ヤマハ発動機株式会社は、「国際競争力のさらなる強化」の達成・実現のために、これまで、国内の二輪車事業や舟艇事業など様々な構造改革に着手し、変化に強い企業体質への変革を目指してきました。また、この体質変革をさらに加速・実行するために、このたび、「GHP事業の整理・撤退ならびにCV事業・ATV事業の強化」および「電装部品子会社の統合」など、事業再編による企業体質の強化について下記の通り決定しましたので、ご案内申し上げます。
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GHP(ガス・ヒートポンプ・エアコン)事業の整理・撤退とCV事業・ATV事業の強化 |
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当社は、1987年9月、ガスエネルギーで空調を行う「ヤマハ・ガス・ヒートポンプ・エアコン」
を新発売し、冷暖房業界に新規参入しましたが、以下の通り、GHP事業を整理し、本年3月末をもって撤退するとともに、その経営資源を、需要拡大が見込めるCV(コミュータービークル)事業およびATV(四輪バギー)事業に移管・集約化を図ることを決定しました。 |
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(1) 背景・理由
当社は、日本のエネルギー対策(石油依存度の低減、エネルギーの標準化)としてガス冷房を広く普及させる国の方針の下、1981年に設立された「小型ガス冷房技術研究組合」にエンジンメーカーとして参加し、長年培ってきた小型エンジン技術を活用し、1987年、業務用2馬力の小型冷暖房システムを商品化しました。以来、12年間、ガス会社等各社の協力を得ながら2~20馬力の商品を開発・生産・販売し、現在、年間売上約200億円、累計販売台数は13万台となりました。
しかし、昨今の事業活動は、長引く国内景気の低迷や販売価格競争の激化などにより、厳しい経営状況が続いています。当社では、家庭用や大型流通店舗向け商品の開発、そして部品の共通化等のコスト低減などで経営の効率化に努めてきましたが、事業採算は難しく、累積欠損額も100億円を上回る規模に至っています。
今後も、GHP事業は、市場競争力、投資等の様々な事業経営視点から、空調システムの
総合メーカーでない当社が、GHP事業を自立化させることは将来的にも困難であると判断
し、撤退を決定しました。
(2) 今後の対応とCV事業・ATV事業の強化
今後の対応として、お客様に対しては、社内にGHPアフターサービスプロジェクトを4月より発足し、今後のご使用に対し充分な対応のための検討と対策を誠意を持って実施します。
また、取引先についても同様の対応をしていきます。
なお、人材・設備等につきましては、現在繁忙で不足感があり、また、今後も成長が見込めるCV事業およびATV事業に経営資源の増強と集約化を図り、現在、GHP事業関連に従事する従業員をCV事業やATV事業への異動を実施していきます。
また、GHPの生産工場は、ATVの生産に組み替え予定です。 同工場では、現在、ATVフレームの溶接と塗装工程を受け持っており、組み立て工程が移管する事で、溶接・塗装・組み立ての一貫生産が可能となります。なお、今後の具体的な日程や対応等については、労働組合と協議の上、詳細を決定していきます。
(3) 業績への影響
GHP事業の整理・撤退により約50億円の特別損失が予想され、2000年3月期に計上する予定です。これにより、65期(平成12年3月期)の見通し数字は、別紙の通りです。 |
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CV事業は、排気量250cc以下の二輪車で、国内外のスクーターや海外工場が生産するCKDモーターサイクルの開発・生産・販売を統括・支援する事業。 |
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ATV事業は、幅の広いタイヤで悪路走行に優れている四輪バギー車の開発・生産・販売を統括する事業。 |
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電装部品子会社の合併・統合 |
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当社は、このたび、当社子会社である電装部品メーカーの「森山工業株式会社」(本社:静岡県周智郡森町、代表者:野村 和彦)が、二輪車用電装部品の海外生産のサポートを主業務とする「株式会社アイアイシー」(本社:静岡県磐田市岩井、代表者:野村 和彦)を、本年4月1日付けで吸収・合併することを決定しました。
森山工業(株)は1973年に創立され、現在、当社の二輪車など主要製品の電装部品や電動ハイブリッド自転車「ヤマハ パス」の制御ユニットなどの開発・製造・販売を事業とし、また、(株)アイアイシーは1978年に創立され、現在、当社海外製造拠点向けの電装部品の供給と現地化促進を事業としています。
このたびの合併は、電装事業の世界的な競争激化や現地工場の自製化進展などの市場
環境に対応するものであり、両社を合併させる事により、製造・販売・技術における一体の事業推進が可能となり、事業の効率化や現地海外拠点へのさらなる支援強化とともに、当社電装技術や制御技術の強化を目指しています。
また、合併に伴い、(株)アイアイシーが国内や海外(インドネシア)で実施している浄水機
事業は当社に、二輪車など盗難防止のための施錠ロック事業は当社部品子会社に、それぞれ営業権を譲渡する予定です。
なお、合併の要旨は以下の通りです。 |
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(合併の要旨) |
(1)合併方式: |
森山工業(株)を存続会社とする吸収合併方式で、(株)アイアイシーは清算 |
(2)合併日程: |
合併契約調印 |
2000年1月27日 |
