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技報【バックナンバー】

ヤマハ発動機では研究開発の成果や製品を支える技術をご紹介するために、年1回(12月)、技報を発行しております。
本ページでは、PDFファイルのダウンロード・閲覧ができます。(現在、冊子の配布はいたしておりませんのでご了承ください。)
YAMAHA MOTOR TECHNICAL REVIEW
技報No.25 表紙

ヤマハ発動機 技報 No.25(1998年3月)

製品紹介
技報No.25 製品紹介1 説明画像

4サイクルモトクロッサ YZ400F PDF

中山 善晴/二瓶 克洋/杉浦 義明/福田 高義/林 康男/大森 二郎

モトクロッサといえば、日本では2サイクルモトクロッサが常識だった。しかし、欧州では近年、モトクロス世界選手権500ccクラスにおいて欧州メーカーの4サイクルマシンが活躍し、1994年、1995年、1997年には2サイクルマシンを打ち破り、チャンピオンに輝き、話題を集めている。また、米国でも1996年から4サイクルだけのモトクロスレースも始まり、人気が高まりつつある。このような中、ヤマハ発動機㈱は1997年よりファクトリマシンYZM400Fを投入し、モトクロス世界選手権500ccクラスで優勝6回、AMAスーパークロス250ccクラス最終戦(第15戦)において優勝を獲得した。この技術を投入して開発されたのが、市販モデルYZ400Fである。ここにその概要を紹介する。
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技報No.25 製品紹介2 説明画像

モノレール式搬送システム YDMS30CLEAN PDF

山本 敬二/高田 浩志/加々谷 功/村田 和弘

YDMS(YAMAHA Direct Drive Monorail System)は、天井に設置されたレールに沿って物品を搬送するモノレール式搬送システムである。登坂機能あるいは昇降可能なハンドリングにより、天井走行ながらフレキシブルに搬送ラインを構成でき、床面を開放することから、様々な生産現場に応用されてきた。近年、半導体をはじめとする電子分野はもちろん、医療・薬品・バイオ・食品・精密機器など、クリーン化のニーズはあらゆる産業に広がっている。そこで、ヤマハ発動機(株)として多様なニーズに対応するため、非接触で電力供給を行うことによりクリーンルームに対応可能なモノレール式搬送システム、YDMS30CLEANを開発し発売したので、ここにその概要を紹介する。
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技報No.25 製品紹介3 説明画像

自動車用ショックアブソーバシステム REAS PDF

鈴木 計雄/前田 正志/坂井 浩二/河合 隆

ヤマハ発動機(株)(以下、当社という)には、トヨタ自動車(株)およびフォード社向け高性能自動車エンジンや、かつてのトヨタ2000GTの開発・生産を行ってきた実績とともに、モータサイクルなど特異なノウハウを要する分野からのフィードバックにより蓄積された固有のサスペンション技術がある。こうした素地のもとに、当社独自の自動車用相互連携ショックアブソーバシステム「REAS」を新規に開発し、トヨタ自動車(株)のスープラ(SZ-RおよびRZグレード)向けに供給を開始したので、ここにその概要を紹介する。
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技報No.25 製品紹介4 説明画像

立ち乗りゴルフカー G6-Aの改良 PDF

寺井 和夫

立ち乗りゴルフカーG6-Aは、キャディ付きプレーに際してキャディカーとして使用され、ゴルフバッグの搬送など、素早いプレーヤサービスを行うために開発されたモデルである。このモデルは発売以来キャディに高く評価され、一気に市場シェアを高めてきたが、今回新モデルを一新したので、ここにその概要を紹介する。
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技報No.25 製品紹介5 説明画像

ATVアクセサリ PDF

守屋 輝年雄/鈴木 隆

従来、国内におけるATVの使用実態は、レジャーやレースを中心とした趣味性の高いものがほとんどであった。これに対して欧米では、ATVに補機(以下、アクセサリという)類を装備し、実用車として使われている割合がかなり高く、ATVアクセサリメーカーやその商品アイテムも豊富である。そこで国内のATVユーティリティ分野でのアクセサリ類の需要性などのアンケート調査を実施したところ、潜在的需要と可能性はあるものの、国内での市場規模予測はあまり大きくないという結果であった。この市場規模予測結果よりアクセサリ類を輸入することを前提にし、海外の補機メーカーや商品アイテムの発掘と調査を開始した。その結果、米国で実績のあるサイクル・カントリー社からサンプルを取り寄せ、テストを実施後、市場導入を開始した。
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技報No.25 製品紹介6 説明画像

