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技報【バックナンバー】

ヤマハ発動機では研究開発の成果や製品を支える技術をご紹介するために、年1回(12月)、技報を発行しております。
本ページでは、PDFファイルのダウンロード・閲覧ができます。(現在、冊子の配布はいたしておりませんのでご了承ください。)
YAMAHA MOTOR TECHNICAL REVIEW
技報No.21 表紙

ヤマハ発動機 技報 No.21(1996年3月)

技術論文
技報No.21 技術論文1 説明画像

電流ベクトル制御LSIの開発 PDF

村田 和弘/大塚 賢一

モータ制御においては、制御量がトルク・速度・位置のいずれであっても、電流制御系の構成は変わらず、高精度よりも高速応答が要求される場合が多い。したがって、ディジタル化する場合、電流制御系は高速に制御可能なハードウェアで構成することが望ましいと考えられる。そこで、三相交流モータの電流ベクトル制御用LSI「YPZ303-F」の開発を行った。実験結果では、電流指令値のステップ変化に対しても良好に応答し、基本波周波数が1.5kHzの場合においても、位相遅れは2サンプリング程度であった。
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技報No.21 技術論文2 説明画像

船外機用フューエルマネージメントシステムの開発 PDF

菅野 功

近年、オフショアボートにおいては、エンジンのモニターとしての正確な燃料消費量計の要求が高くなっている。これは、外洋を長距離航海するためにエンジンの状態を一目で把握でき、かつトラブルによる燃費悪化を未然に防ぐためである。このためには、トローリングから全開までに適合する広いダイナミックレンジの燃料流量センサをいかに開発するかが重要なポイントであり、これを低コスト・高信頼性で実現する必要がある。また、センサの特性のズレを補正できるメータを併せて開発することにより、より正確な測定が可能となる。そこで本文では、マリンエンジン用燃料流量センサとして羽根車式と容量式を取り上げ、検討要因として(1)精度、(2)圧力損失、(3)ダイナミックレンジ、(4)動対策などについて両者の比較を行った。さらに、それぞれの特性の向上を追求したうえで、大型2ストローク船外機用として、特性補正付きデジタルメータに羽根車式センサを組み合わせたシステムの開発を行った。
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技報No.21 技術論文3 説明画像

二輪車のデザインからくる大きさの評価 PDF

杉崎 昌盛/服部 恭子

諸元がほとんど同じ二輪車でも、視覚的な大きさのイメージに違いが生じることが多い。ここでは、実際に評価してどのように違いが出るか調べ、尺度図のかたちで表した。一方、このような評価ではパネルの信頼性を把握しておくことが重要である。そこで、各パネルの評価結果から個々のパネルの信頼性を調べ、信頼性の低いパネルがどのような評価をしているのかを明らかにした。また、パネルを主成分分析することにより、視覚的な大きさのイメージの違いが何に起因するのかを調べるとともに、構成パネル群(デザイナー、女性など)間の評価の特徴を調べた。
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技報No.21 技術論文4 説明画像

ダイカストマシン水溶性油圧作動時の保全 PDF

井上 清志

水溶性油圧作動油の日常管理で、作動油の浄水処理は非常に重要である。しかし、現状のろ過装置では長時間ろ過しても、作動油の劣化状態を示す透過率が思うように改善されない。その原因を追求していったところ、鉱油分の混入の影響が大であることが判明した。特に水溶性油圧作動油(水・グリコール)への鉱油分の混入は、油圧機器への悪影響(摩耗)が理論的にも知られている。今回、この鉱油分の混入防止策として、油圧タンクのエアブリーザーからの鉱油分の吸入を阻止するため、外気との隔離方法を研究し、最終的にジャバラによる呼吸装置を開発した。また、一度混入した鉱油分を除去する方法として、油滴の凝集粗大化理論とフィルターの逆流効果を組み合わせ、画期的な水溶性油圧作動油のろ過装置「水グリ・クリーナー」を開発・実用化に成功した。
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技報No.21 技術論文5 説明画像

溶接ヒューム流れ解析と職場環境対策 PDF

大塚 章/三井 昇/田中 廣

MAG溶接時に発生するヒュームは、職場の環境を悪化させるため従来より問題となっていた。ヤマハ発動機㈱においても、作業者の健康を守るため様々な対策を行ってきた。しかし、その対策は発生源からの対策になっておらず、対策のために作業者が装着している保護具も吸気の清浄度は充分確保されているが、行動に制約が出てしまうなどの欠点が存在した。このため、今回、ヒュームの発生メカニズムの基礎実験を行い、発生における各種要因の影響度を調査した。そして、その結果をコンピュータでシミュレーションし、実機で確認することにより、対策のための技術的解明ができたので報告する。
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技報No.21 技術論文6 説明画像

