ヤマハ発動機の
「人間研究」とは?
ヤマハ発動機は「感動創造企業」をめざしています。
具体的には「ココロとカラダの両方が動く」領域で
「活動的・主体的に楽しめる」体験を提供することで、
世界中の人々とともに新たな感動をつくっていきたいと考えています。
そんな私たちの前には、
常に、本質的な問いが立ちはだかります。
人は、どんなときに感動するのか?
人が感動するということは、
どういうことなのか?
感動とは、人生に何をもたらすのか?
私たちが取り組む人間研究は、
ヤマハ発動機がヤマハ発動機であり続けるための、基礎研究。
研究すればするほど、
わかってくればわかってくるほど、
人間は人間のことを、
よくわかっていないことがわかります。
人間はむずかしい。でもだからこそ、
おもしろい。
ようこそ、ヤマハ発動機の人間研究へ。
新しい感動の誕生の、
目撃者になってください。
研究活動について
私たちが日々研究している内容をご紹介いたします。
QoLに関する価値観の調査
人々のライフスタイルについての価値観を理解し、お客さまの“体験したい!”のタイミングを探求する
研究をスタートさせるキッカケとなったのは、ヤマハ発動機の製品やサービスは、体験してみないと本来の魅力を知ることが難しいという声から。事実、モーターサイクルやボートなど、製品を実際に体験してもらうことは難しく、お客さまの「体験してみたい!」という自発的な意思が不可欠。ブランドの真価を的確にお伝えすべきタイミングを探るためには、ライフスタイルや生活に対する価値観をあらためて知る必要がありました。
「より豊かな生活を求めるタイミングで、我々の製品やサービスを体験したいという気持ちが生まれるはず」との仮説をベースに、ライフスタイルや生活において、人々がどのような価値観をもち、またそれをどう分類できるかを知るためにQoL(Quality of Life)※に関する価値観の調査を開始しました。
※QoL(Quality of Life):日本語では“生活の質”などと訳され、このウェブサイトでは生活や人生における「生きがい」、「満足度」、「豊かさ」という意味で使用しています。
研究メンバー
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ヤムスックセリー
クリエイティブ本部
ブランドマーケティング部
企業ブランディング担当
愛着研究
「愛着」の構造化を試み、新たな価値を見出す
何かを大切に想い、特別な存在だと思う「愛着」。愛車のモーターサイクルやお気に入りの革小物、デニムなど、その対象は人によりさまざまで、理由も千差万別。「愛着」そのものの定義も曖昧です。本研究では、人が抱く「愛着」とは何か、なぜそのような気持ちが生じるのかについて、実践としてのデザイン的視点と、理論としての学術的視点を組み合わせた研究を行っています。
研究を通じて得られた愛着形成のエッセンスは、製品やサービスが今よりもさらにお客さまにとって特別な存在になれるよう、製品開発やマーケティング施策などに織り込んでいきます。スペックだけではなく、「なぜ、愛されるんだろう?」を、さまざまな角度から観察してヒモ解き、新たな価値として世に送り出す。人のさらなる幸せを紡ぎ出す独自の研究です。
研究メンバー
-
末神 翔
技術・研究本部
技術戦略部
博士(心理学) -
長澤 美緒
クリエイティブ本部
プランニングデザイン部
UI/UXデザイナー -
林 輝宙
クリエイティブ本部
プランニングデザイン部
リサーチャー
協調HMI研究
「“ヤマハがめざす感動”とは何か」を追求
生活様式や価値観、技術の大きな変化によって不確実性が増す現代だからこそ、ヤマハ発動機は人間にとって「不変的な価値の探究」が必要と考えています。「感動創造企業」を企業目的とするヤマハ発動機が追求する価値とは、人の「感動」です。そこで、米国の理論生物学者Mark Changizi博士やカリフォルニア工科大学の下條信輔研究室をパートナーに、現在同じ「感動」を共通理念にもつヤマハ株式会社と共に研究を進めています。乗り物を操る、楽器を奏でるといった“身体を通じた感動”には、「感情の強度」と「感情の継時変化」の要素が重要であると仮説を立て、その検証のため、両ヤマハが追求する感動を人工的に発生させるインスタレーションとして「e-plegona」を生み出しました。「人が感動するとはどういうことか?」を科学とアートの観点から読み解き、将来の“わくわく”につなげていきます。
研究メンバー
-
末神 翔
技術・研究本部
技術戦略部
博士(心理学) -
林 輝宙
クリエイティブ本部
プランニングデザイン部
リサーチャー -
檜垣 秀一
技術・研究本部
プロジェクト推進部
エンジニア
研究詳細
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カリフォルニア工科大学教授・下條信輔氏からみたヤマハ発動機との研究
「人が感動するとはどういうことか?」この問いに対し、ヤマハ発動機とヤマハ株式会社は、サイエンスとアートの二つの異なる観点からの読み解き、それらを融合させたユニークな研究を進めています。
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「e-plegona」 Red Dot Design Award受賞
