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技報【バックナンバー】

ヤマハ発動機では研究開発の成果や製品を支える技術をご紹介するために、年1回(12月)、技報を発行しております。
本ページでは、PDFファイルのダウンロード・閲覧ができます。(現在、冊子の配布はいたしておりませんのでご了承ください。)
YAMAHA MOTOR TECHNICAL REVIEW
技報No.24 表紙

ヤマハ発動機 技報 No.24(1997年9月)

製品紹介
技報No.24 製品紹介1 説明画像

カスタムカー アミ PDF

辻井 栄一郎/大石 毅彦/古澤 隆志

1995年6月、ヤマハ発動機(株)の社内ベンチャー制度「YAMAHA VENTURE CAPITAL」、通称YVECが始まった。当時の世の中は、日米自動車・部品交渉を発端にして、1995年末の「自動車の構造等変更検査要件の緩和」いわゆる規制緩和が施行されたところであった。このような状況の中で、オリジナルのカスタムカーを製造・販売することを目的とした「YM MOBILEMATES,INC.」(以下、モービルメイツという)は、さまざまな社内の審査を経て、その子会社設立第2号として1996年12月に誕生した。今回、主に外観デザインをオリジナルにしたモービルメイツの第1号カスタムカー“ami”を1997年2月末に発表したので、以下にその概要を紹介する。
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技報No.24 製品紹介2 説明画像

マルチパーパスATV YFM600FWA PDF

小野 由博/瀬戸 穣/泉 和彦/小高 実/内田 吉陽/静 亮次

ATV(All Terrain Vehicle)は、皆さんもご存知のようにトレールライディング、ハンティング、農場でのユーティリティユースなど、様々な用途で活用されている。メイン市場であるUSAの市場規模も、1991年には15万台の総需要であったものが、各社の4WDモデルの積極的導入により、1996年には約31万台まで需要が拡大してきている。このような需要拡大により、オートマチックモデルの台頭により需要構造にも変化があらわれ、競争もより激化してきた。そこで、ヤマハ発動機(株)として多様なユーザーニーズに対応するため、ATVでは初めてのエンジンブレーキ付オートマチックエンジンを搭載したマルチパーパスATV「YFM600FWA GRIZZLY」を導入することになった。ここにその概要を紹介する。
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技報No.24 製品紹介3 説明画像

小型実習船 わかたか PDF

大庭 恭二/永富 忠良/濱田 亮一

本船は、鳥取県立境水産高校の小型実習船「わかたか」の代船として、沿岸海域における水産海洋実習および小型船舶操縦士養成施設のA型船として建造したものである。本船の計画にあたっては、境水産高校海洋工学科の先生方および(社)漁船協会の深い思い入れがあり、これまでの水産高校の実習船とは多少趣の異なる船となった。すなわち、外観は欧州風の古典的クルーザーとし、内装にはにチーク材を多用することにより、豪華で落ち着きのある大人の仕上がりとしながら、機動性や機能については今日的な高い性能を持たせている。船の構成そのものは、通常の単胴1機1軸の滑走艇であるが、船型は実績のある艇を基本に本船の雰囲気に合わせ、船首部の形状を三次元CADで立体的に検討して決定した。また、「実習船は教室である」という学校長の言葉により、船内の騒音を可能な限り抑えるため、発電機関は当初計画の開放型から遮音箱付きに変更した。また、主機関は浮動支持とし、ヤマハ発動機㈱舟艇事業部艤装技術グループの推奨案に従って、防振、防音工事を実施した。その結果、100%出力時においても70dBと、この種の艇では最良の騒音レベルを得ることができた。試運転に立ち会われた先生方からも感嘆の声を聞いた。通常我々が担当している特注艇の設計は、特定のクライアントの夢とかイメージを数値化し、具現化することが主な仕事であるが、さらに数値化・具現化されたサンプルを早めに提示して、クライアントの夢やイメージを固めていくことも、円滑な工事展開をするために重要である。本船の建造にあたっては、特に後者に対してこれまで以上に注意を払った。綿密な仕様打ち合わせを実施したことにより、客先との思惑のずれもなく、極めて円滑な建造工事を行うことができた。また、早い時期に入札仕様に対するヤマハの仕様を提示してクライアントの承認を得たことが、クライアントに安心感を与えるとともに、やり直しや追加工事などの無駄な工事費の低減や工事期間の短縮につながった。特に今回は契約仕様書を入手して、直ちに関連各部署がそれをもとに同時に作業を開始したことで、コンカレントな対応が可能となった。
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技報No.24 製品紹介4 説明画像

