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新機能採用で高精度、信頼性と操作性を向上させた ヤマハサーフェスマウンター『YV88Xg』を新開発

2000年11月27日発表

 ヤマハ発動機(株)の社内カンパニーである「IMカンパニー」(プレジデント:戸上常司、所在地:静岡県浜松市)では、1999年3月の発売以来汎用表面実装機のベストセラーとなっているモデル「YV88X」の精度、信頼性を更に向上させたグレードアップモデル「YV88Xg」を開発しました。 
 「YV88Xg」では特に電子部品搭載精度を±30ミクロン(QFP、CSP注1部品)に常時維持できる新たなシステムとして『MACS(マックス:多重精度補正システム)』を採用したほか、IT対応力強化のための通信機能向上やマン・マシンインターフェイスの一新による操作性の向上を実現させました。
 なお、この「YV88Xg」は12月13日から千葉県・幕張メッセにて開催される「‘00実装プロセステクノロジー展」に出展します。


ヤマハサーフェスマウンター「YV88Xg」

名称

ヤマハサーフェスマウンター 「YV88Xg」

発売日予定日

2001年 3月



製品の概要

 携帯電話やパソコン、家電、オーディオ製品等の電子・電気機器に使われているプリント基板に電子部品を搭載する表面実装機(サーフェスマウンター)の分野において、当社は製品の多品種化や開発サイクルの短縮化に対応するために中型機を複数台ライン化した汎用性の高いモジュール型高速実装ラインの導入を提唱してきました。特に1999年3月から相次いで発売した表面実装機「X-シリーズ」はマシン単体時のみならず2台以上の連結時での高速性・作業性を大幅に向上させる『モジュール型高速機』として高い評価を得ています。
 このたび開発した「YV88Xg」は、電子部品の中でも特に異型部品と呼ばれる部品搭載の汎用性に優れ、しかもチップ部品の高速搭載能力も兼ね備えたベストセラーモデル「YV88X」の基本設計をベースに、さらに部品搭載精度を向上させるための新たな機構『MACS(マックス:多重精度補正システム)』を採用し、搭載精度を0603チップ部品注2で±50ミクロン、QFP、CSP部品で±30ミクロンをフルタイム保証することに成功した。また、IT対応力強化のための通信機能向上やマン・マシンインターフェイスの一新による操作性の大幅な向上を実現させ、21世紀の新たな表面実装機としての進化を示した製品です。



製品の特徴

「YV88Xg」の新機構

新開発『MACS』(Multiple Accuracy Compensation System)の採用
 組み付け精度の限界、温度変化、経時変化等の精度変化要因に対し、複合的かつ多重的に精度補正を行うことで、常時搭載精度を保証できるシステムです。

電子部品認識のための新開発の高分解能デジタルマルチカメラと高速画像処理
処理装置『VICS3200注3』および新照明システムの採用

 「Xシリーズ」で高い評価を得た「VICS3000」をさらにグレードアップし、分解能は2倍(画素数4倍)としました。デジタルインターフェイス及び高輝度高効率な新照明との組み合わせにより、認識の汎用性と信頼性をさらに向上させました。

この『MACS』と新認識機能によって部品搭載精度は0603部品で±50ミクロン(μ+3σ<50μ)、QFP、CSPでは±30ミクロン(μ+3σ<30μ)まで向上し、同時に実装工程稼動中の部品吸着率についても0603部品で99.9%という業界最高水準の数値を達成しています。

操作性の大幅な向上
 より簡単に、迅速にマシンの操作ができるよう、従来のキーボード入力方式に加えタッチパネル方式も可能としました。各画面でもアイコンやヘルプなどをグラフィック表示することで、マン・マシンインターフェースを大幅に向上させました。

通信機能・データ管理機能の充実
 ITの急速な普及にも対応できるよう、オペレーションのOSにWindows注4 を採用しました。これによりLAN対応や通信機能の拡充にも利便性が増し、生産履歴情報やライブラリーデータの管理においても機能の向上を図りました。



「YV88X」からの技術

ヤマハ独創のフライングノズルチェンジ方式
 従来の汎用機では、多種の部品を扱おうとすると部品を吸着するノズル数が増え、頻繁にノズル交換を行う必要が生じ、その度にノズルステーションへの往復及び交換の時間がかかりロス時間となっていました。フライングノズルチェンジとはヘッドをインデックス形式とし、ヘッドが移動中に6種類のノズルの交換を行うことができ、交換時間が実質0とするヤマハ独自の技術です。

完全リジッドデュアルドライブ機構
 ヘッドが取り付けられているX軸ビームの整定性を高めるためにY軸の両端に2本のボールネジを配置し、動きを完全に同期させることで、加速性の向上と位置決め時間の短縮で高速実装を実現します。

高剛性のフレームとメカ部品
 モノコックフレーム等、機械の骨格となるメイン部品は全て高速、高精度作動に対応した高剛性の設計構造を織り込んでいます。

基板厚み(バックアップピン高さ)のサーボ自動設定
 従来、人の手で行なっていた基板バックアップピンの高さセットがサーボ式となり、基板の厚さに合わせたピンの高さをプログラミングによって自動設定できます。段取り時間の大幅な短縮に貢献します。

ノンストップ機能
部品フィーダー交換時のノンストップ機能をATS注5やYTF注6にも採用。
生産中であってもマシンを止めずに部品の補給を行なう事ができ、実生産時間の効率向上を実現します。

 

注1. QFP:大型電子部品の一種(Quad Flat Packageの略)
CSP:メモリーモジュール等に使われる電子部品の一種(Chip Scale Packageの略)で、近年用途も量も増加している
注2. 0603チップ部品:方形 0.6mm x 0.3mmの極小チップ部品
注3. VICS3200:ヤマハビジョンコントロールシステム(Yamaha Vision Control System) 
注4. Windowsはマイクロソフト社の商標です。
注5. ATS:Yamaha Auto Tray Sequencer トレー自体をダイレクトにマウンターに供給る装置。
注6. YTF:Yamaha Tray Feeder トレー上の部品をマウンターに供給する装置。



仕様諸元


機種

YV88 Xg 

基板寸法

L460 x W440mm (Max.)/ L50 x W50mm(Min.)

基板厚

0.4~3.0mm

基板搬送方向

右→左、 Uターン(オプション:左→右)

装着精度

±0.05mm(0603,1005チップ゚部品)
±0.03mm(QFP、CSP部品)

装着タクト

0.55秒/個(チップ゚部品)
0.9秒/個(QFP、CSP部品)

部品品種数

・テープ品 94品種(Max., 8mmテープ換算)
・トレー品 80品種(Max., YTF使用時)

部品供給形態

8~56mm幅テープ品、スティック品、バルク品、トレー品

実装部品可能寸法

・0603~□32mm部品、□54mm部品(シングル認識カメラ) ロングコネクタ(L100 x W32mm)、CSP、BGA、QFP、DIE
・ 搭載可能部品高さ:15mm (FNCヘッド゙)、20mm(SFヘッド゙)

電源仕様

定格:4KVA、 三相AC 200/208/230/240/380/400/416V ±10%、50/60Hz

供給エア源

0.55MPa以上、150l/min.(ANR)(Max.)、清浄乾燥状態

外形寸法

L1,650 x W1,408 x H1,850mm

重量

約1,570kg



メーカー希望小売価格

ヤマハサーフェスマウンター 「YV88Xg」

未定


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