軽快・コンパクト・スマートボディの電動車いす　｢ＪＷ－III｣（ジェイ･ダブリュー･スリー）新発売

　ヤマハ発動機（株）は、従来の電動車いすのイメージを一新した、軽快、コンパクト、スマートボディの電動車いす「JW-III」（ジェイ・ダブリュー・スリー）を2000年4月1日より発売します。
　｢JW-III」は、1998年10月に東京ビッグサイトで開催された「第25回国際福祉機器展」に初めて参考出品されました。その後、実際の電動車いすユーザー、介護にあたる方、病院、施設の関係者の方々によるモニターテスト結果をもとに、乗り降りの利便性を高めるための回転シートの採用、幅広いユーザー層に対応するための車体各部へのアジャスタブル機能の採用、航続距離の確保のためのニッケル水素バッテリーの2基掛けなど、大幅な設計の改良、変更を行ないました。開発当初の軽快、コンパクト、スマートボディのコンセプトはそのままに、使い易さを徹底して追求した電動車いすとしての特徴を備えています。

ヤマハ 電動車いす「ＪＷ－III」

　ヤマハ発動機では、1996年より手動車いすを電動化するユニット「JW-Ⅰ」および電動アシスト化するユニット「JW-Ⅱ」の販売および国内外へのOEM供給を行なってきました。この度このＪＷシリーズに新たに追加となる「JW-III」は、車体設計も当社が行なった本格的な電動車いすです。
　「JW-III」は、従来の電動車いすのイメージを一新した、カラフルでスマートなデザインをベースに、軽快さ、コンパクトさを追求しました。 また手動車いすや電動化された手動車いすを操作できない比較的重度の歩行障害者や高齢者などでも安全かつ容易に操作できるよう車体、シートなど細部に親切設計を折り込みました。
　なお本品は厚生省による補装具としての認定、および介護保険の対象品にも認定されました。

　(1)ヤマハのテクノロジーを結集させた新設計の駆動モーターを採用しました。スムーズで正確な発進、停止や、数センチの微速移動など、信頼のモーター制御技術が生かされています。
　また、速度は手元のジョイスティック部分の切替えボタンにより、5段階にモード設定が可能です。
　(2)「JW-III」は駆動輪を座席下部つまり重心真下に、前部に揺動式の2輪、後部に2輪を配置した「前輪揺動6輪方式」を採用したことにより、走行安定性、段差乗越え能力を十分に確保しました。もちろん、その場回転やトラバース走行も可能です。

　(1)車体やモーター部の軽量バランス設計と同時に、軽量で環境にやさしいニッケル水素バッテリーを採用することで、車体総重量はバッテリー2個装着時で、50.8Kgと既存の電動車いすより約40％も軽量となりました。
　(2)カセット装着式のバッテリーをはずし折り畳みができる車体設計としました。 収納時の省スペース化を実現するとともに、ワンボックス車等への積載も可能です。

　(1)乗り降りをスムーズにするための36°回転式シートと可動式アームレストの採用を行ないました。
　(2)使用される方の体型や症状により、シートの高さは4段階（最大4.5cm）、リクライニング（最大16°）調節を可能としました。また3Dネット構造のシートは、ムレを防ぎ、長時間座っていてもお尻の痛みを最小限にします。
　(3)走行操作を行なうジョイスティック部分についても、アームレスト部分を含み前後に8cm、上下に6.6cmの範囲で調節を行なう事ができます。年齢、性別、症状を超えた幅広いユーザーへの快適さの提供を実現しました。

　(1)専用のニッケル水素バッテリーは、シートの左右に2個装着でき、フル充電で20km以上の走行が可能です。また、5段階の表示ランプによって一目でバッテリー残量がわかります。
　(2)バッテリーの専用充電器は、AC100V～240V、50／60Hz対応。海外への旅行も安心です。
　(3)シート下部には収納ボックス、背もたれ後部には小物が入る収納バッグを装備しています。
　(4)切替えレバーにより、手動車いすと同様に介助者が手押し操作する事も可能です。介助操作部（別売り）により、自走も介護走行もできます。これは一つの駆動系統に二通りの制御系統を配置したヤマハ独自の技術です。介助操作部は前進・後進各5段の速度モード切替えができ、ハンドブレーキも装備しています。

＊ヤマハパターン走行時（バッテリー満充電２個装着時、常温２５℃、直線平坦路連続走行時）
注：本仕様は予告なく変更する事があります。