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技報【バックナンバー】

ヤマハ発動機では研究開発の成果や製品を支える技術をご紹介するために、年1回(12月)、技報を発行しております。
本ページでは、PDFファイルのダウンロード・閲覧ができます。(現在、冊子の配布はいたしておりませんのでご了承ください。)
YAMAHA MOTOR TECHNICAL REVIEW
技報No.6 表紙

ヤマハ発動機 技報 No.6(1988年7月)

巻頭言

巻頭言 PDF

荒井 昌三

私は10年先を考えるのがすきである。考えるとは大げさだが、想像するといったほうがよい。自分が生きてきた50有余年の時間を、現在を基点として左の時間軸に、そして今後の10年を右の軸にして今後の事象を想像する。21世紀の到来を私の時間軸に目盛ることのできる現在時点はというと、世界史上パックス・ジャポニカと言えるほどの国力を持った日本になっている。この蓄積された力が次の10年にあたえる社会変革の様相は、過去100年、200年の変化に匹敵するものとなろう。
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技術紹介
技報No.6 技術紹介1 説明画像

ヤマハ風力発電装置の開発 PDF

青木 繁光

風力は、太古から人類が利用してきた古典的なエネルギーで、技術的なテーマとしては非常に古いものだと思います。しかしながら、現在、さまざまな理由で世界的にこのテーマの見直しが行われており、徐々に再利用の芽が現れつつあります。私たちは、当初セールボートや発動発電機等の既存技術の延長線上で技術開発のスタートを切ったわけですが、実用化開発の局面を迎え、このシステム特有のいくつかの問題に直面することとなりました。
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技報No.6 技術紹介2 説明画像

ヤマハレースエンジン “OX66” PDF

吉川 雅明

ヤマハ発動機は、伝統的に自動車用の高性能エンジンの開発にかかわってきた。レース用4バルブエンジンは、’70年代初期から試作およびレース参加を行った。乗用車用の4バルブエンジンは、’82年より生産を開始している。レースエンジンが、生産エンジンに10年程度先行しているのが理解されよう。’82年末、4バルブの次世代の新技術開発を目的に、’76年以来中止していたレースエンジン開発が再開された。当時、最も自由度の高いレギュレーションとしてF2が選ばれ、世界初の自動車5バルブエンジンであるOX66が誕生した。エンジンメーカーは、レースチームに対してエンジンを公平に供給することが理想であるとの考えで、本エンジンは開発当初より市販を前提として設計・開発が行われた。OX66は’85年よりレース参加が開始され、’86年より約20台がレンタルにより一般ユーザーに使用された。’87年12月末日のレンタル期間終了を機に、技術面を中心に振り返ってみたい。
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技報No.6 技術紹介3 説明画像

Vプロセス鋳造法 PDF

豊田 信夫

VプロセスとはVacuum Molding Process(減圧鋳造法)の略称で、日本で発明された鋳造方法の一つです。Vプロセスは、砂をフィルムで包み込み、真空状態にすることで砂を固定する鋳造方法です。これによって、砂と粘土と水で型どりされる生型鋳造よりも、飛躍的に鋳物肌の美しい、より均一な品質を得ることができます。Vプロセス鋳造設備は、昭和61年12月、磐田第3工場に設置され、現在、鋳造金型の製造を開始しております。
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技報No.6 技術紹介4 説明画像

カクテルカラーの紹介 PDF

若林 壮一

昭和56年当時、カラーリングはモーターサイクルでは、Deep & Rich & Sparkle(デザインポリシー)へと高級志向へのニーズが強まりつつあった。また、当時、タウンメイトのコスト開発において、コスト½の要請があり、塗装コスト開発の必要性も強まっていた。しかし、既存の手法(メタリックカラー、キャンディー塗装等)では、デザインポリシーに応じるには限界があった。また、コスト開発においても同様に限界があった。こうした背景を経て、新しく創り出した手法を「カクテルカラー」と命名し、昭和58年、新機種の「ベンチャーロイヤル」および「Jog」より採用を始め、現在でもカクテルカラーはカラーリングの分野で市場をリードしている。今回ここに、カクテルカラーの手法とその特徴について紹介し、より多くの皆さんにカラーリングへの関心をもっていただければ幸いです。
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製品紹介
技報No.6 製品紹介1 説明画像

TDR250の開発 PDF

富本 史郎

国内の二輪車市場は全体的に見ると、残念ながらここ数年下降傾向にある。この国内市場で唯一伸長を続けているのが軽二輪スポーツのクラスであり、伸長を支えているのが「レーサーレプリカ」と呼ばれるモデルで、総登録台数の40%以上に達し、今やスタンダードモデルと呼ばれる状況にある。TZR250に代表されるこのレーサーレプリカや、DT200Rに代表されるオフロードモデルは、ロードレーサーやモトクロッサーにより近づく宿命を背負っており、単機能化、言い替えると先鋭化の方向にある。このクラスのモーターサイクルは趣味性の強い商品であるため、単機能化することによる研ぎ澄まされた美しさが求められることは当然であるが、追求された機能以外のところでは、ガマンが強いられることも事実である。このような背景の中で、モーターサイクルの楽しさの原点である「走り」に重点を置き、走れる場所を広げること、ファンライディングゾーンを拡大することにより、ライダーに新たな楽しみを提供しようとするのが今回紹介するTDR250である。
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技報No.6 製品紹介2 説明画像

レーシングカート用エンジンKT100AX PDF

泉沢 滋樹/水越 望

アイルトン・セナ、ネルソン・ピケ、アラン・プロスト、そうそうたるF1のエースたち。彼らがいずれも、そのレース人生のスタートをレーシングカートで始めたことは、既によく知られた事実である。また、身近な例では、日本期待のF1ドライバー中島悟選手や、F3000の若きヒーロー鈴木亜久里選手も、そのレース活動をレーシングカートから始め、特に鈴木亜久里選手の勇姿は、エキシビションレースなどでカートコースでも見ることができる。実に多彩なドライバーたちのレース活動の原点となり、近年にわかに脚光を浴びているレーシングカートの世界だが、まだまだその実際のレースの世界まで理解されているとは言いにくいのが現状のようである。そこで、本論からは少し外れるが、簡単なレースルールなどの紹介を行い、本論のKT100AXエンジンの開発背景の理解の一助としていただきたいと考える。
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技術論文
技報No.6 技術論文1 説明画像

2ストロークエンジンの排気ポートカーボン詰りと排気煙の対策 PDF

矢代 善伸

2サイクルE/Gに於ける排気系カーボン詰まりによる出力低下と、マフラー後端で発生するオイル飛散・排気煙は、2サイクルE/Gの古くからのテーマの一つである。しかし、この二つのテーマは、E/G・オイル相互が関連しているため、系統的解析があまりないのが実情である。特にオイル側での改善事例はありますが、E/G側での改善事例はほとんどありません。そこで、E/G側での現象解析とオイル側での変動要因より対策法をまとめた。ここでは排気系カーボン詰まりの代表として排気ポートカーボン詰まり、排気系汚れの代表として排気煙について報告する。調査の結果、排気ポートカーボン詰まりは、排気ポート出口形状の選定と、オイル中の高沸点留分の低減が対策として有効である。また、排気煙についてはマフラー後端の排出ガス温度の高温化と、オイルの反応エネルギー(熱分析の一種であるDSCで測定)の低減が有効であることが分かった。
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