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コンパクトで高精度、低価格を実現 ヤマハミニモジュールマウンター「THREEM(スリム)」 新発売

2002年5月28日発表


 ヤマハ発動機株式会社の社内カンパニーである「IMカンパニー」(所在地:静岡県浜松市、プレジデント:戸上常司)では、プリント基板にチップなどの電子部品を搭載する、モジュール型サーフェスマウンター(表面実装機)の小型・高精度・低価格モデル「THREEM(スリム)」を開発。ヤマハ発動機の子会社であるアイパルス(株)よりOEM供給を受け、2002年8月8日より発売します。

 「THREEM(スリム)」は、Mini Module Mounter という新しいコンセプトの下に、当社とアイパルス(株)との初の共同開発によって生まれた新製品で、コンパクトな設計ながら高い部品搭載精度(±0.05mm)と、このサイズでは最高レベルの高速化(0.3sec/chip)、さらに従来の中型機の半額という大幅な低価格を実現し、近年の市場のニーズに対応します。
 特に、従来の高速量産ラインや「ヤマハ YV100Xg」などの中型機の補完マシンとして位置付けるなど、既存設備との組み合わせによる生産能力の強化に適した製品であることに加え、複数台の連結による量産にも対応しています。

 なお、「THREEM(スリム)」は、6月5日から7日まで東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される「JPCA Show 2002」に出品されます。


ヤマハミニモジュールマウンター「THREEM(スリム)」


<名称>ミニモジュールマウンター「THREEM(スリム)」
<発売予定日>2002年8月8日
<初年度販売計画>300台(年間・国内)




≪市場背景と製品の概要≫

 携帯電話やパソコン、家電製品等の電子・電気機器などに使われているプリント基板に電子部品を搭載する表面実装機の業界において、当社はマシンの高速化、信頼性と作業効率の向上に取り組んできました。特に近年の電子部品実装業界では、電子・電気製品の多品種化が進み、マウンターの導入に際しても大型高速機による大量高速生産指向から中型中速機を複数台ライン化した、汎用性が高く、品種切り替えにも容易に対応が可能な方式が注目されてきました。また、設備コストの軽減をはじめ、省スペース、省エネルギーなど、市場の要望はより高い付加価値を求める傾向にあります。
 さらに最近では、リモコンやキーレスエントリーに代表される小形基板で部品点数が少ない表面実装基板も増えてきており、これらには中型機では大きすぎるうえに高価という市場の声が出てきていました。
 
 こうした要求に応え、ヤマハ「THREEM(スリム)」はコンパクトで低価格でありながら、従来のマウンターの性能を凌ぐ本格派のマウンターとして、新しい市場領域をめざし、需要の活性化が見込まれる中国市場も視野に入れながら開発しました。
 さらに最新の中速機、高速機に匹敵する最高の精度を実現しており、0603極少チップの狭ピッチ実装を可能としました。
 本機は、(1)複数台の連結により量産に対応 (2)高速量産ラインやモジュールマウンターの補完マシンとして生産性の向上に貢献 (3)セル生産方式への対応、を最大の特長としています。


≪製品の特徴≫

(1)軽量・コンパクト
●目的に見合った機能に限定することで、本体寸法を従来のサーフェスマウンターに比べ大幅に小型化しました。そのため、高速機の袖部分にも設置可能となり、ライン長を延長することなく、生産性の向上と工場の省スペース化を実現できます。
●さらに高さを低く抑えたことにより、オペレーション作業を容易にしました。
●重量を約750kgと軽量化、高剛性ベースを採用することにより、ライン変更や マシンの移設作業を容易にしました。

(2)あらゆる角度から高精度を追求
●基本構造に完全一体型門型構造と、高強度鋳鉄製の軽量・高剛性なベースを採用し、移設時の精度確保に加え、長期間に渡る精度維持を可能にしました。
●FEM構造解析により、設計段階から高剛性を追求し、低振動を実現しました。
●多重精度補正システム「MACS」(*)の採用で、組付精度の限界、温度変化、経時変化などの精度変化要因に対し、複合的かつ多重的に精度補正を行い、±0.05mmの常時搭載精度を保証しています。
●熟練した技能者の手による「キサゲ」で精密な仕上げが施されています。

*MACS:Multiple Accuracy Compensation Systemの略称


(3)クラストップレベルの性能と機能
●小型機において、最高レベルの部品搭載速度(0.3sec/chip)を確保しました。
●複数台の連結で、既存の中・高速機なみの高機能を確保できるうえ、中・高速機との連結によって部品種、部品数、生産量などの向上が可能となります。
●フルサーボ制御の4連高速ヘッドを採用し、小型チップ(0603)の搭載から大型部品まで柔軟に対応できます。
●高さ調整不要の基板厚さ連動式プッシュアップ機構の採用に加え、自動幅(サーボ)を標準装備しました。

(4)低価格を実現
●当社とアイパルス(株)とのコア技術の融合やソフトの共用化に加え、従来製品との部品共用化、部品点数の削減を行うことで、コストダウンを図っています。

※「THREEM(スリム)」ネーミングの語源
 ヤマハ発動機(株)IMカンパニーの製品開発姿勢である「付加価値創造」を、社内では「3M(スリーエム)」と呼んでいます。1つ目のMは「Maximum Value(ユーザーにとって最大の価値のあるものを)」、2つ目のMは「Minimum Cost(最低の原価で)」、3つ目のMが「Most effective investment and efficient(最も効果的に効率的に作り上げる)」です。この3つを折り込んだ製品という意味をこめています。また「Mini Module Mounter(ミニ モジュール マウンター)」の意味も含まれています。

 

≪ヤマハミニモジュールマウンター「THREEM(スリム)」・仕様諸元≫

項目THREEM(スリム)
基盤寸法L50×W50mm~L330×W250mm
基盤厚0.4~3.0mm
基板搬送方向・スピード受注時選択式・256段階可変方式
装着精度CHIP ±0.05mm(μ+3σ)
装着タクト0.30sec/chip
設定装着角度±180° 0.01°単位
部品品種数テープ品 16品種(8mmテープ換算)
部品供給形態8~56mmテープ品、スティック品、バルク品
搭載可能部品0603~□31mmMAX
搭載可能部品高さ15mm
外形寸法全幅995mm×全高1,350mm×奥行1,300mm
重 量約750kg



<価 格>6,900,000円(消費税含まず)


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