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ヤマハ発動機株式会社 Revs Your Heart

高速・高精度の接着剤自動塗布機、ヤマハ・ディスペンサー 「YM84DIII」「YV86D/100D」新発売

1997年04月07日発表

 ヤマハ発動機(株)では、プリント基板に電子部品を搭載するサーフェスマウンターの前工程で、プリント基板へ電子部品を固定させる接着剤の塗布を行なうディスペンサー「YM12D」を大幅にモデル・チェンジし「YM84DIII」として4月15日より新発売します。同時に当社のフルヴィジョン式サーフェスマウンターに対応します。高機能ディスペンサー「YV86D/100D」を新発売します。


ヤマハ・ディスペンサー「YM84DIII」

名称

ヤマハ・ディスペンサー「YM84DIII」「YV86D/100D」

発売日

1997年4月15日

初年度販売計画

「YM84DIII」100台
「YV86D/100D」100台



商品の概要

 パソコン、携帯電話、その他電子機器製品の販売拡大や家電等の耐久消費財でのマイクロ・コンピュータの使用の一般化に伴い、これらの製品に組み込まれるプリント基板を組み立てるサーフェスマウンター(表面実装機)の需要も拡大を続けています。サーフェスマウンターがプリント基板上に電子部品を搭載する前工程で、電子部品を固定するための接着剤やはんだを基板上に自動塗布する機械がディスペンサー(接着剤塗布機)です。
当社は、ヤマハ・ディスペンサーYM12Dを90年5月以来販売していますが、最近のサーフェスマウンターの高速化、高精度化に伴い、ディスペンサーに対しても高速化、高精度化の要求が高まってきています。このため、YM12Dを前面改良してモデル・チェンジ、YM84DIIIとして新発売します。高速化のために、コントローラーの高速化、軸駆動用にACサーボモーターの採用、軸制御ソフトの改良等を行ない、同時に各部の剛性向上により塗布位置の高精度化を果たすとともに、塗布量の安定性を従来機種比30%以上向上させました。大幅な機能向上にもかかわらず、価格は14%アップの540万円にとどめました。
同時にサーフェスマウンターのなかでも特に、需要が増えている全部品を視覚認識して搭載するフルビジョン式マウンターに対応するディスペンサーとして、コントローラーを当社マウンターと共用化し、操作し易い「YV86D/100D」を新開発、新たに発売します。

それぞれの機種の主な特徴、および変更点は、下記の通りです。

 

YM84DIII

軸制御や塗布ヘッドの構造や制御ソフトの改良を行ない、1点当たりの塗布タイムを当社従来比約50%短縮し、0.13秒としました。

塗布の安定性については、独自のエアー・フローと新型の高速高容量タイプのエアーバルブの採用、塗布時間自動補正ソフトの開発追加により、従来機種比30%以上の安定した塗布が得られるようになりました。

ヘッド個量を従来、最大2個だったものを3個まで可能にし、シリンジ(接着剤容器)容積も10ccから30ccにアップし、より対応範囲を広げました。また、大型基板(L457×W407)に標準で対応できます。

軸駆動用モーターは、新型ACサーボモータを前面採用し、しかもモーターをX軸は180wから400wに、Y軸は400wから750wにパワーアップし、高速化、高信頼性化を図りました。

高加減速に耐えられる様、機械系はX軸、Y軸その他の剛性アップを図りました。その結果、塗布位置精度を従来の+-0.2mmより+-0.12mmに改善しました。

コントローラーは最新32ビットCPUを採用し、高性能化、高機能化を図りました。


YV86D

当社フルビジョン(全視覚認識)式のサーフェス・マウンター・シリーズで実績のあるコントローラーMCXIIを採用。当社フルヴジョンマウンターと操作系が共通のため、扱い易い。