TRX850 鈴鹿8時間耐久レーサー PDF

猪崎 次郎/小栗 幹夫/仲秋 一/平野 和行/平野 文人

公道でいかに楽しく、かつ安全に速く、また物理的な速さだけではなく、乗り味の満足感までをユーザに提供するというコンセプトのもと、1995年にビッグボアツインTRX850をリリースした。翌1996年には欧州にもリリースされ、市場の反応としては、その後他社より同じコンセプトのモデルがリリースされたことからいえば、我々の狙いは間違っていなかったことが実証された。このTRX850は、公道での楽しみを最大限に発揮させることを第一に開発したが、一方では、この狙いである「安全に楽しくかつ速い」ということはサーキットでも通用するはずで、これを実現したいという我々の気持ちを押さえ切れずにいた。そんな折、元GPライダーの平忠彦氏、クリスチャン・サロン氏と組んで鈴鹿8時間耐久レースに参戦する話が持ち上がり、1996年、1997年と2年続けて参戦した。その結果は、1996年は予選2分17秒台、決勝24位、1997年は予選2分15秒台、決勝18位であった。さすがに絶対的パワーでは4気筒勢にはかなわないため、ストレートではかわされたが、S字コーナであるいわゆるコーナの連続する場所では並みいる4気筒勢を抜き去り、レース結果と合わせて我々の考えが間違っていないことが実証され、非常に満足のいく成果を得ることができた。そこでTRX850の1997年仕様を中心に、8耐レーサーの概要を紹介する。
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技報No.25 製品紹介7 説明画像

中型浄水器 OH200 PDF

八木 澄夫/山下 良造/長田 学

インドネシアの水事情は非常に厳しい。ジャカルタなどの都市部においても事情は変わらず、水道水といえども煮沸しないでは決して飲めない。水に色、濁りがあるのは当たり前で、地下水を利用している大部分の住民はさらに深刻である。経済の発展と共に、水に対する安全意識、健康意識が高まり、浄水器への要望が高くなってきた。このような状況の中で、1991年に(株)アイアイシー(以下、「当社」という)の独自開発による中型浄水器「OH300シリーズ」がインドネシア市場に投入された。日本の水道基準と同等の浄水を供給できる性能と、WQC(Water Quality Control)サービスという当社のトータルサポートシステムが高く評価され、販売台数も順調に伸びている。このOH300シリーズに対し、よりコンパクトで設置場所を選ばない浄水器も要望されるようになってきた。これに応えたのが、ここで紹介する「OH200浄水器」であり、1996年8月から販売が開始された。
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技報No.25 製品紹介8 説明画像

ヤマハビルトイン浄水器 AWJ-101F PDF

大橋 喜四郎/上川 秀哉

私たちの生活に欠かせないもののひとつに水があるが、普段何気なく口にしている水を「おいしくない」と感じたことはありませんか。近年、河川が汚染され、河川水を水道水にする浄水場では、飲料水として安全な水を確保するため、多量の薬品を使用している。本来、おいしい水とは無味・無臭であり、その本来の水を提供しようというのが浄水器の役割である。最近では、浄水器は各家庭にとって必需品となりつつあるが、特に東京や大阪といった大都市部においてはその傾向が強い。家庭用浄水器と一口にいっても、様々な商品が市場にあふれているが、大きく分けて次の3つのタイプに分類される。 (1)蛇口直結タイプ (2)カウンタートップ(据え置き)タイプ (3)アンダーシンク(ビルトイン)タイプ 株式会社アイアイシーでは現在、ヤマハリビングテック株式会社へアンダーシンクタイプの浄水器をOEM供給し、浄水器市場に参入している。そして、1997年4月より市場導入した新規モデル「ヤマハビルトイン浄水器AWJ-101F」について概要を紹介する。
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技報No.25 製品紹介9 説明画像

船外機 New40馬力 PDF

阿部 晃志/加島 幸典

ヤマハ2気筒40馬力船外機には、先進国のベーシックモデルとして好評な「40Q」、業務用市場にて高い信頼性で人気の「E40G」と「E40J」があり、市場導入より今日まで数々の改良を加えながら、市場で高い評価を得てきた。しかしながら、最近は他メーカーとの競合により、市場でのより一層の商品力の強化と生産性の効率向上が望まれるようになった。そこで、今回両モデルを統合し、フルモデルチェンジを行うことを目的に開発された製品「40X」と「E40X」を市場導入することとなったので、ここに紹介する。
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技報No.25 製品紹介10 説明画像

