ヤマハ発動機株式会社は、3月3日、南米コロンビア共和国に、二輪車のサービス技能と修理工場経営の習得を目的とした技能訓練校(Instituto
Tecnico Yamaha)を開校します。当社の現地代理店であるインコルモトス社(社長:フランシスコ・シエラ、所在地:エストレジャ市)、アンティオキア県、および当社の三者が共同で開設するものです。
当校は、勉学意欲が高いにもかかわらず、就業、就学の機会の少ない若者に対して、インコルモトス社が所有するサービス研修施設、スタッフおよび基礎技術を提供して、技能者を養成することを目的としたものです。対象は男女を問わず高卒資格を持ち、かつ大学生でない者で、初年度の生徒数は20名です。授業は18時から21時の一日3時間、週4回、10ヶ月で全480時間の教程を終了します。授業は、二輪車用エンジン、車体、電装などの原理・構造、分解組立て、修理の実技、工業技術の基礎といったサービス技能が240時間、修理工場の経営が240時間です。
インコルモトス社が教室とサービス技能の講師を、県が修理工場経営の講師を、当社が教材をそれぞれ提供します。校長はインコルモトス社の社長が兼任します。近々、労働省認可の学校となる予定で、卒業時には、二輪サービス技能士(Tecnologo
en Servicio de Motocicletas)の免状が与えられる予定です。卒業後、最優秀生徒(複数)はその就職をインコルモトス社が保証します。サービス工場設立希望者へはインコルモトス社とアンティオキア県が共同で、資金・ノウハウ面での援助を行ないます。ヤマハ関連への就職義務はありません。
当校を開校した背景として、コロンビアではメデジン市を始めとする一部の都市部に産業が集中し、郡部では雇用機会が少ないことがあります。昨年、インコルモトス社が所在するアンティオキア県の知事より当社に地方の活性化への協力の要請がありました。ヤマハ発動機(株)は'92年より全社運動としてCCS運動(カスタマー&コミュニティー・サティスファクションの略で“お客様と社会の満足”の意)を推進しています。また、インドネシアで当社の現地子会社が'90年から労働省認可の職業訓練校であるヤマハ・エンジニアリング・トレーニング・センターを運営し、すでに600人強の卒業生を出しています。CCSの社会貢献の見地から、この実績を踏まえ、同様の学校の設立を県に提案、今回、設立の運びとなったものです。従い、これは当社としては海外で運営する二つ目の二輪車サービス技能訓練校となります。また、今後、コロンビア各地に同様の学校を設立し、各地域で「技能による社会進出」の機会を創出するため、継続的に支援をしてゆく予定です。
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インコルモトス社の概要 |
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社 名 |
: インコルモトス社
(Incolmotos S.A.) |
所 在
地 |
: コロンビア共和国、アンティオキア県エストレジャ市 |
代 表
者 名 |
:
フランシスコ・シエラ |
資 本
金 |
: 19.4億ペソ
(約2億3,000万円) |
出 資
比 率 |
: F.シエラ氏他現地資本
80.0%、ヤマハ発動機(株)20.0% |
事 業
内 容 |
: 当社製二輪車の輸入・製造・販売。4輪バギー車の輸入・販売。 |
販 売
機種・台数 |
: 42,000台。主に50ccから200ccの実用車・スポーツ車。 |
売 上
規 模 |
: 8,700万USドル
(約105億円) |
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コロンビアの二輪車市場の概要 |
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総 需
要 |
: 122,000台。 |
主 な
ユーザー層 |
: 20代から30代の男女。 |
主 な
用 途 |
: 通勤、通学、仕事、日常の足。 |
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