さまざまな業種の生産現場では、いま、モノづくりの変革がハイピッチで進められています。AIやIoTの活用により生産性や品質の向上を図るスマートファクトリーは、その代表的なアプローチの一つです。
ヤマハ発動機では、モノづくりの変革に向かう動機や目的を、お客さまや働く仲間たち一人ひとりの【しあわせ】に設定しています。また、その手段としてのスマートファクトリー化も、「人」が主役でなくてはならないと考えています。
●
人が主役のスマートファクトリー ―― それが「バリュー・イノベーション・ファクトリー(VIF)」のビジョンです。
現場主導で描く
「2035年の工場」の姿
VIF推進映像《感動創造工場 Rev Factory はじまる》は、ヤマハ発動機流スマートファクトリー「バリュー・イノベーション・ファクトリー」の推進を目的に制作した企業短編ドラマ(15分)です。各生産現場の代表や、技術・管理部門等の若手メンバーによるプロジェクトチームが議論を尽くし、社内でのヒアリングやアンケート等の調査を繰り返しながら「近未来(物語では2035年に設定)の工場のありたい姿」を描いた物語です。なお、劇中に出てくる工場風景や施策、技術、設備、製品等は、2035年の実現を保証するものではありません。
VIF取り組みアーカイブ
VIF = 「人が主役」のスマートファクトリー
ヤマハ発動機が目指すスマートファクトリーは、デジタル技術主導の一般的な変革とは少し異なります。ヤマハ発動機独自のメソッド「理論値生産活動」をベースに、豊富な経験と感性を持つクラフトマンたちによる「ヤマハの手」、さらに先進の「製造DX技術」を掛け合わせることで、現場主導で育んでいく近未来のモノづくりの全体像を表しています。
ヤマハ発動機流のスマートファクトリーと位置づけるVIFは、あくまでも「人」が主役。お客さまへお届けする製品の信頼や魅力価値を高め、生産効率を向上させるとともに、安全な職場環境の整備やいきいきとした働き方、環境に直結するエネルギーマネジメント等にも貢献します。
理論値思考による「VIF実現へのロードマップ」
VIFの実現に向けたロードマップは、独自の改善メソッド「理論値」志向を用いてデザインしています。究極の姿を「理論値」として設定し、これに生産準備等の準価値を加えた「ありたい姿」を導き出すことで、短・中期それぞれのゴールを明確化しています。また、同時に現状とのギャップを埋めるための実現シナリオを描き、順次、現場に向けて設備や制度のインストールとアップデートを重ねています。
理論値生産
「理論値生産」とは、モノづくりに関わるすべての作業を「価値」「準価値」「無価値」に分類し、限りなく「価値」作業の比率を高めることで生産効率向上を実現する手法です。理論値(=ゴール)と現実とのギャップを正確に把握し、現場の立場と視点を加えた上で課題解決に向けた取り組みを進めています。製造・生産を基点とする理論値思考はすでに全社に伝播・浸透しており、カーボンニュートラルを目指す取り組み「理論値エナジー」などにも活用されています。
ヤマハの手
「ヤマハの手」とは、ヤマハ発動機に息づく伝統的なクラフトマンシップです。お客さまに最高の一台をお届けするために発揮される技能者の技術や誇り、感性や美意識といった“価値ある非合理”に敬意を込めて「Yamaha Motor Craftsmanship ~ヤマハの手~」と呼んでいます。「ヤマハの手」を持つ一人ひとりの技能者がVIFの担い手であり、主人公でもあります。