生産時点情報管理(POP)システムの開発 PDF

高島 千代久

製品の品質や生産性は生産時点で決定される。従って、生産時点で発生する情報を把握し、臨機応変に改善や合理化を実施できることが重要であり、それを支援するために生産時点情報管理(POP:Point Of Production system)システムの必要性が高い。また、現場ではその操業形態も多様であり、改善や合理化によって常に変化している。そのため、POPシステムの開発・導入・保全は困難を伴うといわれている。このような状況はヤマハ発動機㈱でも同様であり、我々は現場にとって使いやすく、メンテナンス性の高いPOPシステムの開発を目標としてきた。また、POPシステムの開発・導入・保全における生産性を高めるために、開発の標準化と体制作りに取り組んできた。ここでは、よりすみやかに生産現場で効果を上げるためのPOPシステムの開発とメンテナンス性向上を狙って構築した開発プロセスについて報告する。
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技術紹介
技報No.21 技術紹介1 説明画像

船外機の航走テスト用Pmiメータ PDF

大谷 弘昭

船外機の性能開発において、動力計上で出力が出ていても、実際に航走するとスピードが予想通り出ないことがある。これは背圧など様々な外部条件が異なるためで、開発をスムーズに進めるためには、実航走条件で出力を把握する必要があった。そこで、ボートテスト時に船に積載し、リアルタイムに出力を測定する目的で、小型・簡便・精度のよいPmiメータ(爆発圧力を計測し出力を把握する)を開発した。これにより、船上で実出力がわかり、開発時のやり直しを防止できるようになった。
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技報No.21 技術紹介2 説明画像

電装品評価設備の導入 PDF

山田 吉典/秋山 延久/和久田 洋克/戸塚 一馬/宮木 一麿

㈱アイアイシーは、電装部品製造技術の海外移転を主要な事業の1つとしている。この移転した技術に基づき製造した電装部品の良否を判断するために、評価は重要な業務である。このたび、アイアイシー本社の敷地内に実験棟を増設し、電装品の評価設備を導入。1995年7月より評価業務を開始したので、概要を紹介する。
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技報No.21 技術紹介3 説明画像

フローティング・ブリッジの研究開発 PDF

岡 龍祐

最近のボートは、エンジンの大馬力化、低抵抗船型の採用により、ますます高速化する方向にある。そうすると、波浪中では船体が受ける衝撃が大きくなり、乗船者に対して何らかの衝撃緩和対策が必要になる。また、ボートは振動、騒音レベルがまだまだ改善すべき状態であり、残念ながら快適な乗り物とは言い難い。もちろんこの点では、エンジン本体の低振動化、防振ゴム支持が考えられる。しかし、主機本体の低振動化は費用対効果の面で制約が多いこと、防振ゴム支持はプロペラ推力をエンジンが直接受けるというボート特有の機構から、防振ゴムの設定の難しさ、耐久性に問題がある(特に、年間使用時間の長い漁船では、耐久性の問題が大きい)。これらを解決する1つのアイデアとして、居住部(ブリッジ)を船体構造から「浮かせる」ことが考えられる(以下、フローティングと言う)。今回、実船テストを実施し、良好な結果を得たので、以下に紹介する。
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技報No.21 技術紹介4 説明画像

減揺装置の研究開発 PDF

末森 勝

鏡のような水面を滑るようにボートで走り抜けることは、爽快そのものである。しかし、釣りやパーティの際に船を波の中に止めると、船の揺れによって船上での作業が不安定になったり、不快な気分となることが多い。今回、この「揺れ」およびその揺れを抑える「減揺装置」について研究を行ったので、ここに紹介する。
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技報No.21 技術紹介5 説明画像

電子部品表面実装技術 PDF

杉浦 滋/加藤 光之/荒木 千博

日進月歩の技術革新を続ける電子装置・機器は、産業用・民生用を問わず、あらゆる分野で高機能化と小型軽量化が進んでいる。このような製品に対しては、電子部品の高密度実装が要求され、その手段として表面実装技術(SMT:Surface Mount Technology)、表面実装部品(SMD:Surface Mount Device)が用いられている。ヤマハ発動機㈱の電装品においても例外ではなく、車載電装としてCDI点火ユニットをはじめ、森尾電機㈱コントローラ製品群の約80%に取り入れられている。
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製品紹介
技報No.21 製品紹介1 説明画像