高速3連ヘッドと当社独自のダイナミックサーボコントロールの開発により、1点当たりの塗布タイムを大幅に短縮し0.13秒としました。

新設計の小型・高剛性フレームをはじめ、各部の剛性を大幅にアップし、軸の急加減速による振動を抑え、塗布位置精度+-0.1mmを達成しました。

シリンジ内の液量変化に対応する塗布量安定システムの採用により、安定した塗布を可能にしました。

オプションで、CCDカメラによるビジョン認識による塗布量自動補正システムの採用を可能とし、更に高精度な塗布を可能にしました。


YV100D

基本的機能はYV86Dと同じだが、YV86Dでは対応できない大型基板やセラミック基板にオプションで対応が可能。



ヤマハ・ディスペンサー「YM84DIII」仕様諸元


機種

YV84DIII

YV86D/100D

基板寸法

L457×W407mm(最大)
L50×W32mm(最小) 

L457×W407mm(最大)
L50×W50mm(最小)

基板搬送方向

右→左、Uターン(オプション右←左)

同左

塗布ヘッドシリンジ容量

標準1個、オプション2,3個
標準30cc,オプション10cc

標準3個
標準30cc、オプション10cc

塗布位置精度

+-0.12mm

+-0.1mm

塗布種類

接着剤(1点塗布、2点塗布;0゜、90゜)
クリームハンダー(1点塗布、線引き)

接着剤(1点塗布、2点塗布;0゜、90゜)
クリームハンダー(1点塗布)

塗布タクト

0.13sec/点(最適条件)

同左

塗布条件設定

塗布時間設定
 1-999段階(最小設定単位1msec)
吐出圧設定
 0~5(500Kpa)kg/cm2
負圧設定
 0~5(500Kpa)kg/cm2
温度コントロール
 室温~室温+20℃

同左

ポイント数

2560ポイント/基板 トータル25000ポイント

2560ポイント/基板 最大508基板

標準組込装置

1.3.5FDD
2.ビームセンサーシステム
3.プッシュアップロッドシステム
4.デジタル時間計、枚数カウンター
5.パトライト(3灯式)
6.安全カバー、インターロック
7.Uターンコンベヤー

1.3.5FDD
2.基板認識用CCDカメラ
3.プッシュアップロッドシステム
4.デジタル時間計、枚数カウンター
5.パトライト(3灯式)6.安全カバー、インターロック
7.Uターンコンベヤー
8.コンベアー自動幅調整&高速ソフトストップコンベヤー
9.バキュームシステム

オプション組込装置

1.NO.2、3ヘッド
2.10ccシリンジ
3.外形基準
4.高速ソフトストップコンベヤー
5.搬送方向右←左
6.コンベアー自動幅調整
7.コンベアー奥測固定
8.コンベヤー延長
9.基板待機ストッパー
10.ティーチングカメラシステム(含Pick機能)
11.安全用エリアセンサー

1.10ccシリンジ
2.外形基準
3.搬送方向右←左
4.コンベアー奥測固定
5.安全用エリアセンサー
6.塗布量自動補正システム(捨て打ちステーション)

外形寸法

L1,604×W1,142×H1,886mm

YV86D:L1,604×W1,240×H1,810
YV100D:L1,655×W1,358×H1,810mm

重量約

約550kg

1,100kg



ディスペンサーの機能と働き

機能

1.基板上に搭載される電子部品を固定する接着剤やはんだを自動塗布する機械。
2.サーフェスマウンターの前工程におかれスクリーン印刷機共に使用されます。特に両面基板の実装ラインでは、ほとんど使用されています。


接着剤吐出方式

1.直交式ロボット上にシリンジ(接着剤容器)を上下するヘッドが取り付けられています。これによりドット(接着剤のボール)を塗布する位置に移動します。
2.シリンジの先端に塗布を行なうノズルがついています。
3.シリンジに圧縮エアーを送り込み接着剤を吐出させます。この繰り返しが行われます。



メーカー希望小売価格

「YM84DIII」
「YV86D/100D」

540万円(消費税含まず)
960万円


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