圧力式海水ろ過システム YCOSシリーズ PDF

北川 欽哉

趣味で熱帯魚や金魚を飼っている人は多いと思うが、仕事で魚を飼っている人はそんなにいない。圧力式海水ろ過システム「YCOS」の実験では、様々な種類の魚をヤマハ発動機㈱新居工場の型置き場の一角にある実験室で飼っている。例を挙げると、タイ、ヒラメ、ハマチ、アマゴ、チョウザメなど、海水淡水を問わず小さな水族館状態になっており、水質検査の一方でエサやりや餌づけに忙しく立ち働いている。そのかたわらでは、塩ビ細工でなにやら得体の知れないものを作っているという具合で、もうこんなことが2年も続き、今ではすっかり魚の気持ちが分かるようになってしまっている。といっても、これらの仕事は魚を育てることではなく、魚を生かすことである。育てるのも生かすのも同じじゃないか、と言われそうだが、ハードウェアを開発する側に立つと、全く違うものになる。
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技報No.24 製品紹介5 説明画像

調査研究船 アルタイル PDF

三上 宏/青柳 三樹夫/小田 康元

金沢工業大学の調査研究船の入札がコンサルタントである(株)海洋総合技研を通して行われ、ヤマハ発動機(株)が落札した。今までモノハル型の調査研究船は何隻も建造した実績はあるが、本船はJCI船で、しかも船型は非対称四胴カタマランという指定があるほか、調査研究がやりやすい機構をいくつか取り入れて完成したので、ここに紹介する。
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技報No.24 製品紹介6 説明画像

スノーメイト YT-660E PDF

山口 佳久/大塚 邦彦

ヤマハ発動機(株)製除雪機は、家庭用小型モデルとして2モデル、業務用中型モデルとして2モデルの計4モデルのラインナップがある。製造については、家庭用2モデルは創輝(株)に委託し、また業務用2モデルについては、エンジンは同じく創輝(株)であるが、車体は青森の(株)ササキコーポレーション(以下、ササキという)に委託していた。このたび、全モデルをモデルチェンジするにあたり、全モデルの車体生産を販売拠点に近いササキで行うことになり、また開発についてもヤマハ発動機(株)とササキにて共同開発することになった。今回その最初の製品として、家庭用第1号モデル「YT-660E」を開発し、'97モデルとして発売したので、ここにその概要を紹介する。
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技報No.24 製品紹介7 説明画像

ニュー・パス PX26/PX24 PDF

芦原 安史/村松 隆吉/中山 浩典/山本 聡/太田 雅男

電動ハイブリッド自転車について、各方面の方々から様々な質問が寄せられ、次のように答えている。パスは道路交通法上では自転車とまったく同じ扱いで、運転免許証もヘルメットも必要ないため、許可された歩道の走行も可能であり、ミニマムトランスポーテーションとしての利便性も高いものである。つまり、自転車に乗れる人ならだれでも乗ることができ、スイッチを「入」「切」する操作以外は、余分な操作を必要としない。パスはあくまでも「人がペダルをこぐ力をモータが補助する」設計になっており、ペダルをこぐことで初めて走り出すので、機械を操作している感じや機械が動いている感じがしない。また、パスの補助力は、人がペダルを踏む力を越えないので、スピードが出すぎる心配はない。つまり、15km/hまでは普通の人から非力な人までこいだ力と同等以下の量をアシストし、15km/hから徐々にアシスト力を減少し、24km/hでゼロになり、この間1/100秒という早さで作動する。そして、パスの補助動力を得ることができなくなっても、普通の自転車として走行できる。現在、電動ハイブリッド自転車の市場は、上記の要素を加味しながら、各社独自性ある商品展開で競っている。今回ヤマハらしさを発揮しつつ、ユーザーの期待にこたえるべく、ニュー・パスを開発したので、ここにその概要を紹介する。
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技術紹介
技報No.24 技術紹介1 説明画像

モーターサイクルの低振動マウント技術 PDF

田中 十四夫

モーターサイクルにおけるエンジンマウントの多くは、ラバーマウントとリジッドマウントのどちらかに大別される。前者は、スクータのリンクマウントやオーソゴナルマウントの実績からも分かるように、防振効果に対する高い評価が得られている。しかし、近年の様々な技術進化によって得られた高度な操縦安定性やパワーを包括するには、後者を前提としたマウントに頼らざるを得ない状況になりつつある。リジッドでいかに低振動なマウントを構成できるか、このテーマが開発プライオリティの中でも、重要な技術課題として位置づけられるようになってきたのである。本稿では、モーターサイクルのリジッドマウントにおける、最近の低振動開発技術について紹介する。
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技報No.24 技術紹介2 説明画像

