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業界初のアブソ方式を採用 低価格・コンパクトの上に21世紀に向けて高耐環境性を追求 ヤマハ単軸ロボット「FLIP-X T4、T5」新発売

1999年10月25日発表

 ヤマハ発動機(株)は、エアー機器並みに使い易く厳しい環境でも使える、低価格コンパクトの新世代単軸ロボットFLIP-X T4、T5の2機種を2000年1月6日より発売します。
 このFLIP-X T4、T5は、従来高級大型ロボットにのみ使われていた耐環境性の高いレゾルバ式アブソ方式(アブソ方式:電源をOFFにしてもスライダー位置を記憶し、再起動の際に即時立上げを可能とする)を標準装備し、コンパクトさ、性能、すべてに新しい価値を提供し、多様化するユーザーニーズに対応できる21世紀の小型ロボットとして、今後のロボット市場を拡大していくことが期待される商品です。価格面でも、エアー機器並みの価格設定を行いました。


ヤマハ(アブソ)単軸ロボット「FLIP-X T4、T5」とコントローラ「ERCX」

名称

「FLIP-X T4、T5」「ERCX」

発売日

2000年1月6日

初年度販売計画

2機種合計 3,000台



商品の概要

 FLIP-X T4、T5は、昨今の生産設備用ロボットに対する要求、「小さい」「安い」「使い易い」「故障しない」「メンテナンスし易い」を満たすことを開発コンセプトとした新型ロボットです。
 市販サーボモータを使わずモータ部を新設計し、ボールネジとモータシャフトを一体化、ボールネジとモータ間のカップリングを省き、ベアリング点数を減らすことで、大幅なコンパクト化とコストダウンの両方を実現しました。また万が一モータ部が故障しても、モータの構成部品を個々に交換できる構造にし、他社にはないメンテナンスの容易さを可能としました。
 さらに、位置検出器としてエンコーダの代りに耐環境性に優れる絶対角度検出器であるレゾルバを採用することで、温度・湿度・衝撃・振動・ノイズなどへの対応性能を強化し、完全原点復帰レスのアブソリュート位置検出機能を単軸ロボットとしては初めて標準装備しました。
 これにより、低価格でコンパクトなだけでなく、使い勝手の良さや優れた耐環境性が要求されるエアー機器からの置換需要が期待され、温度や振動などが問題となる製鉄所・鍛造や鋳造職場などの悪環境での使用にも強みを発揮することができます。



主な特長

コンパクト

 サーボモータを構成するモータ、位置検出器、ベアリング、シャフト、モータケースをロボットの一構成部品として見直した再設計を行い、ボールネジとモータシャフトの一体化、カップリングレス、ベアリングを減らすことで、大幅に小型化することに成功しました。T4は、幅を45mmと抑えた上でストローク50mmで全長250mmと業界で最も短くなるようコンパクトさを追求しました。T5は、幅広ガイドを採用し幅が55mmに拡がりますが許容負荷モーメントを大きくとり、スライダに偏荷重のかかるアプリケーションに対応しました。


低価格

 モータ部の再設計を行うことによるロボット本体の大幅な部品点数の削減、コントローラをDC24V入力とすることによる高電圧回路、部品の削除で、エアー機器と十分競争できる低価格を実現できました。


設備の垂直立上げに貢献する完全原点復帰レス機能を標準装備

 一回転内の絶対角度検出が可能なレゾルバを採用することで、低価格で原点復帰レス機能を標準装備しました。電源を入り切りする度に行わなければならなかった煩わしい原点復帰動作を行うことなく、電源を入れて即座に設備を稼働することができます。


優れた耐環境性

 ロボットの部品として最も耐環境性が低い位置検出器に、基本的にモータと同じ簡単で堅牢な構造を持つレゾルバを使い、ロボットとして高低温環境、振動衝撃に耐える設計を行いました。従来の位置検出器の光学式エンコーダと比較して、レゾルバは温度範囲で-10℃~80℃に対し-55℃~155℃、振動で5Gに対し20G、衝撃で30Gに対し100G、と格段の優位性を示しています。