XVZ13A ロイヤルスター PDF

橋本 政幸/中村 公昭/鈴木 貢/河崎 伸一/小笠原 祐二

1970年代の初めにピークで150万台を記録した米国のモータサイクル市場も、その後減少し、1990年代に入ると30万台のレベルまで落ち込んだ。しかし、最近では1970年代にモータサイクルを経験した人たちが、再びモータサイクルに戻ってくる現象もあり、アメリカン(米国ではクルーザーと呼ばれている)を中心に数量が反転して増加する傾向となってきた。このようなアメリカンの伸びは、欧州でも日本でも見られ、世界的に需要が増加している。しかし、大排気量アメリカンのような高付加価値モデルは、ただ商品を開発すれば良いということではなく、商品の価値を維持するための施策が大変重要になってくる。今回のロイヤルスターの開発の場合も、開発初期からYMUS内にプロジェクトチームを作り、こういった市場施策を強力に推進してきた。
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技報No.21 製品紹介2 説明画像

XVS400 ドラッグスター PDF

北田 三男/鈴木 正人/古橋 優/高畑 竜実/金原 一成

国内モーターサイクル市場において、カウルのないいわゆるネイキッドタイプに次いで大きな需要のあるカテゴリーとして、「アメリカン」がある。この「アメリカン」カテゴリーは、若者の服装、靴などにおけるアメリカンファッションの流れにも呼応して、近年さらに活況を呈している。また海外においても、本家アメリカはもとより、欧州、中国(!)でも、「アメリカン」のモーターサイクルの人気は高く、世界的な盛り上がりを見せている。そういった市場背景のもと、現行「ビラーゴXV400」のモデルチェンジとしてスタイル、機能を一新した「ドラッグスターXVS400」を開発することになった。
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技報No.21 製品紹介3 説明画像

YZF1000R サンダーエース PDF

三輪 邦彦/冨永 隆史/竹上 政喜/一木 富士男/村松 恒生

欧州では、スーパースポーツモデルの活躍する場面は、アウトバーンに代表される200km/h以上の車速域がメインとされてきたが、近年その考えは変わりつつある。セカンダリロードと呼ばれる街と街を結ぶ街道を80~150km/hレベルのスピードで加減速やコーナリングを楽しむことに、このカテゴリーの存在が問われるようになってきた。YZF1000Rは、この場面を活躍の場とすべく開発されたモデルである。
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技報No.21 製品紹介4 説明画像

YZF600R サンダーキャット PDF

阿部 輝夫/竹内 善彦/鈴木 一広/斉藤 哲彦/川北 茂樹

国内では、全く人気の離散しているスーパースポーツカテゴリーだが、モーターサイクル誕生の地・欧州では依然として強い人気を有している。その中で600ccは、スーパースポーツのエントリーモデルとして幅の広い使い方をされており、性能はもちろんだが、高い実用性および低価格が要求され、コストパフォーマンスの重視されるクラスである。ヤマハ発動機㈱は、’94年にニューモデルを発売したが、これをさらに進化させた’96年モデルを開発したので紹介する。
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技報No.21 製品紹介5 説明画像

New TDM850 PDF

根岸 廣介/谷口 武司/平野 文人/小栗 幹夫/城本 真/平野 和行

当社では、’91年に並列前傾2気筒850ccエンジンと、ユニークなスタイルに場面を選ばない走行機能を持たせた車体を組み合わせた「TDM850」を発表し、先進国市場各地で販売されてきたが、特に主要市場である欧州において、その万能的な性能と共に、類似するライバルを持たないという強みにより、定評を得てきた。そこでデビューから6年目を迎えるに当たり、独特の強みを生かし、進化させた’96年モデルを開発したので、ここに紹介する。
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技報No.21 製品紹介6 説明画像

車イス用電動ユニット JW-I PDF

福井 巧/内山 敦

近づきつつある高齢化社会に確実に対応できる商品の一つとして、当社独自の新技術を活用した車イス用電動ユニット「JW-1」を開発し、本年度より市場導入を図ることができた。当社は、「人間感覚を最優先した乗り物を目指す」という考え方を基に、電動モビリティの商品化に積極的に取り組んできている。「JW-1」も、その基本的な考え方を基に新たな視点をもって新分野への参入を果たした。ここに、その概要を紹介する。
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技報No.21 製品紹介7 説明画像