ヤマハ発動機株式会社とヤマハ株式会社が共同制作した、体験型インスタレーション「e-plegona(エプレゴナ)」が、世界的に権威あるデザイン賞「Red Dot Design Awardデザインコンセプト2024」を受賞しました。本賞は未来の優れた製品やイノベーションの先駆けとなる独創的なコンセプトに送られる賞です。
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アートとサイエンスで感動を再現する「協調HMI研究」という試み
「人が感動するとはどういうことか?」この問いに対し、ヤマハ発動機とヤマハ株式会社は、サイエンスとアートの二つの異なる観点からの読み解き、それらを融合させたユニークな研究を進めています。
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感覚拡張HMI研究
人の感覚を拡張し「人機官能」を加速させる
ヤマハ発動機には、「人機官能」という独自の開発思想があります。人と機械を高い次元で一体化させることで人の悦びや“わくわく”をつくりだすという考え方で、この開発思想はあらゆる現場で取り入れられ、製品へと落とし込まれています。この「人機官能」についての研究は現在も進められており、そのひとつが、人間の五感とテクノロジーを適切に組み合わせることによって、人間本来の能力拡張の可能性を広げる「感覚拡張HMI※」です。
現在、「感覚拡張HMI」の研究の主役となるのは「聴覚を利用した後方認知支援デバイス」と呼ばれる独自の装置。後方から接近する車両の位置や進路を、ミラーなどを介した視覚ではなく、聴覚で認知することのできるデバイスを開発しています。いずれはこのデバイスを使い、周囲の状況が直感的に把握できるようになることで、モーターサイクルを初めとしたさまざまな乗り物がより安全で楽しくなる。そんな未来を思い描き、日々研究に取り組んでいます。
※HMI:Human Machine Interfaceの略称
研究メンバー
-
末神 翔
技術・研究本部
技術戦略部
博士(心理学) -
渡辺 政樹
クリエイティブ本部
プランニングデザイン部
UI/UXデザイナー -
檜垣 秀一
技術・研究本部
プロジェクト推進部
エンジニア -
橋本 晃
クリエイティブ本部
プランニングデザイン部
サウンドデザイナー
研究詳細
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「心理学者の私が大学ではなく、企業で研究をする理由」
研究者として国内外の大学で心理学の研究を行ってきた末神翔さんは、現在、感覚拡張HMI研究を始めとするヤマハ発動機の「人間研究」に携わっています。「なぜ民間企業であるヤマハ発動機を選んだのか?」「実際に企業で働いて感じていることとは?」「未来の研究者たちへのアドバイスは?」心理学者であり、ヤマハ発動機の社員である末神さんにお話を伺いました。
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聴覚で後方からの接近車両の位置や進路を察知する「感覚拡張HMI研究」とは?
テクノロジーによって、あらゆるものが進化する現代。“感動創造企業”を掲げるヤマハ発動機では、人間の五感と最新技術を組み合わせることで人間本来の感覚を拡張する「感覚拡張HMI(Human Machine Interface)研究」に取り組んでいます。
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人とくるまのテクノロジー展 2024
YOKOHAMA 出展のお知らせこの度、ヤマハ発動機感覚拡張HMI研究チームは「人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA」に出展いたします。今回の展示では、聴覚を利用した後方認知支援デバイスの研究試作品を用いたデモンストレーションと解説を行います。
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文化創造マーケティング
過去を読み解き、新たな文化を創り出す
ヤマハ発動機は初のモーターサイクル製品「YA-1」を筆頭に、新しい価値を提供し続けて市場をリードしてきました。しかし、私たちの企業目的は、ただ製品を売って市場拡大を狙うことではありません。お客さまと共に新しい文化を創り、未だ見ぬ感動体験をお届けすることこそが、大切な目的のひとつ。そのため、国内外の社会の流れや文化の移り変わりを“文脈”として学術的・客観的に理解し、世界各所で発生しているさまざまなムーブメントから次に来るべき新しい文化を予測する研究も行っています。また、その研究成果を基に、新しい文化を創り出す挑戦も行っています。
最新の研究として、米国内におけるオフロードバイクのお客さまと、その周辺の人々を取り巻く新しい文化の兆しを、社会学や文化人類学、そして心理学を駆使して研究し、新たな文化創造のヒントを探っています。
研究メンバー
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末神 翔
技術・研究本部
技術戦略部
博士(心理学)
採用について
ヤマハ発動機は共に未来を創る仲間を求めています。