トップメッセージ 2005年
経営陣からのメッセージです。
2005年1月18日
2005年 新中期3ヶ年計画でさらなる飛躍を
当社は、2002年4月から2004年12月までの中期3ヶ年計画「NEXT50」の実践により、まだ十分とは言えないものの、収益体質が着実に根付き始めました。しかしながら今後の経営環境は、円高の進行や材料の高騰など、さらなる厳しさが予想されます。そのような中で、現状に甘んじて改革を怠たれば、これまでの努力は無になってしまいます。新社長である私の責務は、これまでの改革の勢いをさらに加速させ、成長性と収益性を確固たるものとすることで、当社をさらに飛躍させることだと認識しています。
当社にとって本年は、創立50周年の節目の年です。また、決算期を暦年ベースに変更したことで、この1月から新しい期となり、新たな中期3ヶ年計画がスタートします。この重要な年の年頭にあたり、より高い目標を目指して経営にあたっていくという決意の下、2005年は以下の3つの重点施策を実践して参ります。
1. 創立50周年にあたってのビジョンとメッセージの発信
今年、当社は創立50周年を迎えます。これを機会に、製造業として、今日まで当社とグループ企業が成長してきた半世紀と現在をきちんと見つめ直したいと思います。
これまでの歴史を築いた諸先輩、関係会社、お取引先の皆さま、社員とそのご家族、そしてヤマハ製品をお使いいただいている世界中のお客様、ヤマハファンの方々へ 「ありがとう」の感謝の意を表し、「情熱・感動・未来」をキーワードに、当社のビジョンとメッセージを発信していきます。そして、さらに高い“感動創造企業”の達成を目指してまいります。
2. 新中期3ヶ年計画の着実なスタート
本年より、新しい中期3ヶ年計画“NEXT50 - Phase II”がスタートします。この中期経営計画では「NEXT50」で養った「利益体質」に加えて、「価値」・「収益」・「成長」のバランスの取れた事業戦略を進め、「オンリー・ワン ブランド」になることを目指します。基本戦略としましては、差別化価値の追求、利益志向の継続、アジア地域をはじめとする既存事業の成長機会の積極的な取り組み、新たな成長のための新規ドメインの開拓、“人と組織の活性化”を掲げ、「株主」「顧客」「お取引先」「社員」「社会」といったステークホルダーへの貢献と感動創造企業としての価値提供を果たしていきます。
「SMART改革」の推進
昨年9月に、コーポレート(管理間接)部門の機能の精鋭化とスタッフおよび組織の生産性向上を目指した組織改革「SMART改革」をスタートしました。今年は、その成果が現れることを期待するとともに、早期にこの改革を各事業部にも展開していきます。
なお、これは日本企業全体にも言えることですが、私たちは、経済や事業環境に素早く適応することに弱く、国際基準からみてもそのレベルは高くありません。しかし、これからは、やるべきことに早く気付いて、早く実行した企業が勝者となります。社員一人ひとりが、今の業務環境とその成果を見直し、その「あるべき姿」を目指します。
■組織活力と社員能力の向上
以上が本年の重点施策ですが、業務遂行上の必要条件として忘れてはならないのは、CSR(企業の社会的責任)です。今、企業は社会から、単に効率を重視した経済的主体ではなく、社会にとって有用な存在であることが要求されています。当社も、コンプライアンスは当然のこととして、安全性・地球環境保全・社会活動の分野で、社会から望まれる技術・製品・サービスや有用な活動を積極的に提供していきます。そのことで、お客様や社会から選ばれる企業として将来にわたって成長できる基盤がつくられると思います。経営層から社員一人ひとりまで、この必要条件をよく認識し、業務を遂行していきたいと思います。
最後になりますが、今後、世界的な競争時代の中で生き残りを図るためには、これまで以上に、組織活力と社員能力の向上が必須となると認識しています。企業は社員の能力の集合体と言われます。これからは、社員の能力を高め、活力ある会社に育てあげることにも注力してまいります。当然のことながら、経営陣は率先垂範して事にあたり、ヤマハ発動機グループが一丸となることで、世界のお客様に支持されるYAMAHAブランドを築いていきたいと思います。
以上
ヤマハ発動機株式会社
代表取締役社長
梶川 隆