ヤマハ発動機(株)は、世界最高水準のリチウムイオンバッテリーと超薄型電動パワーユニットを、軽量アルミフレームに搭載したコミューターの新製品、ヤマハ「Passol」(原付1種)を02年11月より地域限定で先行販売します。クリーンな電気エネルギーの使用で、排出ガスゼロ、静粛かつ軽快な走りを実現しました。販売はインターネットで行ないます。
都会のミニマムコミューターに必要な機能に絞り込み設計した「Passol」は、従来型原付スクーターの概念を超えるスリムさ、軽快さ、フィット性、静粛で滑らか感覚の走りなどが楽しめます。電源には軽量・高出力な脱着式リチウムイオンバッテリーを採用し、1充電当たり航続距離32km(30km/h定地)を確保し、都会でのショートレンジ移動に適した性能を備えています。またアルミ材を多く使い重量は僅か44kg、全長153cmの小型設計が特徴です。なおリチウムイオンバッテリーは、新神戸電機(株)、(株)日立製作所との共同開発によるものです。
また本モデルは、4月に当社が発表した新中期経営計画「NEXT50」の4課題のひとつ“成長戦略の推進”の中に位置づく「新動力源戦略」を具現化した製品で、21世紀の新ミニマムコミューターを提唱するモデルです。
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ヤマハ エレクトリック コミューター「Passol」(パッソル) |
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<名称> |
Passol(パッソル) |
<予約開始日> |
2002年10月9日 |
<発売日> |
2002年11月 |
<カラーリング> |
イエローソリッド1 |
<販売計画> |
500台
(地域限定先行販売:東京・神奈川・千葉・埼玉、一部地域を除く) |
≪ 開発背景と製品概要 ≫
近年、各社からハイブリッド四輪車が市販され、四輪EVも一部公共施設などで実用化に及ぶなど、低環境負荷の小型EV・ハイブリッドビークルは著しく技術開発が進んでいます。こうした中、電動スクーターは一部メーカーから販売の動きもありますが、走行性や乗り味、電池性能、インフラなどの条件から普及に繋がらない状況となっています。また市場では、環境ニーズの高まりとともに、従来型50ccスクーターの走行性、航続距離や収納性等にこだわらず、イージー感覚で楽しむ二輪コミューターを期待する声も聞かれています。
ヤマハは93年から電動ハイブリッド自転車「パス」を導入し、累計で既に57万台の需要(02年1月迄)を記録しました。パーソナルビークルの原点としての自転車の有用性に着目し、地球環境問題、交通環境問題などに応える糸口として製品化した「パス」は、自転車の新しいカタチとして支持され顧客を増やしました。一方、二輪EVについてヤマハは、91年の東京モーターショー出展の「FROG」を皮切りに長年にわたり研究開発を進めてきました。
こうした背景下、電動ハイブリッド自転車「パス」で培った制御技術と、ヤマハ独自のヒューマンインターフェイス技術の投入を通じ、近未来の“新動力源”も視野に入れた21世紀型新コミューターとして開発したのが「Passol」です。
開発コンセプトは、《アーバン・ミニマム・コミューター》とし、都市部でのショートレンジ用途を考慮し、機能を絞り込んだ最適設計を行いました。(1)
EVならではの滑らかな発進と走行性、(2) 街路地もスマートに走れる静粛さ、(3) 家庭用電源から充電できる利便性、(4) 1充電約12円の経済性(1充電当たり32km航続/30km/h定地)などが特徴です。また、全長153cm、重量44kgと軽量小型で駐輪・保管時も手軽に扱えます。
なお「Passol」は、高い環境性能を実現し、ライフサイクルアセスメント(※LCA評価)ではCO2約60%削減、NOx約90%削減、SOx約80%削減を達成しています。(当社50ccスクーター比較)
※=LCA=ライフサイクルアセスメント。ISO14040シリーズで国際標準化されている。製品の環境への影響を、材料製造から廃棄にいたるライフサイクル全体で評価し、それを低減する目標で使う。
≪ 商品の特徴 ≫
■クリーンで滑らかな走りを生む超薄型パワーユニット《 YIPU 》
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YIPU
(ヤマハ・インテグレイテッド・パワー・ユニット)
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YIPU(ヤマハ・インテグレイテッド・パワー・ユニット)と呼ぶ新開発超薄型パワーユニットを搭載しました。このユニットは後輪ハブ部に、(1)
超扁平面対向型ブラシレスDCモーター、(2) 超小型コントローラー、(3) 遊星減速機、(4) ドラムブレーキなどを一体化し、さらにリヤアームと一体設計することでコンパクト化を図ったものです。電子スロットルと高度なモーター制御との相乗効果がクリーンで滑らかな走行性を実現しました。
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世界最高水準のリチウムイオンバッテリーと制御システム |
世界最高水準の性能をもち、脱着式では世界初の二輪車用リチウムイオンバッテリーを採用しました。(1) 軽量(単体重量約6kg)で安定した高出力、(2)
低温時も性能低下の少ない特性、(3) リフレッシュ不要、(4) 急速充電対応などが特色です。
車体搭載状態、取り外し状態いずれも家庭用電源から充電が出来きます。なお、1充電あたりの電気代は約12円の優れた経済性を実現しています。
■乗る人の意思とパワーユニットを繋ぐ相互制御システム《 YMCS 》の採用
ヤマハ独自の最新ヒューマンインターフェイス技術を投入した相互制御システム、YMCS(ヤマハ・ミューチュアル・コミュニケーション・システム)を搭載しました。(1)
バッテリー、(2) モーターコントローラー、(3) 充電器、(4) メーター、これら4系統に相互回路を設け、常に車両全体の総合制御を実現します。これにより、走行可能スタンバイ時、走行中、盗難抑止設定から車載充電まで様々な状態に応じ、システム起動やモーターの駆動・補機駆動などの制御が自動化され、イージーな運転性を実現しました。また必要な情報はメーターに表示される親切設計となっています。
またバッテリー性能の安定化を図るために、バッテリー・充電器・車両との通信を常に行い、各電池セル状態に応じた最適な充電・放電制御を行う新システム「リチウム・パワー・マネージメント・システム」を採用しました。CPU搭載の制御装置=BMC(バッテリマネージメントコントローラ)が、電池容量管理、電池保守機能、充電制御、自己診断機能など全10項目のチェック機能を備え、高精度な残量表示、効果的な電力使用、メンテナンスフリーを実現しています。
■デジタル液晶メーター
運転モード切替、暗証番号入力による盗難抑止装置、オド&トリップメーター切替などがボタン操作で出来るデジタル表示メーターを採用しました。運転スタンバイ時には、カウントダウンイメージの表示となるなど、車両の情報が常にユーザーに伝わるヒューマンインターフェイスを体感できます。表示項目は(1)
速度、(2) バッテリー残量、(3) 運転モード、(4) 盗難抑止機構設定、(5) 始動スタンバイ、(6) 車両状態、(7) 自己診断機能などです。なお、速度表示は見やすいポップ感覚な文字になっています。
■アルミ材を多用した軽量コンパクト設計(全長153cm、重量44kg)
快適な乗り心地の基本となるフレームは、軽量アルミパイプ合金を採用しました。左右方向に十分な剛性・強度を確保し、一方縦方向はアルミの弾性をクッション材として活用することで、しなやかで落ち着きのある乗り心地を実現しました。また、スリムなカバーレスイメージで軽快感を強調しました。
