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ヤマハ発動機株式会社 Revs Your Heart

世界初のHPDIを搭載。クリーンで経済的な高性能2ストローク船外機 ヤマハ船外機「Z200N」新発売

1999年09月13日発表

 ヤマハ発動機株式会社では、新技術・HPDI(High Pressure Direct Injection高圧筒内直接噴射)を搭載した2ストローク200馬力船外機「Z200N」を10月に世界同時に発売開始いたします。
 「Z200N」はヤマハ独自のHPDI技術を適用し、2ストローク船外機の軽量・コンパクトという特性をいかしながら、クリーン度・燃費を飛躍的に向上させた新世代船外機です。環境対応の面ではEPA(米国環境保護庁)の2006年規制値に対してHC+NOx排出量は30%下回り、燃費に関しては従来型の2ストローク船外機を30%上回ります。
 当社では9月9日、環境に対するヤマハ発動機の企業方針・目標を策定した『2010年環境アクションプランEco・Cite YAMAHA』を発表しました。「Z200N」はこの方向性を具現化した新商品です。


ヤマハ船外機「Z200N」

名称

ヤマハ船外機「Z200N」

販売計画台数

5,000台/年間(国内・海外合計)



市場背景と商品の概要

  世界的に環境保護の気運が高まるなかで、船外機の世界でも、性能ばかりでなくクリーンな排ガスと燃費の良さを求めるユーザーが増えています。
 アメリカでは1998年モデルから排ガスに関する「EPA規制」が総量規制の形で適用され、ヨーロッパではマリンエンジンを対象とした個別排ガス規制の導入が始まろうとしています。国内でも日本舟艇工業会がアメリカに準じた排ガス規制を採用し、2000年から自主規制が始まります。
 船外機は100年近い歴史を持つエンジンで、これまで2ストロークが主流でした。しかし、従来の2ストロークエンジンでは構造上、EPA規制をクリアするのが困難と見られています。
 船外機メーカーの対応としては (1)4ストローク船外機 (2)直噴2ストローク船外機 (3)キャタライザー搭載が考えられ、ヤマハ発動機ではそのすべてのタイプの研究開発をおこなっています。
 まったく新しい直噴技術、HPDIを搭載した「Z200N」は、軽量・コンパクト・高出力という2ストローク船外機本来の特性を損なわず、自然環境への十分な配慮も加えた高性能船外機として、ユーザーの選択幅を大きく広げる商品です。



ヤマハ船外機「Z200N」の特徴

世界で最も高圧の筒内直接噴射を実現

 ヤマハHPDIシステムは、50気圧という高圧で微粒子化した燃料をシリンダー内に直接噴射し、効率良く燃焼させるシステムです。従来の直噴システム(20気圧程度)に比べより霧化・気化しやすく、そのため薄い燃料で高効率の燃焼が得られます。
 また、インジェクターの噴射は排気ポートが閉じると同時に瞬時に行われるため、2ストローク特有の「吹き抜け」がなく、燃費と排ガスのクリーン度が大幅に向上します。



「Z200N」の高圧フュエルインジェクター

「Z200N」の高圧燃料ポンプ

各種センサーとECUが最適コンディションを維持

 当社独自の酸素センサーをはじめ、各種のセンサーが感知した情報がマイクロコンピュータ(ECU)へ伝えられ、燃料噴射量・噴射タイミング・点火時期などが常に最適に制御されます。

ヤマハHPDI(高圧直噴)システム


クリーンで、静かで、経済的

 HPDI専用に新設計された76°V6エンジンは従来の直噴モデルに比べ非常に軽量・コンパクトで、同一馬力モデルの中で排気量も最小です。
 そのため、HPDIシステムとあいまって、「Z200N」の燃費性能は他社直噴モデルを約20%、キャブレタータイプの2ストロークモデルを30%上回ります。加速特性やプレーニングに入るまでの時間でも他モデルを約16%上回る高性能を発揮します。
 HPDIシステムは環境対応の点で特に効果的です。効率の良い高圧直接噴射により、ガソリンは少量で済み、しかもムダ無く殆ど完全に燃焼するので、排ガス中のHCとNOx生成を低レベルにおさえることができます。「Z200N」はEPA2006年規制値を30%下回る4ストローク並みのクリーン度を実現しています。
 また、静粛性に関しては、共鳴式吸気サイレンサーの搭載がエンジンノイズを大幅に減衰させ、アイドリング専用のノイズ低減システムも効果を発揮します。さらに、アイドリング時には2気筒を休止し、船体に伝わる振動を低減する機構も搭載しています。「Z200N」の航行はいつでも快適です。


自己診断システムとフェイルセーフ機構を搭載

 「Z200N」は、ECUにパソコンを接続して、画面上で故障個所や処置方法を知る自己診断システム(ダイアグノシス)を搭載しています。故障の履歴も確認できます。
 また、万一、システムの一部やセンサーが故障しても低速でエンジン運転が続行できるフェイルセーフ機構を搭載しています。



「Z200N」仕様諸元


エンジン形式

2ストローク76°V型6気筒

排気量

2596cm3

ボア×ストローク

90mm×68mm

プロペラ軸出力

147.1kW(200ps)@5000rpm

舵角

左右32°

全高

X:1782mm

全幅

554mm

全長

792mm

乾燥質量

X:220kg



メーカー希望小売価格

Z200NX

1,830,000円(消費税別)

 

*「Z200N」は、本年2月の東京国際ボートショーに参考出品された「HPDI-200」と同一のモデルです。


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