4サイクル船外機 F25A PDF

渡辺 一比古/岡崎 正喜

環境に対する世界的な関心の高まりの中で、よりクリーンで、より経済的な船外機が市場から望まれるようになってきている。今回は、市場の幅広いニーズにこたえるべく、新たに4サイクル25馬力船外機「F25A」を開発したので紹介する。
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技報No.25 製品紹介11 説明画像

4サイクル船外機 F15A PDF

大石 浩/岡崎 正喜

世界的に環境に対する関心が高まり、よりクリーンでより経済的な船外機が市場から望まれる中、小型ボートでのフィッシングをはじめとする多種多様な用途にこたえるべく、新たに4サイクル15馬力船外機「F15A」を開発した。
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技報No.25 製品紹介12 説明画像

YZF-R1 PDF

三輪 邦彦/瀧本 宏/島本 誠/小池 美和/村松 恒生

欧州市場は近年拡大の一途をたどっている中、ヤマハ発動機株式会社は1996年に「サンダーエース」と「サンダーキャット」を投入し、スーパースポーツエリアの強化を図ってきた。この仕上げともいうべき頂点モデルとして、ライバルを大きく凌駕するポテンシャルと魅力を持つ商品「YZF-R1」を導入することになったので、ここにその概要を紹介する。
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技術紹介
技報No.25 技術紹介1 説明画像

YZF-R1における材料技術 PDF

小池 俊勝/伊藤 寿浩/栗田 洋敬/大須賀 勝

高機能な商品は高機能な部品を必要とする。パワーと軽さを高い次元で兼ね備えたマシン「YZF-R1」には、新しい材料技術を採り入れた部品がいくつか実用化されている。そのうちの主なものについて紹介する。
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技報No.25 技術紹介2 説明画像

エンジンコンポーネントにおけるショットピーニング適用技術の進歩 PDF

安達 修平/伊藤 寿浩

地球環境の保全や省資源等の社会的ニーズから、自動車ならびにモーターサイクル用エンジンへの要求は厳しさを増している。ショットピーニングは自動車産業界においては、比較的早くから補助的な加工法として工程の中に取り入れられてきた。近年、制御ショットピーニング技術の発達によって、従来の技術資産を活かしながら、比較的安価にコンポーネントの信頼性を飛躍的に高めることのできる加工技術としての認識が広まり、その応用はますます拡大する傾向にある。そこで、代表的な主運動系のコンポーネントとしてコンロッド、クランクシャフトを、また、動弁系の代表としてエンジンバルブをとり上げ、軽量化と高信頼性を目的として、制御ショットピーニング技術を適用した事例とその効果について最近の報告例を紹介する。
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技報No.25 技術紹介3 説明画像

スノーモビルSRX700/600エンジン PDF

浅野 潔盛/蘆田 尚志/厚海 守/野尻 誉

ヤマハ発動機㈱(以下、当社という)初の3気筒エンジンを搭載した'97モデルのスノーモビル(以下、「S/M」という)のVX700シリーズは、業界最軽量のエンジンと3気筒集合マフラでありながら、155ps/Lを超える比出力により、既に市場から高い評価を得ていた。しかし、スポーツモデルに対する高出力化の要求は年々高まり、特に「マッスルクラス」と呼ばれる600ccを中心とする3気筒・3本マフラのエンジンを搭載したクラスでは、200ps/L近い比出力により、最高速も200km/hに達しようとしていた。こういった市場環境を踏まえて、当社としてもこのクラスに参入するために、他社競合となる600ccクラスと、フラッグシップとなる700ccクラスのSRXシリーズ新規3気筒エンジンの開発を行ったので、その概要を紹介する。
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技報No.25 技術紹介4 説明画像

エンジンブレーキ機能付きATV用ベルトCVT PDF

中野 孝俊/山下 輝佳/福島 正満

ATV(All Terrain Vehicle)は、文字通り様々な地形で広範囲な用途で活用されるため、従来は操作の確実性が重要視され、ハンドクラッチを持たない多段変速ミッションを搭載したセミオート車が主流を占めていた。ところが、近年ユーザニーズの多様化とともにイージドライブ化の波がATVにも波及し、その使いやすさからオートマチックモデルが需要を伸ばしてきている。ヤマハ発動機(株)もそのニーズにこたえるべく、オートマチックATVとして最大排気量のYFM600FWA GRIZZLYを市場に導入し、その扱いやすさ、パワフルさ、信頼性において非常に高い評価を得ている。今回は、その「GRIZZLY」に採用している、ATV初の高出力用エンジンブレーキ機能付きVベルトCVTについて紹介する。
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技報No.25 技術紹介5 説明画像

