コスト重視の郊外型大型流通店舗などに最適　ヤマハＧＨＰ「ＳＨ２０」新発売

　ヤマハ発動機（株）では、大店法の緩和により出店の急増している郊外型の大型流通店舗やレストラン・外食産業に最適の大空間空調用に、機能を簡素化することで低コスト化を図ったガスヒートポンプエアコン（ＧＨＰ）「ＳＨ２０」を新開発、１９９８年１月より発売します。

ヤマハＧＨＰ「ＳＨ２０」

　大規模小売店舗法（大店法）の規制緩和によって近年、小売店舗の大型化が急速に進み、ショッピング・センター、ディスカウント・ストア、ホーム・センターやパワーセンターと呼ばれる複合商業施設等の郊外型の大型流通店舗が急速に増えています。こうした大型流通店舗の空調設備に対するニーズは、とりわけコスト面での要求が高い。元々、ランニング・コストの面ではガスをメイン・エネルギーとするガスヒートポンプエアコン（ＧＨＰ）は電気式エアコンに対し有利でした。今回発売するヤマハＧＨＰ「ＳＨ２０」は、当社のビル用のマルチエアコン「Ｍシリーズ」をベースに、大型店舗や外食産業のような大空間建築物向けを主要なユーザーとして新開発した、今までのＧＨＰにはなかった新しいジャンルを開く新製品です。大型店舗のような面積が広い大空間をパワフルにしかもローコストで空調し、しかも使い勝手の良さを維持しつつ機能を簡素化することによってコストを低減したモデルです。コストと機能の好バランスを図りつつ、室内機６機とのセット価格で現行「Ｍシリーズ」２０馬力比、１７．４％の大幅な値下げを実現しました。また、コストに対する厳しいニーズに対応して施工性も考慮し、工事費を押さえる設計が可能となっています。

　能力的に同等の当社の「Ｍシリーズ」２０馬力との比較では室外機単体では１２．８％の値下げ。広さ３００・の空間を空調するための、室内機Ｊ９０型６台との標準的なセットではセット価格６４１．８万円から５４７．６万円へ９４．２万円、１７．４％の値下げを実現した。またＧＨＰは税制上、優遇税制が適用されるメリットがある。

　ガスをメイン・エネルギーにしているため同クラスの電気式エアコンと比較して年間ランニングコストは２０～３０％安い。

　ベースとなったビル用マルチ「Ｍシリーズ」と同等の設計の自由度を確保し、冷媒配管が一系統なので施工費を押えることが可能である。

　「Ｍシリーズ」と同様、分岐後の配管距離が長く、配管長の制限により空調出来ないスペースが生じにくい。

　接続された複数の室内機は同時に運転開始し同時に停止する。広い空間での快適空調を維持するため、温度調節は室内機全機の平均温度によるサーモ運転、あるいは全室内機中の最低温度あるいは最高温度によるサーモ運転等、５通りのサーモ設定の中から建物の条件やユーザーの使用条件に合わせて最適のサーモ設定の選択を可能とした。

　１台の室外機に１台から最大６台の室内機の接続が可能。しかも、異なる容量、異なるタイプの室内機を６台まで自由に組合せることが可能。

　接続できる室内機の容量の合計は室外機容量の５０～１３０％まで広い範囲で室内機の能力に対応する。

大型流通店舗、レストラン、外食産業、工場、食堂ほか。

※１．優遇税制：取得価格の７％を法人税または取得税の額から控除するか、又は、取得価格の３０％を通常償却に加えて計上できる。
※２．２０～３０％安い：ガス料金、電気料金、使用条件によって異なるが、当社ビル用マルチのユーザーの使用実績調査によるデータ。

※１．冷暖房能力はＪＩＳＢ８６１６の条件にて冷媒配管長５ｍで運転した場合の最大能力です。
冷房時：室内側吸込空気温度２７℃ＤＢ、１９℃ＷＢ、室外側吸込空気温度３５℃ＤＢ。
暖房時：室内側吸込空気温度２０℃ＤＢ、室外側吸込空気温度７℃ＤＢ、６℃ＷＢ。
※２．ガス配管口径・ガスメーターの選定に際しては、空気条件（外気温度等）によりガス消費量が変化しますのでご注意下さい。
※３．運転音は、ＪＩＳＢ８６１６の条件（高さ１ｍ、前方１ｍ）にて無響室で測定した値です。
※４．ガス種１２Ａは１３Ａ仕様に対し、部品交換が必要です。
※５．ガス種６Ａ、５Ａ、５Ｂ、５Ｃ、７Ｃ、５ＡＮ、４Ａ、４Ｂ、４Ｃは６Ｂ・６Ｃ仕様に対し部品交換が必要です。
ただしガスの組成により対応できない場合があります。
※６．（　）内は塩害寒冷地仕様の数値です。