YDMS薄型50Uとアプリケーション レストランへの導入 PDF

青島 時彦/深井 文憲/山本 敬二

モータサイクルをはじめとする自社工場内での搬送の自動化を目的として、YDMS(ヤマハ・ダイレクトドライブモータ・モノレール・システム)を開発したのは、今から約8年前にさかのぼる。当時、磐田第5工場が稼働を開始し、CIMの一環としてロボットを使用した組み立ての自動化と、自動倉庫を中心に据えた物流の自動化が進められていた。その中で、組み立てラインと自動倉庫をつなぐ搬送システムとしてYDMSが開発されたのである。その後外販を開始して6年になるが、基本設計は開発当初のものを踏襲し続けていた。しかし、その大きさ、特に高さ寸法が大きいことを理由に導入を断念せざるを得ないケースが多く、より小型・軽量化されたモデルの開発が望まれていた。今回紹介させていただく「YDMS50U」は、業界最小・最軽量を実現した新機種である。
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技報No.21 製品紹介8 説明画像

GHP新製品ビルマル「16・20HP」 PDF

谷高 利博/小栗 眞/海野 仁/福岡 治郎/清水 正之

近年、ビル用マルチGHPの販売は著しい伸長を遂げ、’95冷凍年度の販売台数はGHPメーカー4社で14,000台であり、全ビル用マルチエアコンの販売台数の25%を占めるに至った。各GHPメーカーとも、この量販クラスに品ぞろえをしており、シェア確保のため、より高機能・高品質・低コストな商品が求められている。今回、大型ビル用マルチ(16・20HP)のフルモデルチェンジを行い、’96年1月より生産を開始した。昨春より発売の10・13HPモデルに加えることで、シリーズ化を完成したので、以下にその紹介を行う。
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技報No.21 製品紹介9 説明画像

製造計画スケジューリングシステム PDF

小楠 和正

近年の低成長時代を反映して、時間競争力をつけることが企業の優位性を勝ち取ることだと言われている。工場においては、経営資源である生産設備や人をできるだけ効率的に活用し、全体のリードタイムを短縮することではないだろうか。最近は、CIM(Computer Integrated Manufacturing:コンピュータによる統合生産管理システム)化の潮流により、製造現場もPOP(Point Of Product:生産時点管理システム)が導入されるなどしてきたが、計画作成業務に至っては相変わらず手作業となっており、その意味でもスケジューリングシステムが大きな注目を浴びるようになってきたため、パッケージソフトとしてMLP(Multi Level Planning)を開発した。
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技報No.21 製品紹介10 説明画像

Winforce M80YZ PDF

中野 和弥/松本 智仁

ヤマハレーシングカートは発売以来22年目を迎えたが、近年では1991年をピークに販売量の減少が続いていた。これはバブル経済の崩壊やF1ブームの衰退といった外的要因によるところが大きいが、従来のレーシングカートは2サイクル100ccミッションなしエンジンを搭載した100ccスプリントカートのみであり、ユーザーの減少化を食い止められる魅力のある新しいカートの登場がなかったという内的要因もあった。
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技報No.21 製品紹介11 説明画像

CAMシステム「EgCAM」 PDF

小杉 宏之/杉浦 正明/山田 尚史/松尾 明俊

CAMシステムは、第1世代「APT、LANC言語の利用(自動プロ)」、第2世代「CADの図面形状の利用」を経て、第3世代「CAD情報の利用と開放されたデータベースの採用」に移ろうとしている。EgCAM(Ergonomic Easy Computer Aided Manufacturing)は、第3世代のCAMシステムとしてだけでなく、Windowsの操作性を活かし、「イージー&スピーディー・オペレーション」を実現した、人にやさしいCAMシステムである。
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技報No.21 製品紹介12 説明画像

PTO付きラバーマウントエンジン艇 PDF

箕浦 実

釣りレジャー用艇の需要が拡大する中、振動騒音などの快適性を確保しつつ、PTO(エンジンより補機用動力を取り出す機構)のニーズが高まってきた。しかし、PTOを装備するにはエンジンを固定する必要があり、振動・騒音に対して効果のあるラバーマウントにできないという問題があった。
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