P.A.S.ユニット PDF

中道 忍/中山 浩典/山本 豊之/照井 敏泰/薮内 良章

ヤマハ発動機(株)は、1994年に世界初の電動ハイブリッド自転車「ヤマハパス」の全国発売を開始し、1997年12月までに累計で約25万台を国内に販売してきた。その間に、二輪車メーカー、自転車メーカー、家電メーカーなど約20社が国内市場に新規参入し、活性化している。このような状況下、より一層の健全な普及振興を図るため、国内大手自転車メーカーであるブリヂストンサイクル(株)およびナショナル自転車工業(株)と相互協力関係を結び、システムユニットの供給とともに共同でのモデル開発を実施してきた。さらに、国内自転車メーカー3社の一つである宮田工業(株)へのユニット供給を開始し、これにより国内でのシステム供給先は3社となっている。これまでの国内での完成車販売やシステムユニットを上記自転車メーカーに供給する事業に加え、今回海外の自転車メーカーにシステムユニットを供給する新たなビジネス展開を開始した。ここにそのユニットの開発概要を紹介する。
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技報No.25 技術紹介6 説明画像

プレス成形解析の二輪車への適用 PDF

鈴木 誠也/中村 政晴

自動車業界において、プレス金型の設計に成形シミュレーションを活用することは一般化してきている。二輪車においても、燃料タンクやフレーム部品などにプレス成形シミュレーションを適用し、試作トライアル工数の削減に効果を上げている。特に燃料タンクは、二輪車の「顔」ともいえる重要な意匠部品であると同時に、燃料を密閉するという重要な機能部品でもあり、プレス成形に対する精度要求も厳しい。この燃料タンクに対するヤマハ発動機㈱の取り組みについて述べる。
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技術論文
技報No.25 技術論文1 説明画像

異種材料接合界面の強度評価 PDF

久保田 剛/安達 修平

アルミニウム合金と鉄系焼結合金の接合界面について、接合強度を正確に評価する手法を開発した。また、その継ぎ手強度を断面の組織パラメータから推定するためのモデルを提案し、推定される継ぎ手強度と実験値とを比較することにより、モデルの妥当性を検証した。さらに、接合界面の破壊靭性値を求めるため、平面上に複数のpenny-shaped cracksが分布するモデルを考案し、計算結果をバルク材料の破壊靭性値と比較した。これらの手法を用いることにより、継ぎ手の高温での信頼性が確認でき、品質管理手法として有効であることが確認された。
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技報No.25 技術論文2 説明画像

舟艇設計における運動シミュレーション PDF

神戸 庄二/末森 勝

ボートの基本計画において最もウエイトが高いもののひとつに船型開発がある。設計者は仕様を仮決めし、構造検討、重量重心計算、性能計算などの一連の基本計画作業(デザインスパイラル)を何度も繰り返し、船の諸性能を確認しながら船型のスペックを決定する。このスパイラルの精度が高ければ高いほど、繰り返す回数が多ければ多いほど、よい性能の船が開発できる。大型船の世界では、船型データを入力し波浪中の運動を計算する手法は当たり前となっているが、当社のような滑走艇(比較的スピードが速い船)に関しては、スピードと復原性を推定する方法しか確立されていないのが現状であった。近年、ボートも乗り心地などのニーズが年々増してきたため、波浪中の運動を推定するシミュレーションソフトを開発し、設計ツールとして使用できるシステムを開発した。これによって性能開発のレベルアップ、精度向上および時間短縮が可能となった。
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技報No.25 技術論文3 説明画像

モーターサイクルエンジン組み立てにおける一人組み立て方式の実現 PDF

三好 隆

モータサイクルエンジン組み立てラインにおいて、微量生産モデルの生産を行う場合、そのモデルの能率が向上しないばかりか、他のモデルの能率にまで影響を及ぼし、ライン全体の生産性の低下を招くという問題を引き起こしていた。この主たる原因は、微量生産モデルの主要生産モデルに対する生産量と、構造上の違いからくる習熟性の低さの相乗効果であることが分かった。そこで、構造上の違いを要素作業を基に数値化し、評価指標を作った。そしてこれに基づき、微量生産モデルに適する生産方式として、「一人完結型組立方式」を採用した。これにより、品質および生産性が向上するとともに、習熟性の低い微量生産モデルの組み立て方式について、新たな方向性を示すことができた。
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