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トップメッセージ 2010年(1月6日)

経営陣からのメッセージです。

2010年1月6日

本質機能の抜本的強化と大幅なコスト削減

先進国需要は当分戻らない

昨年は、当社にとっても創業以来の大きな損失を出した厳しい年でした。当社は、これまでにも何回かの大変な苦境を乗り越えてきましたが、今の状況が最大の苦難だと認識しています。過去の危機は、モデル開発の大きな失敗や国内販売の過当競争など、いわゆる局所的に大きなダメージを受けたものでした。ところが今回は、日欧米だけでなく先進国全体の消費、需要が落ち込んで回復の目処が立たない、つまり先進国に攻める所がないというのが問題です。とりわけ当社の主力商品である二輪車を中心とするレジャービークルの落ち込みは激しく、環境対応と価格抑制を両立させた新しいタイプの製品、例えばハイブリッド車のような製品を出せば需要を少しは取り戻せるといった状況ではありません。

今までのビジネスプロセス(事業構造)の勝ちパターン(=高機能化×高品質化×高価格)でモデル開発をしてもお客様は戻ってこないと思います。先進国での景気が戻らないだろうということもありますが、多少景気が戻っても今までとは社会の価値観が変わってしまっているため、価格が高止まりの商品は買ってもらえないという理由からです。

本質機能の抜本的強化と大幅なコスト低減を

こうした状況の中で当社は、次の2点を重点的に推進していきたいと思います。

1つ目は、本質機能の抜本的強化です。お客様が「えっ、こんなことができるの?」、「ここまで良くなったの!」と驚くくらいに商品の本質的魅力を大幅に上げる。しかもコストを抑えつつです。これを実現するために、商品開発の関係者全員が必死になって革新的発想をもって取り組みます。

2つ目は、同じような機能なら大幅な価格低減を行い、「このくらいの価格なら買おうかな」とお客様が触手を動かすようになることです。そのために、原価低減だけでなく、商品企画から設計、実験、試作、調達、生産準備、製造、ロジスティックス、販売、サービス、すべてのプロセスで革新的なコスト低減を絞り出し、事業コスト全体を下げていきます。

理論値生産の概念を業務全体に

当社の工場では既に何年も前から、仕事の本質機能を見極めて余分な機能を無くすという改善・改革、「理論値生産」に取り組んでいます。これは、作業の中身を分析して、本当に価値を生む作業だけを価値作業とし、それ以外の作業を極力排除していくというものです。この考え方をすべての業務に取り入れ、本質機能を追及していきたいと考えています。特に、会社の売り上げが大きく落ちている現在は、業務の余剰感が大きくなっています。この部分のダウンサイズには、大変な苦痛を伴いますが、避けて通れない改革であると認識しています。

1日も早く会社が再生できるよう、熱意と決意をもってこの改革を断行していく所存です。今後とも、皆さまのご支援をよろしくお願い申し上げます。

ヤマハ発動機株式会社
代表取締役社長
戸上 常司


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