　その他、(1)盗難抑止機構イモビライザー採用、(2)パーキングブレーキ採用（リアキャリパー一体式）、(3)新作インナーパネル採用、(4)ダブルシート形状・表皮変更、などを行ないました。