その他前後アルミホイール、フロントフォークアウターチューブなど、車体の30%(重量比)にアルミを投入し44kgの軽量ボディを実現。良好な取り回し性、軽快な操縦性を実現しました。なお全長も153cmの小型サイズで、駐輪時の効率に優れています。屋内保管も容易となっています。(ご参考:当社50ccスクーターの装備重量=70~76kg、全長162~167cm)
■スマートで快適な乗車ポジション
通常のスクーターに比べ、シート位置とフートレスト位置の距離を広く確保し、膝の曲がりが少ないスマートな乗車姿勢を取り易いポジションとしました。シート表皮は、クッション感触のよいウーリーナイロン製を採用しました。
■電費効率にすぐれた専用設計タイヤの採用など
この他、(1) 電費効率に優れる専用設計タイヤ採用、(2) スイッチオンと同時に点灯するオンスタートフラッシャー、(3) ポップアップ式シートロック、(4)
ヘルメットハンガーワイヤー、(5) リチウムイオンバッテリーに対応した24ボルト仕様の電装、などが特徴となっています。
全長×全幅×全高
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1,530mm×600mm×995mm
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軸間距離
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1,040mm
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最低地上高
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115mm
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シート高
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745mm
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車両重量
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44kg(バッテリー未装着時38kg)
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乗車定員
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1人
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1充電走行距離
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32km(30km /h定地走行テスト値)
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最小回転半径
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1.6m
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原動機型式
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Y801E
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原動機種類
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交流同期電動機
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定格出力
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0.58kW
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最高出力
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0.95 kW/1830rpm
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変速機形式
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遊星減速機
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ブレーキ形式
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(前/後)
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ドラム(リーディングトレーリング)
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タイヤサイズ
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(前/後)
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60/100-12 36J(チューブタイプ)
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懸架方式
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(前/後)
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テレスコピック/ユニットスイング
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フレーム形式
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バックボーン(アルミパイプ)
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バッテリー種類
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リチウムイオンバッテリー
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バッテリー電圧/容量
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25V/14Ah
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充電時間
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80%まで1.5~2時間/100%まで2.5時間
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バッテリー充電電源
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AC100V
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<メーカー希望小売価格> |
200,000円(専用充電器別売15,000円) |
※価格には保険料、税金(含消費税)、届け出に伴う諸費用は含まれない。
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