技報【バックナンバー】
ヤマハ発動機では研究開発の成果や製品を支える技術をご紹介するために、年1回(12月)、技報を発行しております。
本ページでは、PDFファイルのダウンロード・閲覧ができます。(現在、冊子の配布はいたしておりませんのでご了承ください。)
本ページでは、PDFファイルのダウンロード・閲覧ができます。(現在、冊子の配布はいたしておりませんのでご了承ください。)

| 巻頭言 | 福田 雅彦 90年代への積み残しを避けるかのように、内外にわたる政治の激動が走り抜け、地軸を大きく揺り動かした。新たなバランスを模索する過程では、経済力とこれを支える技術力が、グローバルな力関係を支配して行くであろう。壁が崩れたあとで、突出した日本の経済力は、更にくっきりと浮かびあがることになろうが、国際的な共存、支援のスタンスを誤ると、目障りな突出として削り捨ての集中攻撃を浴びるのは必至である。 |
|---|---|
| 技術紹介 | 島田 芳博 レーサーレプリカに対するヘルメットの新しいトレンドは、テイスティである。このゾーンに向けて展開するヤマハヘルメット・テクノロジーのキーワードが「EASE」である。EASE〔i:z〕(気楽、安楽、余裕、苦痛をやわらげる、の意味)、そんな「快適性」を基準に、ヘルメットの新しいステージを拓こうとするもので、その成果のひとつが「OE」「FE-X」であり、本格的な内装着脱式を開発導入し、洗えるヘルメットとして大きな波紋を投げかけた。また、EASE第二楽章ともいうべきシステムヘルメット「SA」は、フルフェイス、ジェット、両タイプの機能メリットを有するコンセプトが高感度なユーザーを中心に受け入れられ、今も市場での指名買いが絶えない。今回紹介する「SA-AF」(S/M用ヘルメット)は、モーターサイクルスポーツで蓄積したヘルメット・テクノロジーと、スノモライフをいちばんよく知っているヤマハを母体として、ロードと雪原の異種交配によって誕生した。その成果は、曇りを極力抑えることに成功し、「快適性」を高めたことである。 |
鈴木 淳一/中島 信行 商品のライフサイクルの短命化、ニーズの多様化で、頻繁に行われるモデルチェンジなどに迅速に対応するため、設備部門への要求は厳しいものがある。本稿では、そのような加工ラインにおいて、設備総合効率95%、1日当たり60分の無人運転実現を目標にした設備効率向上対策を紹介する。 | |
吉村 昇一 モーターサイクルを設計するにあたり、開発初期段階でCAE(コンピュータ・エイディッド・エンジニアリング)を適用することは、商品の信頼性を確保するとともに、開発期間を短縮するためにも重要である。CAEのなかでも、有限要素法(FEM)は非常に重要な役割を果たしている。そして、モーターサイクルのような小型の乗り物の開発にFEMを適用するには、短期間に低コストで解析を完了することが必要である。しかし、従来FEMを利用するには複雑な操作が必要であったため、設計者が満足に使える状態ではなかった。この問題を解決するために、設計者自らがモーターサイクルのFEMモデルを作製したり、解析結果を容易に評価できるようなシステムを開発することにした。このシステムを「STAGE-FEM」と呼んでいる。ここでは、まずSTAGE-FEM開発の背景と目的を明らかにし、その特徴機能や操作方法について述べる。次に、STAGE-FEMを用いて解析した例として、フレーム、スウィングアームの強度剛性、ホイールの強度、クランクシャフトの強度、コネクティングロッドの強度について紹介する。また、このシステムの及ぼした効果について、解析件数、解析時間、解析コスト、精度の点から述べてみる。さらに、システム開発後に生じた幾つかの問題点や、振動解析の実用化など将来の課題についても説明する。 | |
| 製品紹介 | ウォータビークルウェーブランナーⅢ/MJ650TLの開発と紹介 岡 克則/中瀬 良一 ヤマハ、ウォータービークル「Wave Runner」がUS市場に登場したのは、'87年初め、今から4年前のことであります。最初は半信半疑だった売れ行きは、発売当初から予想を遥かに上回る勢いで、私たちを驚かせました。US以外の市場においても、国内をはじめ、欧州、カナダ、オセアニア、一般地と拡大し、今や世界80数ヶ国の水面で使用されています。このようにして、はじめ馴染みの薄かった「ウォータービークル」という言葉も、今では社内外の皆様方に広く知られるようになりました。例年、夏にヤマハマリーナ浜名湖で開催される本技術会の試乗会におきましても、その機動的で爽快な運動性を体験された会員の方が多数おられることと思います。さて、昨年8月、USジョージア州キャラウェイガーデンにおいて、全米ウォータービークルディーラーミーティングが開催されました。席上'90年モデル、5モデル(W/R、W/J、W/R-LX、S/J、W/R-III)が発表され、ディーラー各位の盛大な好評を博しました。今回は、この中でニューモデルとして発売された3モデルのうちのひとつ「Wave Runner III」について、開発経緯および仕様についてご紹介させていただきたいと思います。 |
| 技術論文 | 一ノ瀬 克仁 国内の400ccクラススポーツバイク市場は、年間販売台数8~10万台という安定した需要をここ数年見せている。この中でレーシースポーツモデルの人気が根強く、需要の約3分の2を占めている。ヤマハでは、’86年春に「FZR400」を市場投入して以降、市場を拡大。「FZR400」及び後続モデルの「FZR400R」は、国内市場での基軸モデルとして広い人気を集めてきた。こうした市場環境の中で、このたび当社は、最新の400ccレーシースポーツモデルにふさわしいポテンシャルを持つマシンとして、「ヤマハNEW FZR400RR」を平成元年12月より発売した。以下にこのエンジンの設計の狙いとその概要について紹介する。 |
中村 晃/内山 孝 設備投資は企業の繁栄と永続性を目指して先行するもので、企業行動の中で最も緻密な計算と予知の力を必要とする分野である。それは単に「物」を選定して上手に購入するということに留まらず、企業内のさまざまな将来の活動と関連を持っているといえる。われわれが予知し努力している以上に、外部環境が変化する場合には投資活動そのものへの対応も変えていかなければならない。わが社の場合にはとくに、生産量の変動、製品のライフ・サイクルの短命化などが意思決定に影響をおよぼす要因となっており、十分に分析・評価して最適案を選択する必要がある。TPM活動を展開している中で、設備投資の意思決定を上手に支援することができる判断ツールとして「経済性分析(LCC)」があることを知り、その考え方と手法を導入することにした。以下、この1年間の活動をご紹介したい。 |
※このウェブサイトにより提供を受けた技術(プログラムを含む)を非居住者へ提供、または引渡しを受けた貨物を輸出する場合は、「外国為替及び外国貿易法」等の輸出管理法令および米国の輸出管理法令を遵守してください。
先頭へ