新型マウンター YVL88-Ⅱ,YV-100-Ⅱの電気系 PDF

豊田 誠

この数年、パソコンおよび携帯端末の普及により、電子部品表面実装システム市場も急速に発展している。その中でヤマハ発動機株式会社(以下、当社という)はフルビジョンマウンタのパイオニアであり、現在のマウンタ業界ではこの方式が主流である。当社は中心的な機種として、YVL88(レーザー&ビジョン、高精度、多機能マウンタ)とYV100(マルチヘッドビジョン、高精度、高速マウンタ)を1996年4月から販売していたが、この度これらをモデルチェンジし、ニューモデルYV100-IIを1997年4月より、YVL88-IIを6月より販売を開始した。これらの電気系の概要を紹介する。
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技報No.24 技術紹介3 説明画像

ウォータービークルにおけるウォータージェットポンプの性能の計測 PDF

池田 憲治/塚原 康寿/永房 誠

ヤマハのウォータービークル(国内においてはマリンジェット)が世に出て10年を越えたが、推進機構として用いているジェットポンプ(以下、ポンプという)は、艇の軽快な運動性を得られることのほかにも、安全な推進機構として、効率工場などの今後の高性能化が期待されている。ポンプの性能開発は、一部の水槽テストを除いて浜名湖での実航走テストによって行われているため、気象条件や海面状態の変化などによるデータのばらつきは避けられない。また、春から秋のレジャーシーズンにおいては、実航走テストに利用できる海面域が制限されるなどの要因があり、精度や作業効率上多くの制約が存在する。
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技術論文
技報No.24 技術論文1 説明画像

制御鍛造技術を使ったパウダーメタルピストン(PM-P)の実用化 PDF

小池 俊勝/山縣 裕

鋳造では実現不可能な高い要求機能にこたえられるピストンを、適正なコストで生産することを目的として、ピストン用パウダーメタル材および制御鍛造技術を開発した。ピストン用パウダーメタル材は、室温から523Kの温度域で鋳造ピストン材に比べ約50%高い疲労強度を示し、薄肉設計を可能にする。また、硬質SiC粒子を必要に応じ適量混ぜることによって、耐摩耗性を改善することができる。一方、制御鍛造技術は、パウダーメタル材などの難加工性アルミ合金をピストン形状にニアネットでかつ効率よく成形する技術である。制御鍛造技術を使ったパウダーメタルピストンは、軽量化と耐久性に顕著な効果があり、1990年より当社の世界GPレース用マシンYZR500に採用されている。本年より世界に先駆けて市販車への採用を始めた。
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技報No.24 技術論文2 説明画像

マリンレジャーを支えるハードについて PDF

菅澤 実

本稿は論文という堅い内容ではなく、マリンレジャー用舟艇について技術者の興味をそそるような内容を中心に、需要の動向や商品の変遷、そして開発の歴史などにスポットをあてながら、なるべく広く、分かりやすくという点に心がけて執筆したものである。したがって読者の皆様にも、マリンレジャー関連商品開発のだいご味や楽しさ、そして難しさなどが伝えられ、一人でも多くの人々がマリンレジャー関連商品開発に興味を持っていただけることを願って、本稿を紹介する。
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技報No.24 技術論文3 説明画像

Al-19Si-1Cu-1Mg合金およびAl-12Si-1Cu-1Mg合金のフレッチング磨耗特性に及ぼす硬さの影響 PDF

栗田 洋敬/山縣 裕

繰返し荷重と微小すべりを同時に与えることができるフレッチング摩耗試験機を用い、熱処理条件を変化させることで硬さを変化させた過共晶組成のAl-Si合金(JIS-AC8B)および共晶組成のAl-Si合金(JIS-AC8A)の硬さと摩耗量の関係を調べ、硬さおよび組織が耐摩耗性に及ぼす影響を検討した。試験片は、半球形接触面をもつライダ(浸炭焼入れを施した合金鋼)と、平面接触面をもつロータ(AC8BまたはAC8A)よりなる。試験片接触部に周波数40Hz、荷重振幅98±10Nの繰返し荷重を付加すると同時に、接触部中心を軸とした6.8×10⁻3radの揺動回転運動を与えた。AC9BおよびAC8Aは、763Kで1時間保持後水焼入れし、その後523Kで所定時間時効処理を行った。その際、時効時間を変化させロータの硬さを変化させた。試験は、室温(298K)および523Kにて、無潤滑・大気中で行った。室温および523Kでの摩耗痕面積は、硬さの増加に伴い減少した。凝着摩耗が支配的形態で、耐摩耗性はマトリックスの硬さによって決まり、組織中のSi粒子の分散状態の影響は受けないものと考えられた。
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