現地メンテナンスも可能

 万一故障しても、モータなどロボット本体の部品が現地で交換できる設計を行い、平均ダウン時間(MDT)を極力短くできるよう配慮しました。


薄型軽量で機能満載のコントローラ「ERCX」

 現行の単軸ロボット用コントローラSRCHシリーズと高さ奥行きは変えず、幅を78mmから30mmへ、重量を1.5kgから900gへ薄型軽量化することで、制御盤内へ効率よく収納できるようにしました。また、マルチタスク機能などの豊富な機能、ロボット言語などの使い易さは現行の上位機種SRCHシリーズと同等であり、プログラミング装置などの周辺機器の互換性も維持しました。



主な用途

 電気・電子部品、機械部品の組立、挿入、取り出し、搬送(移動、移載)から、様々な先端ツールを取り付ける事により、ネジ締め、ボンド塗布、圧入、ハンダ付け等の作業を行わせることができます。応用と工夫しだいで幅広い用途に使用できます。

 この製品は10月26日より29日まで東京ビッグサイトで開催される「'99国際ロボット展」に展示されます。



ロボット本体基本仕様


形式

T4

T5

モータ種類 

ACサーボ 

ACサーボ

モータ出力 (W) 

30 

30

最大速度 (mm/s) 

720/360/120 

800/400

最大可搬重量
(kg)

水平

4.5/6/6 

5/9

垂直

1.2/3/6 

1.5/3.5

繰り返し精度 (mm)

±0.02 

±0.02

定格推力 (daN、kgf) 

3.2/6.4/19.1

3.2/6.4

減速機構 

ボールネジ

ボールネジ

ボールネジリード (mm)

12/6/2

12/6

ガイド機構

リニアガイド

リニアガイド

ストローク (mm)

50~300 (50トビ)

50~600 (50トビ)

静的許容
モーメント
(Nm)

MP

4.3 

7.8

MR

15.8

30.7

MY

6.2 

9.4

全長 (mm)

ストローク長+200.5

ストローク長+212

幅 (mm)

45

55

高さ (mm)

52.5

52

重量 (kg, ストローク50mm)

1.1 

1.7



専用コントローラERCX基本仕様



 

 

適応モータ容量 

最大30W

制御軸数 

1軸

制御方式 

ACフルデジタルサーボ

位置検出方式 

多回転量データバックアップ機能付レゾルバ

速度設定

1~100%、1%毎

加減速度設定

1)ロボット形式、質量パラメータにより自動設定、
2)加速度パラメータによる設定 1~100% 1%毎

原点復帰

不要







プログラム言語 

ヤマハロボット言語、マルチタスク機能:最大4タスク

プログラム数 

100プログラム

ポイント数 

1000ポイント

プログラムステップ数 

255ステップ/1プログラム、3000ステップ/トータル以下

ポイント入力方法 

マニュアルデータイン(座標値入力)
リモートティーチング
ダイレクトティーチング





汎用入力/出力

16点/13点

専用入力/出力

8点/3点

外部駆動電源 

DC24V 1A

外部通信

RS232C 1CH (TPBまたはパソコンとの通信用)

ブレーキON/OFF出力 

リレー出力 1点

非常停止

ノーマルクローズ接点(非常停止時の復帰機能付)




電源 

24VDC±10% 3A

使用温度

0~40℃

使用湿度

35~85%RH(結露無きこと)

外形寸法

W30×H250×D157

質量 

0.9kg



メーカー希望小売価格

ヤマハ単軸ロボット(ACサーボモータ仕様)
「FLIP-X T4」 50mmストローク セット価格
「FLIP-X T5」 50mmストローク セット価格


99,000円
105,000円

(消費税は含まず)


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