合併契約承認総会 |
2000年2月14日(両社) |
合併期日 |
2000年4月1日 |
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(3)合併比率: |
(株)アイアイシーの株式1株につき、森山工業(株)の株式0.1株を割り当てる。 |
(4)合併により発行する新株式数: |
165,000株 |
(5)合併により増加する新資本金: |
82,500千円 |
(6)合併後の商号: |
森山工業株式会社 |
(7)合併後の本店住所: |
静岡県周智郡森町森1450番地の6 |
(8)合併後の資本金: |
272,580千円 |
(9)合併後の発行株式総数: |
291,720株 |
(10)代表者名 : |
野村 和彦 |
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以上、当社では、本年を「企業の総合力や対応スピードなど真価が問われる自己革新の年」と位置づけ、21世紀に向け企業体質のさらなる強化を目指していきます。 |
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ご参考 |
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GHP(ガスヒートポンプエアコン)事業の概要 |
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事業内容: |
2~20馬力までの家庭用・業務用のガスヒートポンプエアコンの開発・生産・販売 |
売上高: |
200億円(2000年3月期計画) |
販売先: |
都市ガス3社およびLPGガス会社等を通して、国内のビル・大型流通店舗・
レストラン・事務所・商店・一般家庭・工場・病院・学校に販売 |
従業員数: |
ヤマハ発動機(開発・販売)248人、創輝株式会社(生産) 140人 |
生産拠点: |
創輝株式会社・掛川工場(静岡県掛川市) |
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森山工業株式会社の概要 |
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代表者名: |
野村 和彦 |
所在地: |
静岡県周智郡森町森1450番地の6 |
設立年: |
1973年11月 |
資本金: |
1億9千万円 |
事業内容: |
電装部品および産業用電子部品の開発・製造 |
従業員数: |
468名 |
売上高: |
128億円(平成11年3月期) |
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株式会社アイアイシーの概要 |
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代表者名: |
野村 和彦 |
所在地: |
静岡県磐田市岩井2000番地の1 |
設立年: |
1978年4月 |
資本金: |
8億2千5百万円 |
事業内容: |
海外における電装部品製造のための海外投資・技術供与、浄水機および盗難防止用ロックの販売 |
従業員数: |
77名 |
売上高: |
34億円(平成11年3月期) |
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以 上 |
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単独通期及び連結業績予想の修正 |
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1.平成12年3月期単独通期業績予想数値の修正(平成11年4月1日~平成12年3月31日) |
(単位:百万円、%) |
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売上高 |
経常利益 |
当期純利益 |
前 回 発 表 予 想 (A)
(平成11年11月19日発表) |
585,000 |
12,000 |
4,000 |
今 回 修 正 予 想 (B) |
585,000 |
12,000 |
1,000 |
増 減 額 (B-A) |
0 |
0 |
△3,000 |
増 減 率 |
0.0 |
0.0 |
△75.0 |
前期(平成11年3月期)実績 |
583,277 |
11,183 |
6,461 |
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2.平成12年3月期連結業績予想数値の修正(平成11年4月1日~平成12年3月31日) |
(単位:百万円、%) |
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売上高 |
経常利益 |
当期純利益 |
前 回 発 表 予 想 (A)
(平成11年5月18日発表) |
840,000 |
21,000 |
10,000 |
今 回 修 正 予 想 (B) |
850,000 |
27,000 |
7,000 |
増 減 額 (B-A) |
10,000 |
6,000 |
△3,000 |
増 減 率 |
1.2 |
28.6 |
△30.0 |
前期(平成11年3月期)実績 |
808,183 |
25,284 |
9,740 |
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連結業績の前回発表予想は、平成11年5月18日に発表した公表数字を使用しています。なお、平成11年11月19日の中間決算発表時には、売上高8500億円、経常利益270億円、当期純利益100億円を、参考数字としてご案内させて頂きました。 |
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